“公明票”は自民か新党か 前回の票差、約4000票も 各党の連携は?各陣営に取材【Nスタ解説】
23日午後、衆議院が解散しました。2月8日の投開票となりますが、今回の選挙において、各党の票はどう動くのでしょうか。
与野党ともに大きく変化した“各党の連携”
日比麻音子キャスター:
票に関してポイントとなるのが、各党の連携です。
2025年の与党連立の変化や新党の立ち上げなどから、選挙戦での連携はガラリと変わりました。
前回(2024年)の衆院選では、与党は、自民・公明による選挙協力や候補者の調整が行われました。
野党の連携は、立憲と国民民主は「与党の過半数割れを目指す」方針で一致し、立憲と共産は「衆院選で連携と力を合わせをすることが必要」との認識で一致しました。
ただ、今回の連携はどのようになるのでしょうか。
TBS報道局 選挙本部デスク 本杉美樹 記者:
今までは、与党である自民と公明が、がっつり組んで選挙協力をしていました。
しかし、今回の衆院選では、与党である自民と維新は部分的な選挙協力にとどまっています。「原則、選挙区調整はしない」ということですが、与党の票を割らないよう協力があるかもしれないという程度です。全体としての大きな動きという意味では、これまでの与党の構図とはまったく違います。
そして、野党に関しても大きな変化がありました。
前回、立憲と連携していた共産は、中道が発足したことで選挙協力の土台が壊されたとして、党として「協力しない」姿勢を会見で表明しています。
立憲と公明による新党「中道改革連合」と国民民主に関しては、それぞれの支援組織が選挙協力、選挙区調整をするように求めてはいますが、現段階で45程度の選挙区で既に立候補者が競合していて、一部の協力にとどまるような情勢になっています。
見通しが立たない票の行方 公明側から聞こえる戸惑いの声
日比キャスター:
票はどのように動いていくのでしょうか。
本杉美樹 選挙本部デスク:
今回は正直なところ、まったく見通しが立ちません。
普通に考えれば、中道が発足したことで立憲と公明の大きな塊になると思われますが、あまりにも急な選挙、結党ということで、立憲・公明それぞれの支援者たちに十分な説明ができていません。
特に公明側からは、立憲と合流したことに理解が十分に得られておらず、これまでは自民と連立を組んでいたため、ある意味“政敵”だった候補者の名前を書くことに抵抗感を示すような声が聞こえてきているのも確かです。
日比キャスター:
票を投じる皆さんもそういった戸惑いはあると思います。
一方で、立候補者にとっても戸惑いがあるのではないかと思います。
本杉 選挙本部デスク:
立候補した立場からすれば、「中道としてやっていく」と表向きには言いますが、政策的には、今まで訴えていたことと完璧に折り合っているわけではありません。
それぞれの陣営の支援者に対して、多少変わったように聞こえるところを、どう説明していくのかという点で戸惑いの声も聞こえています。
「中道改革連合」発足でどうなる 各陣営の情勢は?
日比キャスター:
16日間どんな戦いになるのか。各陣営に今回の選挙戦について取材を行いました。
「中道改革連合」の発足により、以下のような声が聞こえています。
▼旧立憲
“公明票”を獲得できるはずだが、公明党支持層へ説明不足
→「理解が不十分」ではないか
▼旧公明
これまでは自民か公明の候補がいたが、中道候補がいない選挙区もある
→「自主投票」になるのではないか
本杉 選挙本部デスク:
自主投票とは、党として「必ずこの人に投票しましょう」という方針を示すわけではないということです。
今までは自民と公明で、289の選挙区のほとんど全てに候補が立っていましたが、今回は中道候補が揃っていない選挙区もあります。そういったところは自主投票という形になり、中道以外の候補者から「比例は中道に、と呼びかけるから応援して」と秋波を送られる選挙区もあるようです。
日比キャスター:
各陣営にも現在の情勢について聞いてみました。
▼自民
「高い内閣支持率」に期待
「公明票の流出」に不安
▼維新
本拠地の大阪ではダブル選挙への批判も
▼国民
「中道に不参加」が吉か?凶か?
陣営も読めず
▼共産
過去には立憲の候補者応援も
「公明と組んだ立憲」応援しない
本杉 選挙本部デスク:
自民党に関しては、公明票の流出に不安を覚えているところも多いです。
自民と公明の関係が良かった選挙区については、「引き続き応援してほしい」と公明側にお願いをしているというような話もよく聞きます。
そして、新しく自民と維新で連立を組んだので、維新と競合していない選挙区では、自民の候補者が維新から推薦を得ようとするような動きもあります。
共産党は党として「中道のことは応援できない」と言っていますが、それぞれの選挙区を見ても、今まで通りの選挙協力には強い抵抗感を示すところが多く、今回は野党が一つにまとまり与党と対決する構図にはなりづらいと見ています。
日比キャスター:
参政党に関しては、全国で178の小選挙区の公認発表ということになりました。
投票で意思表示「どの党の考えがより良い日本をつくるのか」
日比キャスター:
時間がない中で、私たちは何の意思表示をしに、この厳しい寒さの中で一票を投じに行けばよいのでしょうか。
本杉 選挙本部デスク:
真冬の選挙で投票も大変ですし、非常に難しい時期の選挙ではあります。
高市総理が掲げる大義というのは「総理大臣が高市早苗でいいか国民に問う」というものです。総理が誰かを国民に意思表示させることで、民主的な意味合いもあります。
衆院選が政権選択選挙なのは当然のことではありますが、今回はその側面が特に強調されているので、どの党の考えがより良い日本をつくるのかを、有権者一人ひとりがしっかりと考えて、投票で意思表示をすることが大切だと思います。
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〈プロフィール〉
本杉美樹
TBS報道局 選挙本部デスク
情勢分析のブレーン