戦略を描くだけでは企業は変わらない 「伴走型支援」が問われる理由

2026-08-13 17:30

急速に市場環境が変化するなか、企業に求められる対応も複雑になっている。新たなツールや制度、経営戦略を導入しても、それが現場で十分に機能しなければ、成果には結びつきにくい。こうした背景から、戦略策定だけでなく実行段階まで関与する「伴走型支援」に注目が集まっている。

株式会社フォワード・クリエイションも、企業や個人の思想を起点に、戦略策定から現場での実行までを支援する「プレイング・インキュベーション」という考え方を掲げている。同社への取材を通じ、企業支援において戦略と現場をどう接続するか、その論点を探った。

思想を起点とした「プレイング・インキュベーション」とは

同社の説明によれば、「プレイング・インキュベーション」とは、企業や個人が持つ思想や価値観を起点に、戦略から実行まで継続的に関わりながら、その価値を事業やサービスとして届けていく考え方だという。

事業環境が複雑化するなか、企業が掲げる理念や戦略と、実際の事業活動との間にズレが生じるケースは珍しくない。どのような価値を提供したいのかを整理したうえで、それを具体的な事業や顧客体験へ落とし込めるかは、企業経営における一つの課題となっている。

従来のコンサルティングでも戦略策定や課題整理は行われてきたが、近年はその先にある実行段階まで、外部の支援者がどこまで関与するかが問われるようになっている。

机上の戦略から現場実行までをどう接続するか

フォワード・クリエイションのビジネスサポート事業では、経営や組織、事業開発、マーケティングなど幅広い領域を対象としている。同社によると、支援にあたってはまずヒアリングを重ね、企業が抱える課題を整理。そのうえで戦略を提示するだけではなく、必要に応じて実務にも関わりながら、現場で運用できる形へ落とし込んでいくという。

企業支援では、戦略そのものよりも実行段階でつまずくケースもある。新しい仕組みを導入しても既存業務になじまなかったり、経営側の方針が現場に十分共有されなかったりすれば、期待した成果にはつながらない。その意味では、外部支援者に求められる役割も、助言や提案だけでなく、現場との調整や実行支援まで広がりつつあるといえる。

外部評価は支援会社選びの一材料

同社は、「2026年 会社図鑑 関東版 100選」への選出や、「SMB Growth企業賞 専門コンサルティング部門」の受賞実績もあるという。

もっとも、こうした受賞や選出だけで、支援内容そのものを評価することはできない。企業が外部パートナーを選ぶ際には、過去の実績だけでなく、自社の課題にどこまで対応できるのか、実行段階までどの程度関与するのかといった点を確認する必要がある。特に伴走型の支援では、企業側と支援側の関係が長期化することもある。専門性だけではなく、事業への理解や役割分担の明確さも重要になりそうだ。

「伴走」の範囲はどこまで広がるのか

同社は今後、現在のコンサルティングや事業支援に加え、新たな事業領域への展開も計画している。

9月には、事業承継を通じた新規事業を始める予定だという。支援する側にとどまらず、自ら事業運営にも関与することで、これまでとは異なる事業モデルを構築していく考えだ。

さらに、クライアント企業への関与を深めるため、労働者派遣事業に必要な許可の取得も予定している。取得後は、人材面も含めて組織内部により近い立場から支援する体制を検討しているという。

ただ、外部企業が現場へ深く関与するほど、支援会社とクライアント企業それぞれの役割や責任範囲を明確にすることも重要になる。

戦略策定から実行支援、さらには人材や事業運営まで、「伴走」の範囲は今後さらに広がっていく可能性がある。その一方で、どこまで外部の力を活用し、どこからを自社で担うのか。企業側にも、支援のあり方を見極める視点が求められていくだろう。


【取材協力】
株式会社フォワード・クリエイション
代表 村上 暁誠 
https://www.forwardcreation.jp

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