円安に変化あるか?日銀 0.75%に利上げ 長期金利は2%超に 今後の影響は【Nスタ解説】
住宅ローンや預金金利など、私たちの生活に大きな影響を与える短期金利について、日銀は0.75%に利上げすると決めました。(「Nスタ」午後4時ごろの放送より)
日銀0.75%へ利上げ決定、30年ぶり高水準
19日、日本銀行は政策金利を0.5%から0.75%に引き上げることを決めました。1995年以来、30年ぶりの高い水準です。
背景の一つには、円安・物価高がありますが、市場では利上げを織り込んでいたこともあり、円相場は1ドル=156円前後と“円安水準”は変わっていません。
一方、住宅ローンの固定金利の基準となる長期金利は、一時2%を超え、約26年ぶりの高い水準となりました。
市場の関心を集めているのが、19日に行われた日銀・植田総裁の会見です。
日銀 植田和男 総裁(19日午後)
「今後の金融政策運営については、現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえると、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」
会見で今後の利上げのペースについて、踏み込んだ発言があるかが焦点です。
日銀0.75%に利上げ 円安変わらず
日比麻音子キャスター:
日銀が政策金利を0.5%から0.75%に引き上げることを決めました。今後どのような影響が出てくるでしょうか。
国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
今回の利上げは予測通りなにで、これでマーケットが大騒ぎするということはないでしょう。
私たちに身近なところでいうと、短期金利を上げたので、おそらく近いうちに「変動金利型」の住宅ローンは上がっていくと思います。
一方、長期金利も一時2%を超え、26年4か月ぶりの高水準になりました。こちらはむしろ「固定金利型」住宅ローンに反映してきます。
利上げは予測通りでしたので円安水準に変わりはありませんが、今回、金利を上げなかったら、もっと円安が続き、結果的に合わさって物価高が続くはずなので、(利上げで)それを若干とどめたことになりました。
もちろんこれで円安が円高方向に振れたり、物価上昇が一発で止まったりするということはほぼありませんが、「(利上げを)やっていなければブレーキがかからなかった」という意味にとらえた方がいいと思います。長期的にみて必要だったのだろうと思います。
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<プロフィール>
堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
BSーTBS「報道1930」ニュース解説