「自衛隊の船を派遣しろ」中東情勢めぐりトランプ氏が要求 日米首脳会談を前に日本政府は?【Nスタ解説】
中東情勢の緊迫化を受け、トランプ大統領は、日本に自衛隊の船の派遣など協力を求めています。
19日の日米首脳会談を控える中、日本政府内では、どのような検討がおこなわれているのでしょうか。
トランプ大統領 日本を名指しで自衛隊の船の派遣要求
高柳光希キャスター:
日本時間19日に予定されている日米首脳会談。中東情勢が緊迫化する中で、日本はアメリカに対してどのようなスタンスをとるのでしょうか。
トランプ大統領は14日、自身のSNSで「アメリカ軍と連携し、封鎖の影響を受けている国々が艦船を派遣するだろう」と投稿。
その上で、日本やイギリス・フランス・中国・韓国を名指しし、「これらの国が艦船を派遣し、イランによる脅威がホルムズ海峡からなくなることを期待する」と、踏み切った発言までしています。
つまり、日本に対しては自衛隊の船を派遣するよう要求しているということですが、実現にはハードルがあるということですね。
TBS報道局 政治部官邸キャップ 中島哲平 記者:
法律上の問題があります。
日本が艦船を派遣する上では、主に3つの法的な条件があります。以下が、考えられる派遣のかたちです。
▼存立危機事態
集団的自衛権の行使が可能に
▼重要影響事態
米軍への給油活動など、後方支援が可能に
▼海上警備行動
民間の船の護衛が可能(対象は日本関係の船のみ)
他にも、国際平和や調査・研究を目的とした派遣も可能性はありますが、いずれも政府側は法的に難しいとしていて、何であればできるのかという検討を進めているところです。
どうなる日米首脳会談 トランプ氏の発言に“過剰反応”でのリスクも
高柳キャスター:
アメリカとの向き合いもイランとの向き合いもある中で、非常に難しいバランス感覚を求められています。
井上貴博キャスター:
トランプ大統領は「なぜ我々のことを守らない国を、守り続けなければいけないのか」とまで言っています。かつてなく難しい首脳会談になるのではないでしょうか。
TBS報道局 政治部官邸キャップ 中島 記者:
ただ、トランプ大統領は日ごとに言うことが変わるということもあります。
トランプ大統領の発言一つ一つに過剰に反応して、本来踏み越えるべきでないことまでやってしまうリスクもあるので、慎重な対応が求められるのではないかと思います。
トランプ大統領は「何を言い出すかわからない」 真意探る日本政府
高柳キャスター:
日本政府としては、トランプ大統領の側近から情報を探りたいという状況です。
16日夜に茂木敏充外務大臣とルビオ国務長官が、日米外相電話会談を行いました。そこで、ルビオ国務長官からアメリカの立場に関して説明があり、その中で、トランプ大統領が期待を示す艦船の派遣についての要請はありませんでした。
しかし17日未明、トランプ大統領は日本・韓国・ドイツについて、米軍兵士が「これらの国々を守っている」と指摘しました。
そして、ホルムズ海峡での艦船の派遣をめぐり、これらの国々(日本・韓国・ドイツ)が「『我々が参加しない選択肢はあるのか』と尋ねてくる」と不満を示したということです。
高柳キャスター:
日本政府はどのような対応をとっていくべきなのでしょうか。
TBS報道局 政治部官邸キャップ 中島 記者:
日本政府としては、アメリカ側・トランプ大統領の真意を探ることが第一優先だと思います。そのため、15日には小泉防衛大臣がヘグセス国防長官と、16日は茂木外務大臣がルビオ国務長官と電話会談をし、真意を探っている状況です。
有志連合など、関係国による新たな枠組みを作って協力するという話も出ていますが、ある政権幹部は「日本の法律の範囲内で、まずはできることを考える」と話しています。
他の政権幹部も、トランプ大統領は「瞬間、瞬間で思いついたことを言っているだけ」とし、有志連合などが具体的に進んでいるわけではないので、「とにかく慎重に検討を進めなければいけない」という考えを示しています。
艦船派遣の要請はある?ない? 米閣僚も予測不能なトランプ氏
出水麻衣キャスター:
茂木外務大臣はルビオ国務長官との電話会談後、「要請はない」としていますが、トランプ大統領はあたかも「要請している」ような発言をしています。どちらを信じれば良いのでしょうか。
TBS報道局 政治部官邸キャップ 中島 記者:
ある政権幹部に聞くと、ルビオ国務長官やヘグセス国防長官と日本の閣僚たちが会談する中で、意思の疎通はしっかりと取れているそうです。
ただ、ルビオ国務長官やヘグセス国防長官などのアメリカの閣僚ですら、トランプ大統領が何を言い出すかは分かっていない状況だということです。
日米首脳会談では、高市総理にその場での判断が求められるという、難しい首脳会談になってくると思います。
会談迫る中、イラン情勢の比重大きく
高柳キャスター:
19日の日米首脳会談では、元々は対米投資などについてメインに扱う予定でしたが、中東情勢についても大きく占めることになるわけですね。
TBS報道局 政治部官邸キャップ 中島 記者:
アメリカ側も、日本がホルムズ海峡をめぐってできることは少ないと分かっているので、先週の段階までは対中国や関税、イラン情勢の三本柱の議題になるだろうという見方を示していました。
しかし、徐々にイラン情勢の比重が大きくなってきているのではないかと思います。それに向けて日本政府も対応を検討しているところです。