【米・イラン攻撃】続く両者の攻撃 「躊躇なく徹底的に追跡し殺害する」トランプ政権が見せる強い姿勢…影響は私たちの身近にも【news23】
アメリカ、イスラエルとイランによる攻撃の応酬が止まりません。2日、アメリカ国防総省が攻撃開始後、はじめて会見を行い、「アメリカ人を脅かす者は、徹底的に追跡し殺害する」と軍事作戦の正当性を主張しました。
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数か月にわたってハメネイ師の行動を追跡、ミサイルで攻撃
イラン国営テレビ(1日)
「(偉大なる)ハメネイ師は、殉教という甘美な杯を飲み、至高の天界へと旅立たれました」
イランの最高指導者がアメリカとイスラエルの攻撃で死亡。私たちの世界で、また新たな戦いが始まってしまいました。
イランへの攻撃が始まったのは、2月28日。アメリカはその少し前、先週半ばまで核開発をめぐってイランと協議していて、今後も協議を続けるはずでした。
しかし、トランプ大統領は…
トランプ大統領(28日)
「イランは世界一のテロ支援国家だ。我が政権の方針は、このテロリスト政権が核兵器を持つことを決して許さない」
トランプ氏は、ハメネイ師を頂点とする政権を打倒するとして、軍事介入を開始。
イランを30年以上統治した最高指導者・ハメネイ師は、攻撃が始まったその日のうちに殺害されました。
先月28日に公開された動画
「どこをやられた?」
「ベイト(ハメネイ師の執務室)」
アメリカメディアによると、攻撃のきっかけを作ったのは、アメリカのCIA=中央情報局です。
数か月にわたってハメネイ師の行動を追跡し、“ハメネイ師が2月28日午前の会議に出る”との情報を入手。
これをきっかけに、イスラエル軍の戦闘機が基地を出発し、およそ2時間後、テヘラン中心部にいたハメネイ師らをミサイルで攻撃したということです。
専門家「予想しないタイミング」少なくとも555人が犠牲に
今回の攻撃は、専門家にとっても予想しないタイミングだったといいます。
日本エネルギー経済研究所 坂梨祥 中束研究センター長
「アメリカとイランは協議をしていたタイミングで、次は月曜日(2日)と言われていたが、土曜日(2月28日)に攻撃があった。全く想像していませんでした」
「ハメネイ最高指導者を力によって排除したいという考えは、ずっと前からあったのでは、と思うが、土曜日(2月28日)のこの時間帯にこの場所にいるとわかった時点で、このチャンスを逃すべきではないという判断になったと想像している」
イランの高官らが集まる複数の会合も同時に攻撃され、国防軍需相や精鋭部隊「革命防衛隊」のトップら7人も殺害されたといいます。
トランプ大統領は攻撃の成果をこう誇りました。
トランプ大統領(1日)
「イランの指導者48人が一撃で消えた。誰もこのような成功は予想していなかった」
さらにイスラエル軍は、ハメネイ師の邸宅とみられる建物を空爆したとする映像を公開しました。
イランメディアによると今回の攻撃によって、ハメネイ師の娘と義理の息子、そして孫も死亡したといいます。
南部では小学校が攻撃され、子ども達が命を奪われました。
イラン市民
「5人の姪が瓦礫の下にいる、病院に運ばれたのは1人だけだ。だが我々は最後の血の一滴まで指導者を支持する」
イラン国営メディアは、小学校の児童ら165人が死亡したと伝えました。
リュックやカバンはホコリにまみれ、赤く染まっています。
イラン市民
「娘は10歳なんです。どこを探せばいいのかわからない」
イランの人道支援団体によると、死者は少なくとも555人。
「徹底的に追跡し殺害する」米国防総省が会見
2日、アメリカ政府が初めて今回の軍事作戦に関する正式な会見を開きました。
ヘグセス国防長官(2日)
「アメリカ人を殺害し、地球上のどこであれアメリカ人を脅かす者は、我々は躊躇なく謝罪もなく、徹底的に追跡し殺害する」
トランプ政権は、今後もイランを攻撃するつもりです。作戦を続ける期間についても明らかにしました。
トランプ大統領
「必要なら4週間から5週間くらい続ける」
対するイランは、最高指導者と幹部らが殺害されましたが、報復を続けるとみられています。
日本エネルギー経済研究所 坂梨祥 中束研究センター長
「50年近く、この体制が機能する形で維持されて、様々な制度が成立していて、誰か人が変わっても制度は残る。納得のいく報復が達成されるまで、反撃すると思っているのでは」
イランは報復として、アメリカ軍基地がある中東6か国、そしてイスラエルに対する攻撃を行っています。
攻撃が相次ぐイスラエルのテルアビブでは、住宅街で建物が崩れ落ちていました。
日本人退避の動き「この先どうなっちゃうんだろう」
こうした状況を受けて、イスラエルでは日本人の退避の動きが進んでいます。
現在、イスラエルには1000人の日本人が滞在していて、希望者は日本政府の手引きでバスに乗って国外へ移動します。
退避希望の日本人
「イスラエルの人からこういうことがあると聞いてたが、実際に体験すると、本当に深刻」
「何とか今日脱出できそうなので、よかったかなと思ってます」
空襲警報が鳴り響く中、夜空には複数のミサイルと思われる閃光が見えます。
これはバーレーンの首都・マナマで撮影されたイランによる攻撃の様子です。
そのマナマからおよそ10キロ離れた街で暮らす日本人男性には、安全な場所へ避難するようメッセージが届きました。
バーレーン在住 忽那健太さん
「2月28日の午前11時に、まず爆発音が先だったと思う。その後にアラームが鳴った」
男性は、この地で身の危険を感じるようなことはなかっただけに、大きな衝撃を受けたそうです。
バーレーン在住 忽那健太さん
「本当にドンと、地面が割れるみたいな音がして。外、ベランダから見たら、黒い煙が立っていた」
「戦争はいきなり始まるものだなと身に染みて感じてますし、やっぱり今も不安というか、この先どうなっちゃうんだろうと」
米世論「攻撃反対」大きく上回る
建物から立ち上る黒煙。クウェートでは、アメリカ大使館がイランの攻撃を受け、火災が発生しました。
アメリカ軍基地でも、上空からの画像ではいくつかの建物で被害が確認できます。
クウェートでは、こんな事態も…
アメリカ中央軍によると、2日、イランへの軍事作戦に参加していたアメリカのF15戦闘機3機が墜落しました。炎上し制御不能になった機体が、落下していく様子が映っています。
墜落の原因はクウェート軍による「誤射」で、搭乗員6人は全員が無事に脱出し救助されたということです。
イランの攻撃により、アメリカ軍にも4人の死者が出ています。
トランプ氏は「作戦の終結までには、さらに犠牲が増える可能性が高い」としたうえで…
トランプ大統領(1日公開)
「アメリカは米兵の死の報復を行い、文明に戦争を仕掛けたテロリストたちに痛烈な打撃を与えるだろう」
アメリカでは、イランへの攻撃から2日目、ロイター通信が行った世論調査では、イラン攻撃に「反対」と答えた人が43%で「賛成」の27%を大きく上回りました。
さらに今後、アメリカ軍に死者が増えれば、国内の反対論が高まることも予想されます。
ハメネイ師亡き後、イランはどうなるのでしょうか。
イラン アラグチ外相(1日)
「1日か2日で、新たな最高指導者が選出されるだろう」
アラグチ外相は、ハメネイ師の後継者が「近く選出される」との見通しを示しました。
一方、イランがアメリカとの交渉再開を試みているとの報道について、イラン側は「アメリカとは交渉しない」とし、その報道を否定しました。
「原油」中東依存の日本 影響は必至か
両者の攻撃の応酬によって、影響は私たちの生活にも…
これはイランの革命防衛隊による声明の音声。
イランの革命防衛隊の音声
「全艦に告ぐ、全艦に告ぐ。いずれの船舶もホルムズ海峡の通航を禁止する」
日本のエネルギー調達の生命線ともいわれる「ホルムズ海峡」が事実上封鎖されたのです。
近くでは、パラオ船籍の石油タンカーが攻撃を受ける事態にも…
原油調達の95%を中東に依存している日本。その多くがホルムズ海峡を通過して輸送されますが…
高市総理(2日)
「中東から日本に向かう原油タンカーの中には、ホルムズ海峡の通行を見合わせて、ペルシャ湾内で待機しているものがあるということも承知いたしております」
「国民生活や経済活動への影響を最小限抑えるために必要な対応、これは機動的に講じてまいりたいと思っております」
2日、都内のガソリンスタンドには、多くの客の姿が。みなさん「今のうちに満タンにしておきたい」ということです。
給油に来た人
「来週あたり高くなるかもしれないと思って、今、急いで入れに来たところです」
「多分ガソリンだけじゃなくて、電気代とかいろんなものに価格の影響が出ちゃうと思うので、結構深刻ですよね」
燃料費の高騰 旬のイチゴ栽培にも波及
春の訪れを告げる果物にも影響が…
和銅農園 田口直樹 社長
「こちらがイチゴのハウスになります」
今が旬のイチゴです。イチゴは寒さに弱く、ビニールハウス内を温める暖房がかかせないといいます。
和銅農園 田口直樹 社長
「寒い時間にはこれが動くので、燃料費を使うことになります。年間大体うちのハウスの規模で、3万~4万リットルくらいは使ってます」
現在の価格で、年間330万円ほどかかっているという燃料費。
原油の先物価格は、2日時点で一時1バレル=75ドル近辺まで上昇しています。
日本総研によると、ホルムズ海峡の封鎖が続けば、最大で120ドル台まで上昇する可能性があるということです。
これまでも年々上がり続けてきた原油価格がさらに高騰する可能性に、田口社長は…
和銅農園 田口直樹 社長
「経営が圧迫されてしまうかなと。これが長く続くようなら、来シーズン値上げするようなことになってしまうかな」
緊迫する中東情勢に週明けの2日、株価も反応。6万円の大台が見えていた日経平均株価は、取引開始直後から値を下げ、一時1500円以上も下落しました。
また外国為替市場では、一時1ドル=157円をつけ、円安も進行するなど、さらなる物価高のリスクが高まっています。