「全然寝られない」岩手・大槌の山林火災 延焼続き平成以降“2番目の規模”に 牛舎が燃えた畜産家は牛残せぬ苦悩も【news23】
岩手県大槌町の山林火災。焼損範囲は1176ヘクタールに広がり、去年の大船渡市の山林火災に次いで、平成以降、国内2番目の規模になっています。
岩手・大槌の山林火災 延焼止まらず…
記者
「午後10時を回った大槌町の上空です。山が激しく燃えているのが、上空からも確認できます」
22日に発生した岩手県大槌町の山林火災。いまだ、鎮火の目処は立っていません。
記者
「午後7時半です。山の中腹から勢いよく炎が上がっています」
徐々に街の方へ近づく火災に、住民は不安の声を漏らします。
避難して3日目 大槌町の住民
「夜、暗くなってからの方が火がよく見える。心配や怖さを感じている」
平成以降、国内2番目の規模に 延焼拡大で避難所を移動
大槌町によると、焼損範囲は24日午前6時の時点で、1176ヘクタールに広がったということです。これは、2025年の大船渡の山林火災に続いて、平成以降、国内2番目の規模になります。
延焼範囲が拡大している吉里吉里地区では、避難所の吉里吉里学園小学部の校舎のすぐ側で白い煙が立ち上っています。
延焼の拡大に伴い、新たに開設された避難所の吉里吉里公民館へ。
避難している住民
「全然寝られないですね。椅子に座って全然寝なかったです」
大槌町では、24日午後3時時点で1541世帯、3233人に避難指示が出ています。
「山火事はおさまらないと思う」不安な日々 雨は週明けか
焼け焦げ、完全に崩れた建物の跡。建物7棟に被害が出ているのは小鎚地区です。
15頭の牛を育てている阿部和治さん(74)。23日の昼すぎに牛舎から火が上がったといいます。
15頭の牛を育てる 阿部和治さん
「ホースを持って中に入って燃えてるところに水をかけた。そしたら、バリバリバリバリ燃えて、とってもいるとこではないと」
火は消し止められましたが、その後も夜通し、見回っていたといいます。
15頭の牛を育てる 阿部和治さん
「子どもが5頭、親が10頭ぐらいだから、これをどっかにやるのもね。あの山火事はおさまらないと思う。風でどういくかわからない。それが一番不安だね」
不安な日々の中、憩いの場になっている場所「立ち食い蕎麦屋 一膳」の机には灰のようなものが。それでも常連さんの求めに応じ、うどんやそばを提供しています。
常連客
「気持ちが入れば、いっぱい美味しくなるの」
山林火災の影響で他の店が休業する中、閉めることなく営業を続けています。
火災が続く地域では、週明けまで雨が降らないとみられるなか、懸命の消火活動が続いています。
1km先まで響く「バチバチ」という轟音 現地を取材して…
上村彩子キャスター:
24日に取材から帰ってきましたが、取材をしてどんなことを感じましたか?
喜入友浩キャスター:
山火事と言うと炎や煙が目立ちますが、現場にいると、燃える音というのは1キロ以上離れていてもバチバチという音がしっかり届きますし、山に囲まれているので大きく響きます。本当に恐ろしい音でした。
そして、今回の火事は非常に多くの方が住んでいる地域に近いところが燃えています。中には、避難するギリギリのタイミングまで自宅に水をかける人の姿もありました。
「命も守りたい。家も守りたい」という切迫した思いを感じました。
上村キャスター:
日常生活を送るのも難しい状況ですよね。
喜入キャスター:
特に煙がすごく、マスクをしていないと生活ができないような煙の濃さになっています。灰も舞っている状況で、山に囲まれた地域なので、風がないと煙が滞留します。
そして、避難している方の中には、鎮火まで1か月以上かかった2025年の大船渡の山火事のことがよぎっている方もいました。
先が見通せない中で、何もできないというもどかしさを感じているような状況です。