犬にも『イヤイヤ期』があるの?反抗的な態度をみせる理由や飼い主がとるべき対応まで
「最近、呼んでも来なくなった」「今まで平気だったお手入れを嫌がるようになった」など、愛犬の態度が突然変わったように感じることはありませんか。特に子犬から成犬へ成長する時期には、これまで素直にできていたことを嫌がったり、飼い主より周囲の刺激に夢中になったりすることがあります。こうした変化は、犬の「イヤイヤ期」や「反抗期」と表現されることがあります。では、本当に犬にも人間のようなイヤイヤ期があるのでしょうか。今回は、犬が反抗的な態度をみせる理由と、飼い主がとるべき対応について解説します。
犬にも『イヤイヤ期』があるの?

「イヤイヤ期」は犬の医学的な用語ではありませんが、成長過程で一時的に自己主張が強くなったり、飼い主の合図への反応が鈍くなったりする時期はあります。
特に生後6~18か月頃は、犬にとって思春期にあたる時期です。ただし、犬種や体格、個体によって成長速度は異なるため、行動の変化が現れる時期にも差があります。
この時期は、体の成長だけでなく性成熟や周囲への興味の高まりなども起こります。そのため、「おいで」に反応しにくくなる、散歩中の引っ張りが強くなる、要求吠えやイタズラが増える、お手入れを嫌がるといった変化が見られることがあります。
ただし、犬が「飼い主を困らせよう」と考えて反抗しているわけではありません。行動の背景には、心身の成長や周囲への興味、不安、刺激への反応などが関係している可能性があります。
犬が『反抗的な態度』をみせる理由

愛犬の態度が変化したときは、単純に「反抗期だから」と決めつけず、なぜその行動が起きているのかを考えることが大切です。
心と体が成長途中だから
思春期の犬は体が大きく成長し、性成熟に伴う変化も起こります。一方で、興奮を抑えたり、周囲に刺激があっても飼い主の合図へ集中したりする力はまだ成長途中です。
そのため、「おいで」と呼ばれていることは分かっていても、目の前を走る犬や気になるニオイのほうへ意識が向いてしまうことがあります。子犬の頃にできていたことが急にできなくなったように見えるため、飼い主からすると「反抗している」と感じやすいのです。
周囲への興味が強くなっている
幼い頃は飼い主のそばから離れなかった犬でも、成長すると行動範囲が広がり、さまざまな物へ興味を持つようになります。散歩中にニオイを嗅ぎ続ける、ほかの犬へ近づきたがる、遠くまで探索したがるといった行動が増えることも。
これは飼い主が嫌いになったというより、犬自身の世界が広がっていると考えられます。好奇心が旺盛になること自体は自然な変化ですが、道路への飛び出しや拾い食いなどにつながらないよう安全管理は必要です。
刺激の多い環境では集中できない
自宅ではできる「おすわり」や「おいで」が、散歩先ではできなくなることがあります。これは覚えたことを忘れたのではなく、周囲の刺激が強く、飼い主へ集中しにくくなっている可能性も。
犬にとって静かな室内と、人や犬、音、ニオイが多い屋外では難易度が大きく異なります。「家でできるから外でもできるはず」と考えず、刺激の少ない場所から少しずつ練習することが大切です。
不安や恐怖を感じている
思春期の犬では、それまで気にしていなかった物音や人、ほかの犬などに警戒するようになることがあります。怖くて近づけない、触られたくないといった行動を「わがまま」「反抗」と考えて叱ると、不安を強めてしまう可能性があります。
突然立ち止まる、逃げようとする、体を低くする、しっぽを下げる、うなるなどの様子がある場合は注意が必要です。無理に近づけたり触ったりせず、犬が何を怖がっているのか確認しましょう。
犬の『イヤイヤ期』に飼い主がとるべき対応

愛犬が言うことを聞かなくなると焦るかもしれませんが、強く叱って従わせようとするより、犬が成功しやすい状況を作ることが大切です。
基本的なしつけをもう一度練習する
「今までできていたからできて当然」と考えず、簡単な練習へ戻ってみましょう。まずは名前を呼んだら飼い主を見る、おすわりをする、短い距離から呼び戻すなど、成功しやすい行動から始めます。
できた瞬間に褒め、おやつや遊びなど犬が喜ぶものを与えると、合図へ応じるメリットを伝えやすくなります。失敗を何度も繰り返させるより、「飼い主の合図に応じるとよいことがある」という経験を積み重ねましょう。
指示を何度も繰り返さない
犬が来ないからといって、「おいで、おいで」と何度も同じ合図を繰り返すのは避けましょう。何度も繰り返していると、最初の合図へすぐ反応する必要がないと学習する可能性があります。
まずは犬が応じやすい距離や環境を選び、合図を分かりやすく伝えます。特に呼び戻しが安定していない時期は、屋外で安易にノーリードにせず、リードなどを使って安全を確保してください。
叱るより『失敗しにくい環境』を作る
イタズラが増えたときは、犬をそのたびに叱るよりも、そもそもイタズラしにくい環境を作ることが大切です。ゴミ箱や食べ物、誤飲しそうな小物などは犬の届かない場所へ移し、電気コードなどにも安全対策を行いましょう。
来客時に興奮しやすいのであれば、ゲートやサークルを利用して距離を取る方法もあります。問題行動を何度も繰り返させないよう、犬が望ましい行動を選びやすい環境を整えてください。
頭や嗅覚を使う遊びも取り入れる
成長とともに体力がつき、子犬の頃と同じ散歩や遊びだけでは物足りなくなる犬もいます。散歩中に十分なニオイ嗅ぎをさせる、ノーズワークや知育玩具を使うなど、頭や嗅覚を使う遊びも取り入れてみましょう。
短時間のトレーニングや引っ張りっこなども、飼い主とのよいコミュニケーションになります。ただし、「疲れさせればおとなしくなる」と過度な運動をさせず、犬種や体格、成長段階に合わせて運動量を調整してください。
嫌がることを無理強いしない
これまで平気だったブラッシングや足拭き、爪切りなどを突然嫌がるようになることもあります。嫌がる犬を押さえつけて続けると、「このお手入れは怖い」と学習し、さらに抵抗が強くなる可能性があります。
道具を見せたらおやつを与える、足先へ短時間触れたら褒めるなど、落ち着いていられる範囲から少しずつ慣らしましょう。うなる、噛もうとするなど強い拒否がある場合は無理をせず、獣医師や犬の行動に詳しい専門家へ相談してください。
まとめ

犬にも、人間の思春期に似た行動の変化が現れる時期があります。ただし、飼い主を困らせるために、わざと反抗していると考えるのは適切ではありません。心身の成長や好奇心の高まり、周囲の刺激、不安などによって、これまでできていたことが一時的に難しくなる場合があります。
この時期は「できていたのに」と叱るのではなく、基本的なしつけへ戻り、成功しやすい環境で練習して褒めることを意識しましょう。
また、突然お手入れを嫌がる、触るとうなる、歩き方がおかしいなどの変化には、痛みや病気が隠れている可能性もあります。「イヤイヤ期だから」と決めつけず、普段と違う様子が続く場合は動物病院へ相談してください。
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