「出雲の魅力を伝えたい!」出雲市の子ども観光大使がJALと学び県外へ

2026-09-18 13:00

修学旅行といえば、いつもとは違う土地を訪れ、その地域の歴史や文化に触れることも楽しみのひとつです。そんな修学旅行を「自分たちのまちの魅力を伝える機会」にしているのが、島根県出雲市の子どもたちです。

出雲市では平成25年度から、修学旅行に出かける小中学生が「子ども観光大使」となり、旅先で出会った人たちに出雲の観光スポットやグルメなどを紹介する取り組みを続けています。そして今年度は、日本航空株式会社(JAL)と初めて連携。子どもたちが本番で出雲の魅力を自分の言葉で伝えられるよう、修学旅行前の事前学習会も行われています。

有名な観光地を紹介するだけではなく、子どもたち自身がふるさとの魅力を改めて知り、それを県外の誰かへ届けていく「子ども観光大使」。今年はどのような準備を進めているのでしょうか。出雲市が長年続けてきた取り組みとともに紹介します。

修学旅行先では、今度は自分たちが案内役に。「子ども観光大使」とは

出雲市が「子ども観光大使事業」を始めたのは平成25年度。修学旅行に出かける市内の小中学生が「子ども観光大使」となり、県外で出雲の魅力を発信する取り組みです。

修学旅行では、訪れた土地について学ぶことが多いものですが、この取り組みでは子どもたち自身も“伝える側”になります。観光大使専用の名刺やパンフレットを手に、旅先で出会った人たちへ、自分たちが暮らす出雲の観光スポットや食の魅力などを紹介します。

そのためには、まず自分たちが出雲について知り、「何を伝えたいのか」を考えることも大切です。出雲大社をはじめ全国的に知られる場所だけでなく、身近にあるお気に入りの場所や地元ならではの食など、子どもたちだからこそ伝えられる出雲の姿もあるでしょう。

県外の人に出雲を知ってもらうと同時に、子どもたち自身がふるさとに目を向けるきっかけにもなる「子ども観光大使」。10年以上にわたって続けられてきたこの取り組みに、今年度は新たな連携が加わりました。

JALと初連携!「出雲の魅力をどう伝える?」本番に向けた事前学習

今年度の「子ども観光大使事業」では、新たな取り組みとして出雲市と日本航空株式会社西日本支社山陰支店(JAL)が初めて連携。子どもたちが修学旅行先で出雲の魅力をしっかり伝えられるよう、事前学習会が行われています。

9月8日に佐田中学校で行われた学習会では、まず出雲市から子ども観光大使の活動内容や市が抱える観光の課題について説明。その後、JALふるさとアンバサダーで出雲観光大使でもある藤田エミさんが、出雲ならではの観光の魅力を子どもたちに紹介しました。

さらに、修学旅行先でのPRを想定したロールプレイングにも挑戦。子ども観光大使役と現地の観光客役に分かれ、実際に相手へ話しかけるところから、自分がおすすめしたい観光スポットを紹介するところまで練習しました。学んだ知識を覚えるだけではなく、「知らない人にどう伝えるか」まで実践してみることで、本番の姿も少しずつイメージできそうです。

最後には、現地で使用する観光大使専用の名刺とパンフレットが子どもたちに手渡されました。多伎中学校、南中学校でも今後事前学習会が予定されており、それぞれの学校で修学旅行先でのPRに向けた準備が進んでいきます。

「出雲に行ってみたい」が返ってきた。子どもたちが届けたふるさとの魅力

では、実際に子ども観光大使として県外へ出た子どもたちは、どのような経験をしているのでしょうか。昨年度の活動では、修学旅行先でさまざまな人に声をかけ、自分たちの言葉で出雲の魅力を伝えました。

活動を終えた生徒からは、「出雲に行ってみたい」「出雲ってすごいね」という言葉をもらえたことへの喜びや、出雲大社以外の魅力についても詳しく紹介できたという感想が寄せられています。なかには外国から訪れた人に英語で出雲を紹介した生徒も。自分たちの英語が通じ、コミュニケーションを取れたことも貴重な経験になったようです。

参加校の先生からも、活動を通して生徒たちのふるさとへの思いが高まったことや、さまざまな人とのコミュニケーションが自信につながったと感じる声が寄せられています。さらに、名刺を受け取った人から後日学校へ手紙が届いたケースもありました。旅先での短い交流が、その場だけで終わらなかったことが伝わるエピソードです。

出雲を知らない誰かに、その魅力を伝える。旅先で人に声をかけ、言葉を交わし、時にはその反応が返ってくる経験は、子どもたちにとっても貴重なものになっているようです。昨年度の子どもたちが届けた言葉に続いて、今年度はどんな出会いが生まれるのか楽しみです。

子どもたちの言葉から、出雲の魅力がもっと遠くへ

観光地の魅力を伝える方法はさまざまですが、そこで暮らす子どもたちが「自分の好きな場所」や「おすすめしたいもの」を自分の言葉で伝えることには、また違った温かさがあります。

出雲市では、子ども観光大使事業をはじめ、市民自身が地域の魅力を知り、愛着を深めていく取り組みも大切にしながら、地域一体となった「住んでよし・訪れてよしの観光まちづくり」を進めています。県外へ魅力を発信するだけではなく、まず地域に暮らす人たちが出雲の良さを知る。子ども観光大使の活動も、そんなまちづくりにつながる取り組みのひとつです。

今年度はJALとの新たな連携も加わり、修学旅行先でのPRに向けた準備が進んでいます。「出雲には、こんな素敵な場所があるよ」。子どもたちが旅先で届ける一言が、誰かにとって出雲を知る最初のきっかけになるかもしれません。そしていつの日か、その誰かが実際に出雲を訪れる――そんなつながりが、これからも少しずつ広がっていきそうです。


出雲市 概要

島根県東部に位置する出雲市は、出雲大社をはじめとする歴史・文化資源や、日本海、宍道湖などの豊かな自然に恵まれたまちです。出雲そばや出雲ぜんざいなど地域ならではの食文化も親しまれており、観光振興とともに、地域の人々がふるさとの魅力を再発見し、地域一体となってその魅力を発信するまちづくりにも取り組んでいます。

出雲市公式サイト:https://www.city.izumo.shimane.jp/

出雲市観光基本計画:https://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1740641935842/index.html

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