高校生3,045名が描いた社会の未来。日本青年会議所が全国高校生政策甲子園を開催

2026-08-26 08:00

「もし自分が総理大臣になったら、どんな社会をつくりたい?」――そんな大きな問いに、高校生たちが自分なりの答えを“政策”として届ける「全国高校生政策甲子園」。第4回となる今回は、全国47都道府県から過去最多となる1,010チーム・3,045名が参加しました。

書類選考と全国10地区での予選を勝ち抜いた20チームは、2026年8月20日、国会議事堂参議院別館で行われた決勝大会へ。AI時代の働き方や地域産業、農業技術の継承、若い世代の政治参加など、身近な未来にもつながるさまざまな政策が発表され、各部門の日本青年会議所会頭賞・副会頭賞が決定しました。

高校生たちは、いまの社会にどんな課題を見つけ、どんな未来を描いたのでしょうか。全国から集まった3,045名の挑戦と、決勝の舞台で評価された4チームの政策を紹介します。

高校生が社会の未来を考える「全国高校生政策甲子園」

「全国高校生政策甲子園」は、高校生が社会の課題に目を向け、自分たちで考えた政策を発表する全国規模の取り組みです。若い世代の主権者意識を高めることを目的に、公益社団法人日本青年会議所(日本JC)が主催しており、2026年で4回目を迎えました。大人が決めた答えを学ぶのではなく、高校生自身が「これからの社会をどうしたいのか」を考え、政策という形で発信できることが、この大会の大きな特徴です。

今回設けられたのは、2つの部門です。設定テーマ部門では「希望の就職や働き方を実現!若者が安心して社会に出られる政策」をテーマに、これから社会へ羽ばたいていく高校生たちが、働くことや将来について政策を考えました。

もう一つの自由テーマ部門は、「私が総理大臣になった時の一丁目一番地(最優先事項)」。もし自分が日本の舵取りを担うなら、何を最も大切な課題として考えるのか。高校生ならではの視点から、自由な政策が求められました。

社会の課題というと、どこか難しく、自分からは遠い話に感じることもあるかもしれません。しかし、働き方や地域の未来、政治などは、これから社会へ出ていく高校生たちにもつながるテーマです。そんな未来を「誰かが考えるもの」にせず、自分たちの言葉で考え、政策として届ける。その機会を全国の高校生に提供しているのが、全国高校生政策甲子園です。

全国3,045名の挑戦から20チームへ!国会議事堂で迎えた決勝大会

第4回全国高校生政策甲子園には、開催以来初めて全国47都道府県すべてから応募が集まりました。その数は過去最多となる1,010チーム・計3,045名。社会の未来について自分たちなりの政策を届けようと、全国各地から多くの高校生が参加しました。

まず書類選考を通過したのは200チームです。その後、北海道・東北・関東・東海・北陸信越・近畿・中国・四国・九州・沖縄の全国10地区で予選大会が行われ、各地区を勝ち抜いた計20チームが決勝大会への切符を手にしました。

そして2026年8月20日、20チームが政策を発表した決勝の舞台は、国会議事堂参議院別館。日本青年会議所の会頭・副会頭をはじめ、教育や人事、研究、子ども支援などさまざまな分野で活動する審査員を前に、それぞれが考えてきた政策を演説しました。

1,010チームから選ばれた20チームという数字からも、ここまでたどり着く道のりの長さが伝わってきます。全国各地の高校生が社会について考え、その中から選ばれた20チームが国会議事堂で自分たちの政策を届ける――。決勝大会は、これまで積み重ねてきたアイデアや思いを発信する大きな舞台となりました。

高校生が描いた未来とは?会頭賞・副会頭賞に輝いた4チーム

全国10地区の予選を突破し、国会議事堂参議院別館で行われた決勝大会に挑んだ20チーム。審査の結果、設定テーマ部門と自由テーマ部門から、それぞれ「日本青年会議所会頭賞」と「日本青年会議所副会頭賞」が選ばれました。

AI時代の働き方から地域産業、農業技術の継承、若い世代の政治参加まで、選ばれた政策が向き合うテーマはさまざまです。ここからは、受賞した4チームとそれぞれが掲げた政策を紹介します。

AI時代の働き方に新たな視点|精道三川台高等学校「エルガシア」

設定テーマ部門で日本青年会議所会頭賞に選ばれたのは、精道三川台高等学校のチーム「エルガシア」です。

政策タイトルは、「ホワイトカラーからブルーカラーへの移行~デスクから現場へ:AI時代の新たな生存戦略~」。AIの進化によって働き方が変化していく時代に、デスクワークだけでなく現場で働く仕事にも目を向けた政策を掲げました。

「若者が安心して社会に出られる政策」という今回のテーマに対して、AIと仕事の関係から未来の働き方を考えた点が印象的です。

島で働きたい若者と産業をつなぐ|小豆島中央高等学校「SUMIKA」

同じく設定テーマ部門で日本青年会議所副会頭賞に選ばれたのは、香川県立小豆島中央高等学校のチーム「SUMIKA」です。

掲げた政策は、島で働きたい若者と小豆島の産業をつなぐ政策「WWOSA」。全国的な働き方だけでなく、自分たちの地域である小豆島に目を向け、「島で働きたい若者」と「地域の産業」を結びつけようとするテーマです。

若者の働き方と地域の未来。その2つを一緒に考えた政策からは、全国大会でありながら、それぞれの高校生が身近な地域から社会を見つめていることもうかがえます。

種もみの技術を次の世代へ|佐久長聖高等学校「種籾プロジェクト」

自由テーマ部門で日本青年会議所会頭賞を受賞したのは、佐久長聖高等学校のチーム「種籾プロジェクト」です。

政策タイトルは、「育成就労制度を活用した種もみ生産の技術継承と国際協力」。自由テーマ部門の「私が総理大臣になった時の一丁目一番地(最優先事項)」に対し、種もみ生産の技術継承と国際協力に目を向けました。

働き方とはまた異なる角度から、日本の農業や技術をこれからどう受け継いでいくのかという課題を政策として掲げています。

若い世代と政治の距離を近づける|高松高等学校「一票打線」

自由テーマ部門の日本青年会議所副会頭賞には、香川県立高松高等学校のチーム「一票打線」が選ばれました。

政策タイトルは、「ようこそ政治界隈へ!~主権者教育の拡充による未来の国づくり」。若い世代と政治との関わりに目を向け、主権者教育をテーマにした政策です。

「政治」という少し難しく感じられるテーマに、高校生自身が向き合い、未来の国づくりを考える。その姿勢も、社会について自分たちの言葉で考える政策甲子園らしさを感じさせます。

AI、地域、農業、政治。4チームが選んだテーマは異なりますが、どれもこれからの社会につながるものばかりです。高校生たちが自分たちなりの視点で課題を見つけ、「こうしたらもっと良くなるのでは」と政策にして届ける。受賞した4つの政策からも、この大会ならではの幅広さが見えてきます。

決勝のその先へ――「最優秀賞」は全国からの一票で決まる

会頭賞・副会頭賞の4チームが決まり、ひとつの大きな節目を迎えた第4回全国高校生政策甲子園。しかし、高校生たちの挑戦はここで終わりではありません。次に待っているのは、全国から広く声を集めて決定する「最優秀賞」です。

インターネット投票は、2026年9月1日(火)10:00から9月20日(日)23:59までの20日間。政策甲子園の公式LINEアカウントを通じて行われ、各部門で最も多くの票を集めたチーム、計2チームが最優秀賞に選ばれます。結果は9月23日(水)に発表される予定です。

決勝大会では審査員を前に政策を届けた高校生たちですが、今度はそのアイデアが全国の人たちへと届いていきます。どの政策に共感するのか、どんな未来を応援したいと思うのか。高校生が考え抜いた政策に私たち一人ひとりが目を向けることも、この大会を楽しむひとつの方法ではないでしょうか。

全国3,045名が参加した今回の挑戦。その先にどんな政策が最優秀賞として選ばれるのか、最後まで注目したいところです。

高校生のアイデアが、社会の未来を考えるきっかけに

AI時代の働き方、地域産業と若者の雇用、農業技術の継承、そして政治参加。今回受賞した4チームが向き合ったテーマはそれぞれ異なりますが、どれも高校生たちがこれから生きていく社会と無関係ではありません。

全国47都道府県から3,045名が参加し、自分たちなりに社会の課題を見つめ、政策という形でアイデアを届けた第4回全国高校生政策甲子園。決勝の舞台に立った20チームだけでなく、全国各地で政策を考えた高校生一人ひとりの挑戦があってこそ、今回の大会が形づくられています。

「社会をもっと良くするにはどうすればいいのか」。その問いに、まだ社会へ出る途中にいる高校生たちが本気で向き合うことには、大きな意味があるのではないでしょうか。そして、その声を発信できる舞台があることで、高校生のアイデアに私たち大人が触れ、社会の未来を改めて考えるきっかけにもなります。

第4回大会は、これから全国から広く声を集めるインターネット投票を経て、最優秀賞の決定へと進みます。高校生たちが描いた未来への提案がどのような形で届いていくのか、その挑戦の行方にも注目です。


公益社団法人日本青年会議所 概要

公益社団法人日本青年会議所(日本JC)は、より良い社会づくりを目指して全国各地で活動する青年団体です。日本のJC運動は1949年に始まり、1951年に日本青年会議所が設立されました。「修練・奉仕・友情」の3つを信条に、地域や社会が抱えるさまざまな課題に取り組んでいます。「全国高校生政策甲子園」も、その活動のひとつとして展開されています。

「全国高校生政策甲子園」:https://seisakukoushien.jaycee.or.jp/

公益社団法人日本青年会議所公式HP:https://www.jaycee.or.jp/

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