愛犬とランウェイを闊歩:「TOKYO outside Festival」初のドッグエリア『TOKYO DOGS’ RUNWAY』誕生

秋の訪れを感じるようになり、絶好のアウトドアシーズンが到来。近年では、キャンプや旅行などの家族イベントに愛犬を連れて行くスタイルもすっかり定着している。
そんな中、2026年10月24・25日に国営昭和記念公園で大型アウトドアイベント「TOKYO outside Festival」が開催された。注目を集めたのは、初開催となる『TOKYO DOGS’ RUNWAY』だ。グッズや食の販売が中心になりがちな従来のドッグイベントとは異なり、愛犬と飼い主がともに主役となってランウェイを歩く「参加型」エンタメとして、愛犬家たちが集まった。
初日はあいにくの空模様ではあったが、参加者たちの愛情に満ちたパフォーマンスに、観客からあたたかな拍手が送られた。
昭和記念公園で開幕――体験型フェス「TOKYO outside Festival」

2日間にわたり、東京・立川の国営昭和記念公園で開催されたTOKYO outside Festivalは、キャンプやアウトドアギアなど、“遊び”をテーマにした体験型アウトドアイベント。雨が降るなかの初日、会場となった「ゆめひろば」エリアには、キャンパーはもちろん、公園を訪れた人たちが足を止める姿も見受けられた。
おそろいコーデから微笑ましい場面まで『TOKYO DOGS’ RUNWAY』

フェス内に新設されたドッグエリアで開催されたのが、TOKYO DOGS’ RUNWAYだ。愛犬と一緒に楽しめる参加型コンテンツやステージプログラム、人気ブランドによるブースやドッグランなど、多彩な企画が展開された。
中でも目玉となったのが、愛犬とともに特設レッドカーペットを歩く「ドッグランウェイ」。この日は6組の参加者が集い、ランウェイを闊歩した。

愛犬とのペアルックをはじめ、中にはヘアスタイルまでおそろいのコーディネートを披露する参加者も。また、レッドカーペットを大きく外れ、芝生へ突進しようとするやんちゃな子には、会場からほほえましい笑いがもれた。
レッドカーペットを歩く姿はプロカメラマンによって撮影され、愛犬とともにスポットライトを浴びる貴重な機会ともなった。

しかし、このころになると雨もピークに。濡れるのを嫌う犬たちもいるかと思われたが、ほとんどの子はそんなことを気にする素振りもなく、飼い主とのランウェイを楽しんでいるように見えた。
参加者も傘をさしての出場となったが、どの組も誇らしげにレッドカーペットを進む姿が印象的だった。
「アウトドア×愛犬」の新たなエンタメ――主催者が語る企画の背景と狙い

「犬のイベントはたくさんありますが、入場料を払ってブースで買い物して、30分~1時間で帰るものがほとんど。そこにエンタメ要素を入れたかった」
こう語るのは、TOKYO DOGS’ RUNWAY主催者の齋藤利勝氏。ソニーのエンタメ会社出身という齋藤氏が、長年培ったノウハウを犬のイベントに持ち込んだ形だ。
「犬のイベントに来る愛犬家には、デコレーションしたカートやコスプレを“お披露目”したい人がたくさんいます。それなら、レッドカーペットでその場をつくろうと思った」
と齋藤氏は続ける。そこには、人間でも歩く機会のないレッドカーペットをわんちゃんと一緒に笑顔で歩いてお披露目をして楽しんでほしい、という思いがこめられているのだ。

ランウェイでは審査の場も設けられ、上位入賞者には表彰と賞品の授与も。審査委員長をつとめた齋藤氏を含む3人の審査員が、“かわいさ”“ファッション”“ランウェイ”飼い主とのコンビネーション”でのアピールを基準に評価した。
「ハロウィーンなら高得点?」

イベント開始前、齋藤氏は「時期的にハロウィーンなので、コスプレは採点が高いんじゃないですかね?!」と予想。
その読みは、見事に的中。ランウェイの最後に登場したのは、ジャック・オー・ランタンの被り物をした飼い主と、魔法使い風のマントをまとったビション・フリーゼの「ニル」くんだ。

レッドカーペットの途中でニルくんが“二足立ち”のポーズを披露すると、観客から「かわいい!」「すごーい!」の声とともに大きな称賛の拍手が送られた。

このコスチュームとパフォーマンスには、審査員も高評価。ニルくんペアは見事“初代優勝者”に輝いた。
表彰式で贈られたのは、クリスタルのトロフィーと、愛犬と泊まれるホテル宿泊券だ。ステージに上がった当のニルくんは、喜びの声を上げると思いきや、最後まで「わん」とも鳴かず……。ただただ飼い主の顔を見つめながら愛嬌をふりまくばかりだった。

それぞれの個性が輝き、笑顔があふれた想い出のひととき――。雨の中のドッグランウェイは、そんな余韻とともに幕を閉じた。
「今回は『TOKYO outside Festival』の中で開催させてもらいましたが、今後は東京のみならず名古屋や大阪など、日本各地、全世界での単独イベントとしても展開していきたいです。」
そう力強く語る齋藤氏。愛犬とともに楽しむ「参加型」エンタメのこれからの展望に、目を輝かせていた。
「アウトドアの入り口を広げたい」――フェス主催者が語るドッグエリア新設の理由

「こんな楽しいアウトドアを、なんでみんなやらないんだろうって思ったんだよね」
そう語るのは、「TOKYO outside Festival」を立ち上げた快適生活研究家・田中ケン氏だ。キャンプ歴30~40年という大ベテランでもあるケン氏は、「アウトドアのすそ野を広げたい」という想いからこのイベントを始めたと振り返る。
フェスにはギアの展示だけでなく多彩なワークショップやアクティビティが用意されており、普段アウトドアに馴染みのない人でも気軽に楽しめる工夫が凝らされている。
会場に昭和記念公園を選んだ理由について、田中氏は『東の新宿に対して、西は立川がいいだろうと考えた』と語る。以前から公園財団とのつながりがあったことも後押しとなった。

今回、新たにドッグエリアを設けた背景について、田中氏はこう明かす。
「イベントの仕事を始めた最初は、犬のイベントだった。犬連れの方は散歩もキャンプもするので、アウトドアとは親和性があると思った」
長年アウトドア文化の普及に尽力してきた主催者の想いと、愛犬とともにアウトドアを楽しみたい参加者のニーズ。その2つが見事に合致したことで、温かな笑顔にあふれる空間が生まれたのかもしれない。
今後は「イベントをもっと面白くして、日本中で展開していきたい」と、田中氏は豪快な笑顔で意気込みを語った。
愛犬との絆を深めるドッグイベント

雨の降りしきるなかで開催された、初の「TOKYO DOGS’ RUNWAY」。この日のために衣装やパフォーマンスを準備してきた参加者と、マイペースにレッドカーペットを進む愛犬たち。きっと、互いの絆を感じられる良い経験になったのではないだろうか。
見るだけでなく、愛犬とともに主役となって楽しむ体験型の試み。あいにくの天候ではあったものの、従来のドッグイベントとは一線を画す「参加型エンタメ」としての可能性を感じさせる一日となった。