焼失面積は東京23区超え…フランスで猛威ふるう山火事 「高温×乾燥」が延焼の原因に?【Nスタ解説】
フランス南西部で山火事が発生してから6日目。火はまだ燃え広がっていて、これまでに22万人が避難しています。(7月27日「Nスタ」午後4時50分ごろの放送より)
【写真で見る】焼け焦げた集落には、溶けてしまった子どもの自転車も
フランスで大規模な山火事 子どもの自転車も溶け…焼け焦げた集落
加賀千草 記者:
フランス南西部・ボルドー市近郊のラントンに来ています。
山火事で焼け焦げた集落では、子どもの自転車やブランコが溶けてしまっているのがわかります。また住宅も真っ黒になっていて半壊状態です。この場所は、2日ほど前に山火事の火が風であおられ、一気に燃え広がったということです。
住民は避難していて、人的被害はなかったとみられますが、山林の奥では未だに煙が上がっていて、山火事の威力を物語っています。
山火事は、この近辺含めて多数の箇所で発生しているということですが、取材をすると、煙が一旦収まったように見えても、風が吹くとまた一気に炎が四方に広がる様子が見てとれました。
消防士たちが集団で放水にあたっても、すぐに炎が上がる“いたちごっこ”のような状況です。一連の山火事では消防士が2人死亡しています。
27日朝に雨が降ったことで、火災の延焼は食い止められ安定したようですが、フランスではこの夏の記録的な猛暑により、森林の木が乾燥したことも、これだけ火が燃え広がった原因だとされています。
依然として鎮火に至っていない山火事。フランス政府も全力で対応にあたっています。
山火事で22万人が避難 「東京都の半分」が焼失の状況
井上貴博キャスター:
フランスで発生した山火事により、これまでに22万人が避難。焼失面積は延べ約10万ヘクタールにのぼっているということです。
東京都の面積は約21万ヘクタールだと言われているので、東京都の半分が焼失してしまったことになります。
フランスの交通網にも以下のような影響が出ています。
【フランスの交通網への影響】
▼高速道路(スペイン方面) 約60kmが一部閉鎖
▼ボルドー空港 26日夕方以降のすべての便が遅延
▼フランス国鉄(27日時点) ボルドー以南の全列車の運行停止
スペインやカナダでも山火事 「国家非常事態」の宣言も
大規模な山火事はスペインでも発生していて、首都マドリードから約50キロ離れた場所で約7万7000ヘクタールが焼失しました。
スペイン内務省によると、26日時点で5万9896人が避難、2万9867人が屋内退避しています。
スペイン政府は、マドリード州及びアビラ県に「国家非常事態」を宣言しています。
また、カナダでも139件の山火事が発生。オンタリオ州北西部では2026年、約295万ヘクタールが焼失しています。
過去10年間の平均は年255万ヘクタール焼失だということなので、過去の平均焼失面積を上回る被害となっています。
ロイターによると、消防士5300人以上を動員し、メキシコからも約200人が派遣されているということです。
“異変”山火事が拡大した原因は…? 月間降水量46.8mm→2.0mm
これらの山火事が拡大している理由は「気温」と「乾燥」です。
偏西風が大きく北に蛇行したことに伴い、高気圧が発達・停滞し、記録的な高温になっているということです。
フランス・ボルドー近郊の7月の平均気温は21.4℃ですが、2026年7月7日は40.8℃という状況になっています。
また、月間降水量も7月の平均値は46.8mmですが、2026年は7月26日までで2.0mmにとどまっています。
このような「暑さ」と少雨による「乾燥」で、植物が乾燥して延焼を促進する“燃料”になってしまっているということです。
また強風により、火の粉が数キロ飛ぶこともあるそうです。
日本も「少雨」と「高温」 新潟では7月に火災多発
日本の場合、夏場は湿気があるため、海外のような山火事は起こりにくいと考えられていますが、新潟県の調査によると、2025年に最も火災発生件数が多かった月は7月で、86件に上りました。
2026年の夏は梅雨らしい日もありましたが、7月7日~26日の降水量をみると、九州など西日本を中心に平年を下回っています。
27日午後4時半時点で、広島県南部、佐賀県、熊本県には乾燥注意報が出ています。
危険な暑さとなる中、空気が乾燥して山火事のリスクがありますので、十分に注意してください。