トランプ政権誕生から1年 強硬に推し進める移民政策めぐり“アメリカ市民”も拘束される事態に…一体何が?【news23】
トランプ政権誕生から1年。強硬に推し進める移民政策は、この1年でエスカレートし、一般市民が拘束される事態になっています。一触即発の現場にカメラが入りました。
【写真を見る】「膝で押さえつけられあざが…」移民当局による拘束の様子
「私はアメリカ市民だ!」誤って逮捕され5日間勾留も
何が起きてもおかしくない“トランプ政権下のアメリカ”。
今度は移民を取り締まる当局が、アメリカ市民を拘束しています。
第二次トランプ政権が誕生して、20日で1年。
トランプ大統領(2025年1月・大統領就任式)
「我々は、犯罪歴のある不法移民を強制送還するプロセスを開始する」
「アメリカファースト」の政権は、なぜ移民への矛先をアメリカ市民に向けるのでしょうか。
2025年6月、自動車解体現場の防犯カメラが撮影した映像に写っていたのは、移民当局の職員たち。白い服の男性を引きずり倒し、2人がかりで抑え込みました。
しかしこの男性、移民ではありません。
「私はアメリカ市民だ!」
男性は、アメリカの市民権を持っている、ハビエル・ラミレスさん(32)。両親が移民のため、“見た目”で移民と疑われたと話します。
移民当局に拘束された米市民 ハビエル・ラミレスさん(32)
「当局は、見た目や話し方だけで判断している。先に捕まえて、そのあと質問するというやり方。首を膝で押さえつけられて、顔にはあざができた」
ハビエルさんは、このあと5日間も勾留されたそうです。12月に発表された報告書によると、誤って逮捕されたアメリカ市民は、2025年6月からの半年間で少なくとも22人にのぼるといいます。(民主党 上院議員が発表)
しかし移民当局は、「捜査の妨害や隊員への暴行があった」として逮捕を正当化。
当局に一時拘束されたブライアンさんは、2年前の大統領選でトランプ氏に投票したものの、今はこう考えています。
移民当局に拘束された米市民 ブライアン・ガビディアさん(30)
「摘発されるのは犯罪者だけだと信じていた。だから(トランプ大統領選を)支持した。こんな事なら支持しない。(トランプ大統領に)投票したことを心から後悔している」
白人のアメリカ市民も…抗議デモにトランプ氏は軍投入を示唆
「移民当局は人種や言語だけで標的にしている」と非難されていますが、白人のアメリカ市民も被害に遭っています。
ルネ・グッドさん(37)。2週間ほど前、アメリカ中西部、ミネソタ州の都市・ミネアポリスで発砲され、死亡したのです。
グッドさんの車に発砲したのは、不法移民などを取り締まる移民・税関捜査局「ICE」です。
トラブルの原因は明らかにされていませんが、現地メディアによるとグッドさんは移民を守る団体「オブザーバー」に所属。
トランプ大統領はグッドさんについて根拠を示さず、こう決めつけました。
トランプ大統領(SNSより)
「女性は、意図的に悪意を持って職員を車でひき殺そうとした。私たちは職員たちを過激左派による暴力から守らなければならない」
事件が起きたミネアポリスでは…
記者
「移民当局が入る建物の前で、氷点下の中多くの人が集まり抗議の声を上げています」
連日つづく抗議デモに対し、トランプ大統領は「反乱法」を発動して連邦軍を投入する可能性をほのめかしています。
ミネアポリスは一触即発の状態ですが、移民を守る団体「オブザーバー」は活動を続行。顔を映さないことなどを条件に、JNNの記者がパトロールに同行しました。
取材中にも「ICE」が 「オブザーバー」の活動とは
ソマリア系移民が多く住むエリアを車で進むと..
移民を守る団体「オブザーバー」
「(ICE)が店をノックしていたらしい。まだ近くにいるかもしれない」
「オブザーバー」のメンバーは、住民に警戒するようメッセージを送信。さらに、近くにいるボランティアにパトロールしてもらうといいます。
ボランティアたちは移民当局「ICE」を見つけると...
記者
「ボランティアの人が笛を鳴らして一斉に知らせています」
「『ICE』だ、黒い車が『ICE』ですね」
「オブザーバー」は移民の権利を守るため、行き過ぎた取締りがないか監視。外は凍える寒さですが、移民の人たちは温かい飲み物を配って「オブザーバー」を支えています。
ソマリア系移民
「私たちのために自分の時間を使ってまでやってくれている、感謝しかない」
「私たちはこのコミュニティに感謝しています。私たち隣人のために外に出て立ってくれているのです」
トランプ政権は、「移民の取り締まりを邪魔すれば市民でも厳しく取り締まる」と表明。移民を守ろうとする人々の善意まで、政治的な対立とみなされ排除されようとしています。