食料品の値上げ“年間2万品目ペース”に 「消費税1%」なら家計負担どのくらい減る?【Nスタ解説】
7月は、多くの企業が食品の値上げを発表しています。
特に「パン」や「カップ麺」など、身近な商品の値上げが目立っていて、2026年は“値上げの夏”になりそうです。
【写真で見る】あの人気カップ麺やハム、ソーセージも… この夏、値上げされる商品たち
物価高対策として期待されるのが“消費税の減税”ですが、自民党が当初目標としていた6月中の「中間とりまとめ」を見送ることが分かりました。
食料品の値上げ 年間2万品目ペースの値上げ
井上貴博キャスター:
帝国データバンクの6月30日の発表によると、▼7月は2566品目が値上げされるということです。さらに、▼8月は1898品目、▼9月は3029品目が値上げということで、年間2万品目のペースとなっています。
帝国データバンクは毎月、価格改定動向調査を出していますが、5月発表時点では、▼7月が2269品目、▼8月が849品目、▼9月が580品目と、6月30日発表のものよりも品目数が少なくなっていました。
中東情勢の影響が約3か月遅れで食料品の値上げに影響するということで、7月発表時点では、品目数が増えているかもしれません。
“17回”の実務者会議も 国民会議「減税」の中間とりまとめ見送り
値上げや物価高に、政府はどう手を打つのでしょうか。
選挙公約にもなっていた「食料品の消費税ゼロ」について議論していましたが、レジシステムの改修などの影響もあり実現は難しい状況。
そこで国民会議の実務者会議で、▼消費税を1%に下げ、▼下げきれない残りの1%分を中低所得者に現金給付を行うという“実質ゼロ案”が出されました。
選挙後、国民会議では17回の実務者会議を行い、6月末の中間とりまとめを目指していましたが、見送りとなりました。
残りの1% 中低所得者に現金給付 岸谷蘭丸さん「消費税は平等であるはずなのに」
レジシステムの改修には半年ほどかかると言われているため、「消費税1%」を2027年4月にスタートするのであれば、秋の臨時国会での法案提出に向けて、そろそろ中間とりまとめを行わなければいけません。
4月スタートに間に合うのでしょうか。
岸谷蘭丸さん:
世論調査などを見ていても、みなさん、しっくり来ていないのかなと感じます。「ゼロ」が「1%」になった数字の変化や、減税と給付という複雑さがあるのではないでしょうか。
また、消費税は本来、平等であるはずなのに、所得によっては給付を受けられない可能性もあります。
どこに向けた政策なのか。
世論調査を見ると、「時間やコストをかけてやる必要があるのか?」という疑問を持つ一方で、「現金がもらえるのは嬉しい」という意見が大半なのかなという印象です。嬉しい反面、「よくわからない」という気持ちもある気がします。
1%への減税・4人家族なら「6万2528円の負担減」と試算 “4月減税”実現できる?
井上キャスター:
食料品にかかる消費税が1%の場合、家計への恩恵はどのくらいなのでしょうか。
4人家族の場合、消費税率が8%だと年間の税負担は7万1460円。
消費税率が1%に下がると年間の税負担は8932円で、6万2528円の負担減になるということです。
(総務省「家計調査」を基に野村総研エグゼクティブエコノミスト木内登英氏が試算)
「消費税1%(実質ゼロ)案」について、与野党のスタンスは以下のようになっています。
【消費税1%(実質ゼロ)案 各党の立場】
▼一定の理解:維新、保守
▼否定的:中道、立憲、公明、国民、みらい
レジシステムの改修に半年ほどかかり、また、食料品・弁当などが1%で外食が10%となると外食産業への影響も懸念されています。
こうしたことから、短期間の減税は事業者への負担が増えるとして、否定的なスタンスの党もあるということです。
“消費税が1%になることで減らせる負担分を、給付したらどうか”という声もあがっているようです。自民党は、選挙公約のために“実質ゼロ%案”で通そうとするのでしょうか。
岸谷蘭丸さん:
「(選挙で)言ってしまったからやらないわけにはいかない」という、板挟みの状況ですよね。
選挙で大勝していますから、消費減税をやらないというのは道理が通らないと思います。とはいえ、自民党内でもおそらく意見が分かれていて、野党からも激しい反発があるようです。
さらに、財源の問題もあり、社会保障改革があまりできていない中で、財源が減るようなことをしてどうするのかと国民も不安だと思います。
おそらく、国の運営として最も抜本的に改革しなければいけないところはそこ(社会保障改革)だと思いますが、そこに手をつける前に工数がかかってしまう。押しても引いても課題があるという、すごく難しい立ち位置にいるのだろうと思います。
================
<プロフィール>
岸谷蘭丸さん
教育事業家 イタリア・ボッコーニ大学在学中
海外大受験や英語試験対策の会社を経営