メキシコ“麻薬王”殺害で相次ぐ報復「カルテルが目の前で車に火を」 在住日本人も「外出できず」【news23】
メキシコ各地で相次いだ暴動。そのきっかけは、指名手配されていたメキシコ最大規模の麻薬組織のトップが殺害されたことでした。メキシコでは今年6月にワールドカップの開催を控えていますが、その影響は?
【写真で見る】食べ残しもそのまま…“リーダー”が最後に過ごした隠れ家
「麻薬王」殺害への報復か メキシコ各地で戦場のような光景
道路には、原型をとどめないほど燃えた車や火の手があがるところも。メキシコでは各地で、戦場のような光景が広がっています。
海沿いのリゾート地でも、あちこちで黒煙が立ち上り、バスや車が燃やされました。
カナダ人の観光客(メキシコ・プエルトバジャルタ・23日)
「昨日はお腹が空いていた。食べ物が全く無かった。どこも開いていなかった。娘は目の前でカルテルが、車に火をつけるのを見た。あたり一面が炎に包まれていた。本当に恐ろしかった」
こうした暴力行為を行っているのは、メキシコ最大級の麻薬組織のメンバーたち。
「ハリスコ新世代カルテル」のリーダー・通称「エル・メンチョ」が22日、メキシコ軍による作戦で殺害されたことへの報復とみられています。
市民もターゲットになるとの恐怖から、空港では多くの人が逃げ惑う事態に。「暗殺者に占拠された」とのデマが、SNSで広がったのです。
麻薬カルテルと治安当局との衝突では、国家警備隊員ら27人と、民間人の女性1人が死亡しました。
在日日本人「まったく外出していない」 “フェンタニル密輸”でアメリカも支援
この“カルテルの拠点”、グアダラハラに住む日本人は…
メキシコ・グアダラハラ在住 松尾孝司さん
「現在2月24日火曜日です。30分ほど前に緊急警報が解除されて、それに伴って、市民の方々の動きも出てきた」
「車が本当に少しだけ道を通っていたぐらいで、街中にはもう1人も歩いていなかった」「ただただ聞こえるのは、警察車両のサイレンとヘリコプターの巡回の音」
街は、人影もまばらに。
その背景には、SNSで広がった、“ある文章”の存在がありました。
メキシコ・グアダラハラ在住 松尾さん
「カルテルがFacebookかインスタグラムか、犯行声明を出した」
「『2時以降に外出している人がいれば、どうなるかわからないぞ』という内容。もし、カルテルに対して、何か反抗的な態度を示すと、そちらがターゲットになるということもある。日曜日の朝からはまったく外出していない」
カルテルの“リーダー”が最後に過ごした隠れ家。
散らかった室内には、食べ残しのケーキや生活用品。さらには、“祭壇”のようなものもそのまま残されています。
この家の周辺の森で待ち伏せしていた軍の攻撃を受け、殺害されました。
今回の作戦はアメリカも支援していました。
このカルテルは、合成麻薬フェンタニルなどをアメリカに密輸しているとされていて、トランプ政権は「外国テロ組織」に指定。
死亡したリーダーには、約23億円の懸賞金がかけられていました。
アメリカ トランプ大統領(ワシントン・24日)
「我々は、最も邪悪なカルテルの首謀者の1人を倒しました。昨日ご覧になったでしょう」
「市民を殺めても何も考えていない」ワールドカップ開催も…
メキシコは2026年6月に開幕する、ワールドカップの開催国の一つです。
カルテルの拠点・グアダラハラでも試合が予定されていますが…
ーーこの会場でワールドカップが開催される保証はありますか?
メキシコ シェインバウム大統領
「全てです。全て保障されています」
ーー来場者にとってリスクはありますか?
「リスクは全くありません」
しかし、地元メディアは資金源や密輸ルートを断ち切らない限り、“トップが別の人物に置き換わるだけ”とも指摘。
日本の外務省は、最新の治安情報を入手するよう、注意を呼びかけています。
メキシコ・グアダラハラ在住 松尾さん
「カルテル同士の問題で一般市民が巻き込まれたりとか、そういうこともある中で、今回の件において、一般市民を殺めたとしても、特にカルテルは何も考えていないと思う」
「国民一人ひとりが自分の身を守るために、ちょっとパニックになっている」
「エスカレートしたとしても、我々は自宅の中で待つしかない」