約9割が負担を実感! 尿量確認作業に見る医療DXのリアルな課題

2026-06-21 08:00
約9割が負担を実感! 尿量確認作業に見る医療DXのリアルな課題

医療現場のDXという言葉を耳にする機会は増えている。電子カルテやオンライン資格確認、遠隔診療など、医療とデジタル技術を結びつける取り組みは、以前よりも身近なものになってきた。一方で、病棟で日々行われる看護業務に目を向けると、確認や記録、転記といった手作業がまだ多く残っているのも現実である。特に、患者の状態を把握するために欠かせない作業は、重要であるほど省略しにくく、ミスも許されない。忙しい勤務の中で繰り返し発生する業務が積み重なれば、時間的な負担だけでなく、心理的な緊張にもつながる。医療DXが本当に現場の助けになるためには、こうした日常的で地道な作業にどこまで届くかが問われているといえる。

そうした中、OKI(https://www.oki.com/global/ja/)は、病院勤務の看護師や医療機器導入決定者を対象に「医療現場における医療DXの推進意識と尿量確認作業実態」に関する調査を実施した。今回の調査では、看護業務の中でもウロバッグの尿量確認作業に着目し、医療DXの認識と現場負担の実態、自動化へのニーズを明らかにしている。

医療DXの認知は進む一方で、現場定着には課題もある

今回の調査は、2026年3月6日から3月9日にかけて、病床数200床以上の病院に勤務する看護師、看護師長・看護管理職、医師を対象に行われた。回答者は1,013人で、看護師500人、医療機器導入決定者513人という構成である。

はじめに「医療DX」という言葉について尋ねたところ、最も多かった回答は「意味は理解できるが、現場の実態とは乖離がある」で47.1%だった。「現場に浸透しており、実態にも即している」は24.8%となっている。言葉としての認知は広がっているものの、実際の業務に十分な形でなじんでいると感じる人ばかりではないことがうかがえる。

医療DXは、単に新しいシステムを入れるだけではなく、現場で本当に使われ、負担軽減や安全性向上につながることが大切である。その意味で、今回の調査は「どの業務にDXを届けるべきか」を考える材料になりそうだ。

尿量確認は重要でありながら、アナログ作業が残る業務

医療現場では、少子高齢化に伴う医療需要の増加や、患者像の複雑化、人手不足への対応が続いている。限られた人員で医療の質と安全性を保つためには、日々の業務の中にある負担を見直すことが欠かせない。今回OKIが着目したのは、ウロバッグの尿量確認作業である。尿量は患者の全身状態を把握するうえで重要な情報だが、現場では目視による確認、測定、手書きでの記録や転記に頼る場面も少なくない。忙しい業務の中では、確認の遅れや記録漏れのリスクもある。

体温管理、離床検知、術後管理など、医療DXの対象となる業務は幅広い。その中でも尿量確認は、重要性が高く、負担が大きく、さらにデジタル化による改善余地がある業務として、今回の重点テーマに選ばれた。

約9割が尿量確認作業に負担を感じている

現場の看護師に、ウロバッグの尿量を最も頻回に確認する場合の頻度を尋ねたところ、「4時間に1回程度」が55.8%、「1時間に1回程度」が31.8%だった。あわせると約9割が、1時間から4時間に1回の頻度で確認していることになる。

患者の状態によっては、短い間隔での確認が求められることもある。こうした作業が勤務中に繰り返されることを考えると、現場の負担として積み重なりやすい業務だといえる。

さらに「尿量確認作業は負担が大きいと感じるか」という質問では、「非常に感じる」が39.4%、「やや感じる」が52.4%となり、こちらも約9割が負担を感じている結果となった。確認そのものに加え、記録や転記が伴うことで、心理的・時間的な負荷が高まっている様子が見えてくる。

自動測定やリアルタイムモニタリングへの関心も高い

尿量確認作業への負担感を背景に、自動化へのニーズも高く示された。「ウロバッグから尿量を自動測定・リアルタイムモニタリングできる機器を導入したいと思うか」と尋ねたところ、「非常に導入したい」が39.5%、「やや導入したい」が50.9%だった。約9割が導入に前向きな回答をしていることから、現場では具体的な業務負担の軽減につながる仕組みへの期待が大きいことがうかがえる。尿量確認は、患者の状態把握に関わるため省略できる作業ではない。だからこそ、確認や記録を支援する機器があれば、看護師がより必要なケアに時間を向けやすくなる可能性がある。

医療DXの理想と現場の実態にずれがある中で、こうした日常的な作業をどう改善していくかは重要な視点である。大きな変革だけでなく、繰り返し発生する定常業務を支えることも、医療DXの現実的な一歩といえそうだ。

<調査概要>
「医療現場における医療DXの推進意識と尿量確認作業実態」に関する調査
調査期間:2026年3月6日(金)~2026年3月9日(月)
調査方法:PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
調査人数:1,013人(①500人/②513人)
調査対象:調査回答時に病床数200床以上の病院に勤務する看護師、看護師長/看護管理職、医師と回答したモニター
調査元:沖電気工業株式会社(https://www.oki.com/global/ja/)
モニター提供元:サクリサ

今回の調査からは、医療DXという言葉が広がる一方で、現場にはまだ多くの手作業が残っていることが見えてくる。尿量確認は、患者の状態を知るために欠かせない業務でありながら、看護師にとっては日々の負担にもなっている。だからこそ、必要な確認をなくすのではなく、無理なく続けられる形に整えていく視点が大切である。

約9割が尿量確認作業に負担を感じ、自動測定・リアルタイムモニタリング機器の導入にも前向きだったという結果は、現場が求めている支援の具体性を物語っている。医療DXは大きな変革だけでなく、こうした小さな作業を少し軽くするところから、現場に根づいていくのではないだろうか。

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