気候や環境変化による“春のメンタル不調”に注意!メンタル不調の予防にオススメな“腸活”の新常識とは?

2024-03-27 10:30

暖かい日が増え、春の訪れを感じる今日この頃。卒業や入学、就職などで新生活を迎える人も多いだろう。そんな春は気温の変化が大きいため体調を崩しやすく、特に自律神経のバランスが乱れやすい時期。また、新生活での環境や人間関係の変化により、普段特に不調がない人でもメンタル不調を起こしやすいそうだ。そんなメンタル不調を防ぐためのセルフケアに、腸内環境を整えることが重要であることをご存知だろうか?最新の腸内環境の研究では、腸と脳が互いに影響しあっている“脳腸相関”が実証されつつあり、腸内細菌が産み出す代謝物質=『短鎖脂肪酸』が腸のバリア機能を改善することでメンタル不調を防ぐ可能性も示唆されている。そこで、今回は『短鎖脂肪酸』を産み出しやすくするための最新の腸活情報をお伝えしていこう。

なぜ春はメンタル不調を起こしやすい?

春にメンタル不調を起こしやすい要因は「気候的な変化」と「社会的な変化」の2つ。まず「気候的な変化」としては、春の嵐と気温の乱高下によって風邪をひきやすく、アレルギー体質の人は花粉症の症状が悪化しやすくなる季節だと言える。寒暖差が大きいと自律神経が過剰に働き、メンタル不調をはじめ、けん怠感、頭痛、首・肩こり、冷え性などが現れる恐れもある。また「社会的な変化」としては、入学、進学、就職、転勤、引っ越しなどで、環境や人間関係、生活環境が変化する時期。様々な変化に順応しようとすることで、知らず知らずのうちにエネルギーを消耗し、良い出来事ですらストレスを感じやすくなると言われている。様々な変化に対応しながら3~4月を過ごし、5月の大型連休頃に疲れがどっと出て「五月病」になってしまうこともあるのだ。

メンタル不調のセルフケアには“生活リズム”と“腸内環境”を整えるのがカギ

メンタル不調を防ぐためのセルフケアとして、交感神経と副交感神経がうまく切り替わるよう規則正しい生活リズムによって自律神経を整えることが大切となる。また、近年では腸内環境を整えることでストレスや不安を生みにくくなるとも言われている。

■生活リズムを整える
体内時計のリズムは約24時間で刻まれていて、これが乱れると夜眠れなくなったり、朝起きられなくなったりしてしまう。就寝時間と起床時間を決め、睡眠時間をしっかり確保することが大切だ。また、体内時計は朝日を浴びることでリセットされるので、起きたら朝日を浴びる習慣をつけよう。

■腸内環境を整える
「腸は第二の脳」とも言われ、腸と脳が互いに影響し合う“脳腸相関”という考え方が近年注目されている。脳がストレスを感じると腸内環境が乱れ、その乱れた腸内環境がストレスや不安を生むという悪循環が生まれるのだ。これを好循環に変えるには、乱れにくい腸内環境を作ること。腸内環境を整えるためには、自身の腸内フローラ(腸内細菌群)に合った食事を摂ることが大切となる。

「善玉菌」「悪玉菌」はもう古い?最新の“腸活”の新常識とは?

これまでは腸内細菌を「善玉菌」「悪玉菌」と分類し、「善玉菌を増やすことが腸内環境を整える」という考えが主流だったが、最先端の腸内環境研究では、腸内フローラは単純に「善玉菌」と「悪玉菌」から形成されているものではなく、存在する菌の種類や数は人それぞれで異なっており、人が摂取した食物を“エサ”として腸内細菌が食べることで、腸内細菌から産み出される代謝物質=『短鎖脂肪酸』が体に影響を与えていることがわかっている。さらに、これまで体に悪影響を及ぼすと考えられていた「悪玉菌」でも、実は体に良い影響を与える可能性がある代謝物質を産生しているようなのだ。

腸内細菌が産み出す代謝物質『短鎖脂肪酸』の様々なはたらき

『短鎖脂肪酸』の増やし方とは?

『短鎖脂肪酸』は、大腸内の腸内細菌が食物の中に含まれる、腸内細菌の“エサ”となる成分を取り込み、代謝することでつくられる。『短鎖脂肪酸』を産み出す腸内細菌のエサとなる成分を腸に届けること、そのエサを多様な腸内細菌で代謝しあうことで、『短鎖脂肪酸』を効率よく増やすことができるそうだ。

日本人の腸内に多く棲む『短鎖脂肪酸』を産み出す腸内細菌の種類と“エサ”となる食材

■バクテロイデス
多くの人が保有している菌として知られ、特に動物性たんぱく質や脂質の多い欧米型の食事をする人に多いと言われている。水溶性食物繊維(イヌリンなど)をエサにプロピオン酸をつくり出す。また、バクテロイデス属の中には、持久力の向上に関わる種類が報告されている。
【バクテロイデスが代謝するイヌリンを多く含む食材】にんにく、ごぼう、たまねぎ、チコリ、キクイモ

■ルミノコッカス
やや多くの人が保有している菌。レジスタントスターチ(RS)という難消化性でんぷんをエサに酢酸をつくり出す。そのため、RS分解菌の代表的な種類として知られる。
【ルミノコッカスが代謝するレジスタントスターチを多く含む食材】豆類、芋類

■プレボテラ
穀物や野菜、豆類などの食物繊維を多く食べる人に多く存在することが知られている。水溶性食物繊維をエサにコハク酸をつくることが知られていて、コハク酸は他の腸内細菌のエサになり、プロピオン酸につくり変えられることがわかってきた。
【プレボテラが代謝する食物繊維を多く含む食品】麦ごはん、全粒粉パン、グラノーラ、雑穀

■ビフィドバクテリウム
いわゆるビフィズス菌で、多くの日本人が保有している菌。特に、乳製品を食べる人に多いと報告されている。水溶性食物繊維(オリゴ糖など)をエサに酢酸をつくることが知られており、お通じへの影響をはじめ様々な健康との関わりが報告されている。
【ビフィドバクテリウムが代謝するガラクトオリゴ糖を多く含む食材】牛乳、乳製品

■フィーカリバクテリウム
多くの人が保有している菌。水溶性食物繊維(ペクチンなど)をエサに酪酸をつくることが知られている。
【フィーカリバクテリウムを多く含む食材】バナナ、はちみつ、たまねぎ

■ブラウティア
多くの人が保有している菌。内臓脂肪面積が小さい人に割合が多い菌として報告されている。酢酸をつくるはたらきが知られており、カカオポリフェノールによって増えることがわかってきた。
【ブラウティアが好むハイカカオを多く含む食材】ハイカカオチョコレート、麹

腸内フローラは検査が可能!

人の腸内にはおよそ1,000種類、数にして約40兆個の腸内細菌がいるといわれているが、前述の通りその種類や割合は一人ひとり大きく異なる。例えば、健康に影響を与えるといわれる腸内細菌の代表格であるビフィズス菌。半分以上がビフィズス菌という人もいれば、ほぼゼロという人もいるそうだ。効率よく『短鎖脂肪酸』を増やすためには、まずは自身の腸内フローラを調べ、どんな菌が多く棲んでいるのかを知り、その結果に合わせた食事を意識することが重要となる。昨今では、腸内フローラの検査キットが以前と比べるとだいぶ安価になり、病院だけでなく、オンラインサービスや腸内フローラ検査サービスを展開する薬局等で簡単に検査ができるようになっているそうだ。

春のメンタル不調を予防するためには“生活リズム”、そして“腸内環境”を整えることが重要。そして、腸内環境を整えるために『短鎖脂肪酸』を増やすことが最新の腸活方法であることをお伝えした。気温差などで不調を感じている人や、これから新生活を迎える人はこの春、腸内環境を整えることからはじめてみるのはいかがだろうか。

 
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