各党の第一声をAIで徹底分析。衆議院選挙・公示で12日間の短期決戦が始まる キーワードから見えてきた各党の戦略・訴えとは…【news23】
衆議院選挙が27日に公示されました。JNNでは各党が第一声で訴えたことをAIで分析・分類。それぞれが重視する政策の内容が見えてきました。「物価高対策」「消費税の減税」一体どうなるのでしょうか?
各党の「頻出ワード」AIで視覚化
高市政権の継続か、それとも野党が阻止するのか。12日間の選挙戦に突入した各党。
東京・秋葉原で、第一声を上げた高市総理は、連立を組む日本維新の会と並び、支持を訴えました。
これは、高市総理が演説で何を訴えたのか、AIでキーワードを抽出したもの。言及した頻度に応じて、文字が大きくなっています。
「経済」や「成長」、「安全保障」を特に強調したことがわかります。
自民党・高市早苗 総裁
「高市内閣の政策は、前の内閣とガラッと変わりました。その肝が責任ある積極財政です。日本の国力、外交力も防衛力も、もちろん経済力も技術力も、情報力も人材力も強くする」
維新の藤田共同代表は「高市総理」、「連立」など、「自民党」と共に戦う姿勢を鮮明にしました。
日本維新の会・藤田文武 共同代表
「維新の会は高市政権のアクセル役ですよ。私達が引っ張っていく。そして、高市総理をもっともっと前に押し出して、日本を前に切り開いてまいります」
対する野党。中道改革連合の野田共同代表は雪国・青森で選挙戦をスタート。
真冬の「選挙」の「大変」さを訴えた一方で、人々の「暮らし」を重視する姿勢を打ち出しました。
中道改革連合・野田佳彦 共同代表
「私は民主主義の精神がわかってない選挙だと思います。暮らしを後回しにする政治を選ぶのか。生活者ファーストのその理念のもとに政策を訴える我々中道にご支援をいただけるのか」
国民民主党の玉木代表は「住民税などの控除額の引き上げ」を掲げ、「政策」を実現するとアピールしました。
国民民主党・玉木雄一郎 代表
「政局や選挙最優先の古い政治ではなく、政策本位、国民生活最優先、経済最優先の新しい政治に変えていかなければなりません」
連立の枠組みが変わり、新党が設立されるなど、政界の構図が大きく変化する中での衆議院選挙。焦点は、与党が過半数の233議席を獲得できるかです。
日本共産党は、「自民党政治」からの転換を目指すとし、「賃上げ」で「暮らし」を守ると訴えました。
日本共産党・田村智子 委員長
「ぶれずに国民のために働き、自民党政治を変える。物価高から暮らしを守るためには大幅賃上げ、なんとしてもやらなければいけません」
れいわ新選組は、与党の政策を批判し、「消費税の廃止」を強調。
れいわ新選組・大石晃子 共同代表
「さっさと解散してくる高市早苗総理、ぶっ倒すしかありません。私達れいわ新選組は消費税廃止を訴えています」
参政党の神谷代表は「移民の過度な受け入れに反対」とし、「日本の復活」を掲げました。
参政党・神谷宗幣 代表
「『私たち一人ひとりが日本なんだ』という自覚を持って一緒に日本を支えてもらう、そういった体制を作らない限り、今の低迷している日本の復活はない」
そのほかの政党も、それぞれ党独自の重点政策を訴えました。
減税日本・ゆうこく連合・原口一博 共同代表
「いま我々はあっちが悪いこっちが悪いと言っている時間はないんです。日本独立、日本再興、日本救世。みなさん、日本を取り戻そうじゃありませんか」
日本保守党・百田尚樹 代表
「もう一度、移民問題を真剣に考えるとなれば、必ず日本の未来は明るいです。ですから私たちは言います。移民はもういらんと」
社会民主党・福島みずほ 党首
「戦争への道をひた走る自民党政権を打倒する選挙です。今だから社民党、あなたの税金はあなたのために」
チームみらい・安野貴博 党首
「未来の社会をつくる。人、子どもたち、私たちの孫たちです。そういった中で、大胆に子育て・教育に投資をしていく必要があります」
「消費税減税」各党の政策は?
藤森祥平キャスター:
26日の番組の中で党首討論の様子をお伝えしましたが、各党が消費税減税の方向で一致しているものの、いつ実現するのかなど、まとめ方は一筋縄ではいかないことが改めてわかりました。
小説家・真山仁さん:
消費税が争点になったのは「ファンタジー」ですね。できないことがわかっているのに、こうなったらいいなと何となく夢の世界のことを言っている。消費税を減税するときの財源や、消費税をなくしてしまったときの世の中の様子を全く想像せず、ただ「消費税減税」を連呼するというのは、現実の世界ではあり得ない。
小川彩佳キャスター:
今、できないことですか?
真山仁さん:
税金を下げることはできるかもしれないですが、現状の一般会計の予算を見ても、国債でカバーしない限りはお金がない。税金を取らないで国民のサービスを維持するというのは、不可能なわけじゃないですか。
藤森キャスター:
ただ、多くの国民は今の物価高が苦しい現実を何とか変えてほしい。
23ジャーナリスト 片山薫記者:
家計の負担軽減額を見ると、食料品の税率をゼロにするだけで8万円、食品以外も一律5%にした場合が28万円、完全に消費税を廃止すると50万円以上の負担軽減がありますが、税収も大きく減ります。
食品だけで約5兆円規模、一律5%だと15兆円規模、廃止だと30兆円規模の税収が減ります。元々80兆円しか税収がないですから、それを削ってしまうという話なんです。
藤森キャスター:
その財源はどこから持ってくるのかということで、TBSが各党にアンケートをとりました。
▼自民
今後 国民会議で実現に向け検討
▼維新
補助金や租税特別措置の見直しなど
▼中道
政府系ファンド創設による運用益、「積み過ぎ」基金の活用など
▼国民
年金積立金などの資産運用益・売却益など
▼共産
大企業・富裕層優遇税制の是正など
▼れいわ
国債発行と累進課税の強化
▼参政
積極財政による景気回復での自然増収、社会保障制度の転換で支出効率化など
▼ゆうこく
期日までに未回答
▼保守
減税による経済成長
▼社民
大企業の内部留保課税、防衛費の引き下げなど
▼みらい
ーー
どうですか説得力のある説明はありますか。
片山記者:
残念ながら責任ある財源を示している党は、ほぼないと言えると思います。
藤森キャスター:
まず、自民・維新は今後 国民会議で実現に向けて検討をしていくという内容。
片山記者:
来年度までにやると言っているのに「これから議論します」と、具体的な案が全く出ていない。
藤森キャスター:
中道・国民は、政府系ファンドを作ったり年金積立金の“運用”です。
片山記者:
新しい発想ではあると思いますが、既に運用してるものもありますし、基金を取り崩してどこまでできるのか。さらに、株で運用してその利益を社会保障の財源に充てるというのは、少し楽観的ではないかと思います。
藤森キャスター:
運用が失敗するケースも、考えなくてはいけない。
真山仁さん:
今までも運用して成功しないから税金で補填している。そもそも実績がない証券会社が「運用でお金を儲けられますよ」と言っても、誰が投資するんだという話です。
藤森キャスター:
共産・社民などは大企業や富裕層から税金を取る。
片山記者:
富裕層に一定程度の課税をしても、おそらく桁が足りない。さらに、大企業に課税すると、財務省内でも認められるようになってきているという意見もありますが、実際にやると賃上げの原資がなくなる可能性がある。
その中でみんなが納得できるかどうか。また、これでは数十兆円は出てこないです。
藤森キャスター:
令和・参政・保守党などは、経済効果、経済成長を見込んでそこからのプラス分でカバーしていく。
片山記者:
確かに少しは消費が良くなるかもしれません。ただ、5兆円減税した場合に、そこで出てくる経済効果は5000億円程度と言われています。
それと、問題なのは国債の発行という考え方です。今、高市政権が補正予算を少し増額しただけでも、円安になったり金利が上昇している。市場は日本の財政の先行きをかなり不安視しています。この警告をきちんと受け止めないと、もしかしたら「国債を発行します」と言った瞬間に円安になり、金利も上がる。
日本の信認、円の信認、国債の信認が揺らいでる状況でこれをあげるのは、どの党も財源を示してないという意味で無責任だと言わざるを得ない。
小川キャスター:
リスクを語る言葉がなかなか出てこないことが非常に気がかりです。真山さんは国家財政の破綻を描いた小説も執筆されています。こうした財源が各党から出ていますが、どう思いますか?
真山仁さん:
現状、この財源にはリアリティがありません。一番いい方法は歳出を減らすことですよね。つまり、社会保障など色々なサービスを国民に我慢していただくという方法しか多分、考えられない。
もう一つは、消費税を下げるなら他の税金を上げる。例えば、今までやったことないような携帯電話で1回通話するたびにいくら、株を買うたびにいくら、といった新しい税を作っていく。
結局は、一つ減れば一つ増やす。さらにもっと増やさないといけないので、他のところから負担を求めるということになる。だからこそ「ファンタジー」なんです。
これを選挙の短い期間の中でちゃんと言えるのか。甘い話ばかりに目を向けるのではなく、現実と未来を想像する。これを選んだ場合に私たちは本当に豊かになるのか、暮らしが楽になるのかということを考えて欲しいです。
小川キャスター:
「ファンタジー」ではないのだという言葉を、どれだけ語れるかということですね。
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<プロフィール>
真山仁さん
小説家 2004年「ハゲタカ」でデビュー
財政問題を描く「オペレーションZ」執筆
片山薫
23ジャーナリスト 経済部筆頭デスク
財務省や経産省・農水省などを担当