ブラックサンダー初のハッカソン開催 AIとお菓子が生んだユニークな開発アイデア

2026-06-09 08:00

AIの進化によって、ソフトウェア開発の現場は大きく変わりつつあります。コード生成AIや自動化ツールの普及により、開発スピードが向上する一方で、エンジニアには新たな発想力や創造性も求められるようになりました。そんな時代だからこそ、技術だけでなく、作業中の気分転換や集中力の維持も重要なテーマになっています。

そうした中、有楽製菓株式会社が開催したのが、ブラックサンダーをテーマにした初のハッカソン「ブラッカソン」です。テーマは「エンジニアがブラックサンダーを食べたくなるアイデア」。AIやソフトウェア開発、ハードウェア技術などを活用しながら、参加者たちは自由な発想で作品づくりに挑みました。

会場にはエンジニアならではのユニークなアイデアが集まり、ブラックサンダーを自動で提供する装置や、3Dスキャン技術を活用したゲーム、認証システムなど、思わず笑顔になる作品が次々と誕生しました。お菓子とテクノロジーという一見意外な組み合わせから生まれた今回のイベントは、ハッカソンの楽しさと開発者コミュニティの創造力を感じられる場となったようです。

ブラックサンダー初のハッカソン「ブラッカソン」を開催

「ブラッカソン」は、2026年6月6日から7日にかけて東京・秋葉原で開催された、ブラックサンダー初のハッカソンイベントです。

テーマとして掲げられたのは、「エンジニアがブラックサンダーを食べたくなるアイデア」。技術力だけでなく、発想力や遊び心も求められるユニークなテーマが設定されました。

イベントには318名・106チームから応募があり、その中から選考を通過した69名・20チームが参加。限られた時間の中でアイデアを形にするべく、参加者たちは開発に取り組みました。

会場にはパソコンを広げて議論を重ねるチームや、ハードウェア制作に取り組む参加者の姿も見られ、終始活気に包まれていたようです。企業主催のハッカソンでありながら、自由な発想を歓迎する雰囲気が印象的なイベントとなりました。

開発の合間にひと息 BTDDという新しい発想

「ブラッカソン」は、ブラックサンダーの新たな楽しみ方として「パソコン作業のおとも」という食シーンを提案するために開催された、ブラックサンダー初のエンジニア向けハッカソンイベントです。

ブラックサンダーは、ザクザクとした食感や食べごたえに加え、片手で食べやすいサイズ感も特徴のひとつです。作業の合間の気分転換やエネルギーチャージにも適していることから、長時間パソコンに向き合うエンジニアとの親和性に着目したといいます。

そこで今回のイベントでは、開発の合間にブラックサンダーを食べてひと息入れながら作業を進める「ブラックサンダー駆動開発(BTDD/Black Thunder Driven Development)」という独自の開発スタイルを提案しました。

参加者たちは、「エンジニアがブラックサンダーを食べたくなるアイデア」をテーマに、AIやソフトウェア、ハードウェアなどさまざまな技術を活用しながら開発に挑戦。単なるアイデアコンテストではなく、BTDDというコンセプトそのものを体験できる2日間となりました。

食べ放題に景品も 会場を盛り上げた特別企画

ブラッカソンの会場では、参加者が楽しみながら開発に取り組めるさまざまな企画が用意されていました。

なかでも注目を集めたのが、「ブラックサンダー駆動開発(BTDD)」を体感できるブラックサンダー食べ放題コーナーです。アンケートによると、2日間で消費されたブラックサンダーは合計891本で、1人あたり平均約14本を食べた計算になります。中には40本を食べた参加者もいたそうです。

参加者からは「手軽に糖分補給できる」「気分転換になる」といった声も聞かれ、ブラックサンダーが開発のおともとして親しまれていました。

また、ブラックサンダー型のカードをめくって景品が当たる「ブラックサンダーの壁」も設置。オリジナルグッズに加え、4Kモニターなど開発を支援するアイテムも用意され、参加者の関心を集めていました。

さらに、参加者全員にイベント限定Tシャツやステッカー、ブラックサンダー1箱をプレゼント。当日は黒いTシャツ姿の参加者が並び、会場は“ブラックサンダー一色”の空間となっていました。

優勝作品は“ブラックサンダーを自動供給する装置”

2日間の開発を終えた全20チームは、最終発表でそれぞれの成果物を披露しました。会場では、技術力だけでなくブラックサンダーならではの遊び心を取り入れた作品が次々と登場し、参加者や審査員の注目を集めました。

審査では、技術力、アイデア、完成度、遊び心などを総合的に評価し、ブラッカソンを象徴する作品として最も高い支持を集めたチームが優勝作品に選ばれました。

優勝

作品名:ブラックサンダー駆動開発装置(BTDD装置)〜AIと人間がブラックサンダーのために働く、真の駆動開発〜

チーム:ビーバーズ・ハイブ

この作品は、AI開発ツールであるClaude CodeやCodexの利用状況と連携し、一定量の利用を行うとブラックサンダーを自動で提供するというものです。

単にお菓子を受け取るだけではなく、装置が自動でブラックサンダーを取り出し、開封し、利用者のもとへ届ける仕組みまで実装されている点が大きな特徴です。

ユニークな発想に加え、AIツールとの連携やハードウェア制御など複数の技術要素を組み合わせていることが高く評価されました。

「ブラックサンダーを食べたくなるアイデア」というテーマに対して、技術的な完成度と遊び心の両方を兼ね備えた作品だったことが、受賞につながった理由のひとつと言えるでしょう。

発想力と技術力が光る受賞作品が続々登場

最優秀賞以外にも、会場では個性的な作品が数多く発表されました。

ワクザク!アイデア賞

作品名:ブラックスキャンダー

チーム:kb(選者:有楽製菓株式会社 代表取締役社長 河合 辰信)

ブラックサンダーの表面を3Dスキャンし、その凹凸をゲームのステージとして活用した作品です。一本ごとに異なる形状をゲーム体験へ変換するという、ユニークな発想が特徴です。

断面ではなく表面に着目した点が評価され、実際の形状をゲームとして楽しめるアイデアが印象的でした。遊び心と完成度を兼ね備えた作品として、会場の注目を集めました。

溢れるパッション賞

作品名:今日の彼女の機嫌はブラックサンダー 〜彼女の感情はロールバックできない〜

チーム:ワタシハブラックサンダーチョットタベル_42      (選者:デイリーポータルZ 編集長 林 雄司)

「怒るとブラックサンダーを大量購入してしまうエンジニアの彼女」との恋愛を描いたCLI形式の短編ゲームです。プレイヤーの選択によって好感度や信頼度が変化し、複数のエンディングへ分岐します。

作品内では、有楽製菓のオンラインショップと連動し、ゲームの展開に応じてブラックサンダーが自動購入される機能も実装。ゲームと現実の購買体験を結び付けるユニークな発想が特徴です。

インパクトのある設定や遊び心あふれるアイデア、実装力が評価され、会場の注目を集めました。

イケてるハック賞

作品名:公開ブラックサンダー認証

チーム:お菓子大好き!(選者:株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長 近藤佑子)

公開鍵認証とブラックサンダーを組み合わせたユニークな認証システムです。ブラックサンダーを割った際に現れる断面の違いを利用し、断面写真を「公開ブラックサンダー」、実物を「秘密ブラックサンダー」として活用します。

認証時には、実物の断面をWebカメラで撮影し、登録済みの画像と照合して本人確認を実施。秘密ブラックサンダーが漏洩した場合は食べて無効化できるという、遊び心のある仕組みも特徴です。

断面をセキュリティに応用した発想と完成度の高さが評価され、会場の注目を集めました。

技術の無駄遣い賞

作品名:サンキューサンダー

チーム:高専モンスター(選者:面白法人カヤック バズ発明家 ゆうもや)

レビュー依頼やPRをきっかけに、ブラックサンダーを物理的に届ける仕組みです。Slackで対象者をメンションするとBotが検知し、投石機がブラックサンダーを発射。対象者のPCには通知も表示されます。

サーボモーターで制御された投石機とソフトウェアを組み合わせ、日常的なコミュニケーションを楽しい体験に変えている点が特徴です。

発想力と実装力が評価され、会場の注目を集めました。

AI審査員賞

作品名:ブラックサンダーEverywhere

チーム:Acompany(選者:有楽製菓 社内AI)

開発ツールや工程にブラックサンダーの要素を取り入れ、開発体験を楽しくする作品です。

ターミナルでAI利用量を「ブラックサンダー何個分」と表示したり、VS CodeやJetBrainsに演出を追加したりするなど、さまざまな開発環境に対応。さらにブラウザやメニューバーアプリも含め、2日間で計7つのプロダクトを開発しました。

開発者向けツールへ自然にブラックサンダーを組み込む発想と実装力が評価されました。

満足度98.4% 参加者から高い評価を獲得

イベント終了後に実施されたアンケートでは、参加者から高い評価が寄せられました。満足度は98.4%に達し、多くの参加者がイベントに対して好意的な印象を持ったことが分かります。

また、「ブラックサンダーとエンジニアの相性が良い」と回答した参加者は95.2%、「今後もBTDDを取り入れたい」と回答した参加者は85.7%という結果になりました。

ハッカソンは技術力を競う場というイメージがありますが、今回のブラッカソンでは、参加者同士の交流や自由な発想を楽しむ雰囲気も高く評価されたようです。

AIや開発ツールが進化する時代だからこそ、人と人とのコミュニケーションや、ちょっとした遊び心が生み出す価値も改めて注目されているのかもしれません。

お菓子とテクノロジーが出会った2日間

お菓子メーカーが主催するハッカソンという一風変わった取り組みとして開催された「ブラッカソン」ですが、会場では想像以上に多彩なアイデアが生まれました。

ブラックサンダーを題材にしながらも、その中にはAIやソフトウェア開発、ハードウェア制御、3Dスキャン技術など、さまざまなテクノロジーが活用されています。技術的な挑戦と遊び心が自然に共存していた点は、このイベントならではの魅力だったのではないでしょうか。

開発者たちが真剣に技術と向き合いながらも、自由な発想で楽しむ姿勢が感じられた今回のブラッカソン。AI時代のものづくりにおいて、創造力やコミュニティの力が持つ価値を改めて感じさせてくれるイベントとなりました。

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