京都のホテル「安いなと思いました」 一泊3000円台も 中国“渡航自粛”呼びかけで観光地に変化【news23】
インバウンド需要などで“簡単には手が出ない”ほど値上がりしていた人気観光地の「宿泊料金」。ところが今、大幅に値下がりし、京都では一泊1万円以下、なかには3000円台で泊まれるホテルも出てきました。
【写真を見る】京都市内のホテル価格 グーグルマップでみてみると…
「団体の中国観光客が…」“高市答弁” 観光地への余波
2024年、1500万人以上の観光客が訪れた神奈川県・鎌倉市。
鶴岡八幡宮へと続く小町通りは今…
鎌倉小町商店会 今雅史会長
「個人のお客様はまだ多いんですよ。逆に象徴的なのが、団体の中国の人たちが減ってきた」
団体客を中心に、中国からの観光客が減っているといいます。
小町通りにある「鎌倉茶々小町通り店」。高級抹茶を使ったソフトクリームが人気で、外国人客の約7割は、中国からの客だといいますが…
「(Q.どこから)台湾」
「(Q.どこから)インドネシア」
目立ったのは、中国以外のアジアからの観光客。
鎌倉茶々小町通り店 スタッフ
「目に見えて分かりましたね。最初は、ちらほら来ていた。ただ、中国が『日本に来ないでください』と言ってから一週間後くらいで、がらっと減った」
鎌倉市では2024年度、観光案内所を訪れた外国人のうち、最も多かったのが中国からの観光客でした。
しかし、高市総理の台湾有事をめぐる答弁で、中国側が日本への渡航自粛を呼びかけて以降、中国からの観光客が減ってきているといいます。
こうなると、影響が避けられない店もあります。
鎌倉蒟蒻しゃぼん スタッフ
「中国の方は桜とか柚子の石鹸が人気」
連日のように来ていた中国人観光客が、最近ではゼロの日もあるといいます。
鎌倉蒟蒻しゃぼん スタッフ
「(Q.売上に影響は) 影響は大きいですね。中国の方が買って頂く割合は多かった。それが無い分、減少率は結構高いと思います」
そんな店がいま最も懸念しているのが…
鎌倉蒟蒻しゃぼん スタッフ
「来年2月あたりに春節があると思うが、(店内に)中国語のポップを出して盛り上げたりしているので、その辺まで長引いてくると、こちらとしても影響は大きいのかなと」
先行きが見通せない一方で、今だからこそ楽しめる鎌倉もあるようです。
鎌倉蒟蒻しゃぼん スタッフ
「最近、平日は特に歩きやすくなっていると思う。お店も見やすくなっている。ゆっくり見て、お買い物していただけるのではないか」
京都のホテルが「2泊で1万円台」いつまで続く
国内屈指の人気観光地・京都にもいま、異変が起きています。
これは2024年10月の平日、清水寺に続く参道・清水坂の様子です。18日、同じ場所に行ってみると…
記者
「2024年10月に撮影した場所と同じ場所なのですが、観光客が少なく感じます」
ここに10年近くお店を構えている人は…
果物と野菜のお店なかじん 中陣哲雄 代表
「この12月、ちょっと少なくはなってきてるかな。中国の方ですね。2024年から比べて、5割以上は減っているかなというような状態」
高騰していた宿泊料金にも大きな変化がみられます。
京都市内の主要ホテル平均客室単価は、コロナ禍で一時下がっていたものの、2024年は「2万195円」と過去最高値でした。
2024年12月をみても、平均客室単価は2万601円でしたが、18日、グーグルマップで価格をみてみると…
記者
「京都市内中心部のホテルの価格を見ると、1万円を切っているところが多くみられます」
一泊1万円以下のホテルが多く、中には3000円台をつけているところまでありました。
東京から来た観光客は…
東京からの観光客
「2泊で1万ちょっとくらい。安いなと思いました、泊まりやすい金額ですね」
航空・旅行アナリストの鳥海さんは「京都以外の場所でも宿泊料金の値下げが起きている」と話します。
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん
「都市部を中心に、料金が下がっているところがある。京都以外でも、大阪・名古屋・広島・福岡・金沢など、中国人観光客がかなり来ている、もしくは直行便が飛んでいるところへの影響はあると思います」
このリーズナブルな価格は、いつまで続くのでしょうか。
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん
「来年の春までは続くことになる。既に中国の航空会社は多くの路線で運休していて、少なくとも3月末までの運休を決めていますので、そこまでに戻ることはないと思う」