熊本地震それぞれの1か月 「早く帰っておいで」イオンモールで遺族が献花 復旧は道半ば…在宅避難続ける人も 「自立」につながる支援とは【news23】
最大震度7を観測した熊本地震の発生から1か月。水道の復旧や仮設住宅の建設も進められていますが、在宅避難を続ける人も多く、道半ばです。
【写真を見る】エアコン無し…自宅の倉庫で在宅避難する高齢夫婦
「早く帰っておいで」遺族が献花 祈りに包まれ…熊本地震から1か月
イオンモール熊本で亡くなった女性の夫
「本人がここでまだ働いているような感じを受けているので、生前あまり伝えられなかった『ありがとう』という気持ちと、『早く帰っておいで』という言葉をかけて献花をした」
イオンモール熊本で亡くなった女性の兄
「現場をすぐそば、手の届くところまで見て、心境的にはきつかった。ここに埋まっていたのかと。現実というか、それを突き付けられた感じ。苦しかっただろうな」
熊本県で最大震度7を観測した地震から1か月。災害関連死の疑いがある人を含めて38人が死亡、住宅被害は5万3800棟を超えます。
また、一時、最大で約10万8000戸に及んだ断水について、国交省は全て復旧したことを明らかにしました。
復旧道半ば 学校には元気な声も、体育館には避難者
八代市の小学校では2学期が始まり、友達との久しぶりの再会です。
児童
「夏休み地震があったから、夏休みより楽しみたい」
「ずっと暇だった。クラスのみんなと運動会とかを楽しみたい」
ただ、完全に元通り、というわけではありません。
学校の水はまだ飲めず、体育館には40人が避難しています。 こうした県内の避難者は今なお、2400人以上もいるのです。
空調が設置されていない避難所も多く、中には被災した自宅に戻る人もいます。
自宅の倉庫に置かれたベッドやテーブル。70代の津田さん夫婦は、ここで避難生活を続けています。
津田宜治さん(78)
「避難所が開設されて行ったが、エアコンがなかった。3日目からエアコンが設置されたが敷物がない。板の間でいいから、ああいうところに行って寝たって、寝られるもんじゃない」
避難所では「プライベートな空間が限られていた」と言いますが、倉庫にはエアコンは設置できません。
「自立」促す支援 住民の支えあい「涙が出るようで嬉しい」
こうした在宅避難を続ける人の拠り所となっている場所があります。
利用者
「久しぶりに手作りのものを食べた」
「涙が出るようで嬉しいです」
震度7の揺れが襲った氷川町で行われた炊き出し。実はボランティアの多くは、過去の地震や豪雨による被災を経験した人たちです。
炊き出しのまとめ役・吉村静代さんは、10年前の熊本地震で益城町にあった自宅が全壊し、4か月間、避難所に身を寄せました。そのとき、全国から益城町によせられた支援に助けられました。
次は「支援する側に」と2017年、九州北部豪雨や能登半島地震などの被災地に応援に駆けつけたのです。
今回、吉村さんたちが支援に力を入れているのが、「在宅避難」をしている人たち。
吉村さん
「避難所は結構物資が安定的に供給できてたが、在宅避難の方たちにはなかなか行き渡らない」
吉村さんが大事にしているのは「自立を促す」支援。このため、炊き出しでは住民と一緒に料理を作ります。
吉村さん
「自立することによって元気になっていく。それが日常に戻るための第一歩だというのを肌で感じたので。うちの避難所にいた皆さん方もそうだったから」
吉村さんは、多くの災害を経験した熊本だから、全国に発信できる支援の形があるといいます。
吉村さん
「地域の方たちが元気になって、痛みを共有することで、みんな元気になっていく。わたしは被災者というのではなく、やっぱり日常に戻る、元気を取り戻してほしいなという形での支援が必要なのではないか」