犬が『恐怖』を感じるものとは?怖がっているときにみせるサインや飼い主にできることまで
雷や花火が鳴った途端に震え始めたり、知らない人に会うと飼い主の後ろへ隠れたりする犬は珍しくありません。犬が恐怖を感じる対象は大きな音だけではなく、人やほかの犬、慣れない場所、お手入れなどさまざまです。今回は、犬が怖がりやすいものや恐怖を感じたときのサイン、飼い主にできる対応について解説します。
犬が『恐怖』を感じるものとは?

何を怖がるかは犬によって異なります。生まれ持った気質やこれまでの経験、生活環境なども影響するため、「犬なら必ずこれを怖がる」と一概にはいえません。
大きな音や突然の刺激
雷や花火、工事、掃除機、ドライヤー、バイクなどの大きな音を怖がる犬は少なくありません。チャイムや突然の大声など、予測しにくい刺激に強く反応することもあります。
一度怖い経験をすると、そのときと似た音や場所まで警戒するようになる場合があります。怖がっている犬に「慣れれば大丈夫」と刺激を与え続けるのは避けたいところです。
見知らぬ人や犬
知らない人やほかの犬との接触を怖がる犬もいます。正面から急に近づかれる、目を見つめられる、頭上から手を伸ばされるといった接し方は、プレッシャーになることがあります。
子どもの素早い動きや大きな声、帽子やヘルメットなど見慣れない姿を警戒するケースもあるでしょう。「犬は人が好き」と決めつけず、その犬が安心できる距離を尊重することが大切です。
初めての場所や慣れない環境
引っ越しや旅行、ペットホテルなど、普段とは違う環境を怖がる犬もいます。動物病院やトリミングサロンなど、過去に緊張した経験がある場所を警戒することもあります。
車や人混み、滑りやすい床などが苦手になる場合も。人には問題のない環境でも、犬にとっては知らない音やニオイが多い刺激的な場所であることを理解しておきましょう。
体を触られることやお手入れ
抱っこや爪切り、ブラッシング、足拭き、耳掃除などを怖がる犬もいます。過去に押さえつけられたり、ケア中に痛い思いをしたりすると、似た状況まで警戒するようになることがあります。
また、以前は平気だったのに突然触られることを嫌がるようになった場合は注意が必要です。関節や皮膚、耳、歯などの痛みが隠れている可能性もあるため、体調面も確認してください。
飼い主と離れること
飼い主の外出や留守番に対して、強い不安を感じる犬もいます。外出前から落ち着かなくなる、留守番中に激しく吠える、物を壊す、粗相するといった行動がみられることも。
ただし、留守番中の問題行動にはさまざまな原因があります。飼い主との分離に関連した強い不安が繰り返され、生活に支障が出ている場合は、単なる寂しがりと考えず専門家へ相談すると安心です。
犬が怖がっているときにみせるサイン

恐怖を感じた犬がみせる行動は、震えたり逃げたりするだけではありません。一見すると恐怖とは関係なさそうな仕草が出ることもあります。たとえば、次のような変化がみられます。
- 体を震わせる
- 姿勢を低くする
- しっぽを下げたり足の間へ巻き込んだりする
- 耳を後ろへ倒す
- 目や顔をそらす
- 白目が目立つ
- 隠れる、逃げようとする
- 飼い主の後ろへ回る
- あくびや鼻舐めが増える
- パンティングやよだれが増える
- 落ち着かず歩き回る
- 食べ物を口にしなくなる
- 動かずに固まる
- 吠える、うなる、歯を見せる
- 噛もうとする
- 粗相をする
特に注意したいのが、動かずに「固まる」反応です。静かになったからといって、落ち着いたとは限りません。
体を硬くする、口を固く閉じる、目を見開くといった様子がある状態で触ろうとすると、犬が自分を守るために噛みつく可能性もあります。また、吠えやうなりも「攻撃的な性格」ではなく、怖い相手を遠ざけるための警告である場合があります。
怖がっている犬に飼い主ができること

犬が怖がっているときは、「怖くないと教えなければ」と無理に慣らす必要はありません。まずは恐怖が強くならない環境を作ることを優先しましょう。
怖がっているものから距離を取る
人やほかの犬を怖がっているなら、まずは落ち着ける距離まで離れます。散歩中であれば道を変える、反対方向へ進む、物陰へ移動するといった方法があります。
怖がる犬を抱えて相手へ近づけたり、「挨拶すれば慣れる」と無理に接触させたりするのは逆効果になりかねません。逃げようとしている場合は、その場へ引き留めないことも大切です。
安心して避難できる場所を用意する
自宅には、犬が怖いと感じたときに自分で避難できる場所を作っておくと安心です。使い慣れたクレートやベッド、静かな部屋の一角などが候補になります。
雷や花火を怖がる場合は、窓やカーテンを閉めて音や光を軽減する方法もあります。パニック時の飛び出しに備え、戸締まりや迷子対策も確認しておきたいところです。
無理に触らず犬が求める接し方をする
怖がっている愛犬を見ると、抱きしめたり何度も撫でたりしたくなるかもしれません。犬が自分から近づき、触られることで落ち着いているなら、静かにそばにいてあげてもよいでしょう。
一方で、顔をそらす、体を引く、離れようとするといった様子があれば、スキンシップは控えます。一律に無視するのではなく、犬が安心できる距離や接し方を選べるようにすることがポイントです。
少しずつ慣らす
避けることが難しい刺激については、犬が恐怖を感じない程度から少しずつ慣らす方法を試してみてください。たとえば音が苦手なら、平静でいられる小さな音から始め、ご褒美などと組み合わせて良い経験につなげます。
ただし、怖がっている状態で刺激を与え続けると、恐怖がさらに強くなる可能性があります。強いパニックや攻撃行動がみられる場合は自己流で進めず、獣医師や犬の行動に詳しい専門家へ相談してください。
まとめ

犬が恐怖を感じる対象は、雷や花火だけではありません。見知らぬ人や犬、慣れない環境、お手入れ、留守番など、さまざまなものが怖さにつながります。
恐怖のサインも、震える、逃げるといった分かりやすいものだけではなく、あくびや鼻舐め、固まる、吠える、うなるなど多岐にわたります。
愛犬が怖がっているときは、叱ったり無理に慣らしたりせず、まずは苦手な対象から距離を取りましょう。安心して逃げ込める場所を作り、犬が求める範囲で穏やかに接することも大切です。
また、急に触られることを嫌がるようになった場合などは、痛みや病気が隠れている可能性もあります。突然の行動変化や強い恐怖反応が続くときは、動物病院へ相談してください。
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