生成AIは答えではなく相談相手 弥生が子ども向け「未来のお店」経営体験教室を開催

2026-09-01 10:00

生成AIは、調べ物やアイデアづくりなど、日常のさまざまな場面で使われるようになりました。子どもたちにとっても身近な存在になりつつある一方、AIが提案した内容を理解し、最後は自分で考えて判断する力が求められています。

弥生株式会社は2026年8月7日、社員の子どもを対象とした「AIと一緒に未来のお店をつくろう!夏休み子ども経営体験教室」を本社の秋葉原UDXで開催しました。生成AIを使ったお店づくりを通して、AIの活用方法に加え、お金や経営について学ぶ体験型イベントです。

AIと経営を組み合わせた子ども向け教室

今回のイベントは、8月29日の「おかねを学ぶ日」に先立って開催されました。小学4年生から中学3年生までの子ども5名が保護者とともに参加し、税理士の講師1名が授業を担当しました。

子ども向けの金融教育が広がる一方、仕事や会社経営など、実社会に近いテーマを体験する機会はまだ多くありません。弥生は、中小企業や個人事業主のバックオフィスを支援してきた経験を生かし、「AI」「仕事」「お金」を組み合わせた学びの場を企画しました。

目的は、AIを操作する力だけでなく、AIの提案を参考にしながら、自分で考えて判断する力を育むことです。

生成AIと考える「未来のお店」のアイデア

最初のプログラムでは、子どもたちが生成AIを活用しながら、自分だけのお店を企画しました。AIや周囲の大人に相談し、お店の名前、商品やサービス、想定する顧客、ロゴ、キャッチコピーなどを考えました。

子どもたちはAIから提案を受けながら、自分が作りたいお店のイメージに合う内容を選び、アイデアを形にしていきました。AIだけに決めてもらうのではなく、提案を確認し、自分の考えを加える形でお店づくりを進めました。

税理士の授業で学ぶ売上・経費・利益

続いて、髙嶋のぞみ税理士事務所の髙嶋のぞみさんが、経営に必要な「売上」「経費」「利益」について授業を行いました。身近な例やクイズを交え、売上から商品を用意する費用や手数料などを差し引くことで利益が残る仕組みを説明しました。

授業では、「AIが考えてくれたアイデアで、本当に利益が出るのか」という視点も示されました。子どもたちは、自分たちが考えた商品や価格を振り返り、お店を続けるために必要なお金について学びました。

利益と顧客の満足からアイデアを見直し

税理士の授業を受けた後、子どもたちは商品の内容や価格を再検討しました。「利益が出るか」「お客さんに喜んでもらえるか」という二つの観点から、AIにも相談しながらお店のアイデアをブラッシュアップしました。

見直した内容は「未来の社長チャレンジシート」にまとめられました。最初に思いついた案をそのまま完成させるのではなく、新しく学んだ知識を取り入れて修正するところまでが、お店づくりのプログラムに含まれています。

発表会と「未来の社長認定証」の授与

最後には、子どもたちが完成したお店のアイデアを一人ずつ発表しました。好きな商品を選ぶだけでなく、販売価格から経費や手数料までを考え、利益を意識した企画を説明しました。

髙嶋さんから講評を受けた後、参加者には「未来の社長認定証」が授与されました。髙嶋さんは、お店づくりがお金について考える機会になったことや、子どもたちがAIを使って工夫し、アイデアを形にしていたことに触れました。

参加した子どもたちからは、「AIがいろいろ教えてくれて、お店を考えるのが楽しかった」「利益って何か、初めて分かった」「学校の授業では学べない経営について、教えてもらえて良かった」といった感想が寄せられました。

また、「AIは何でも決めてくれるわけではなく、自分で考えることも大事」との感想からは、今回の教室で大切にされた学びが伝わってきます。

未来のお店づくりから始まる、判断する力の学び

今回の体験教室で印象に残るのは、AIの便利さを伝えるだけで終わらず、提案を受けた後に「自分ならどうするか」を考える時間が丁寧に設けられていたことです。店名やロゴを自由に考える楽しさから入り、売上・経費・利益を学び、お客さんの満足と事業の継続を両方考えて案を見直す流れは、経営を身近に感じられる構成でした。お金の学びというと、貯蓄や買い物に目が向きがちですが、働くことや価値を生み出すことも大切な一面です。
AIが日常へ浸透していくほど、出てきた答えを選び直す力や、自分の考えを言葉にして伝える力の重要性は高まります。小さなお店をつくる今回の経験は、子どもたちがAIと上手に付き合いながら、社会や仕事を見る目を育てるきっかけになったのではないでしょうか。

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