天は自ら努力する人を助けてくれるということを言ったことわざ、それが「天は自ら助くる者を助く」です。
これはもともと英語のことわざから来た言葉です。
今回はそれら「天は自ら助くる者を助く」について解説します。
特にここではその意味や由来、語源についても説明します。
「天は自ら助くる者を助く」とは
まずは「天は自ら助くる者を助く」について見てみましょう。
「天は自ら助くる者を助く」の意味
「天は自ら助くる者を助く」とは、天は他人の助けを借りずに自分自身で努力する者に力を貸してくれることの例えです。
つまり、相手に頼ってばかりいないで自力で何とかしようとする人ほど神の助けを得られるということを言った言葉です。
実際には人の助けを借りてばかりで、自分で解決しようともしない人がいるかもしれません。
そういった人を天は救ってくれません。
むしろ自分で行動する人を助けてくれるのです。
それらを言った言葉が「天は自ら助くる者を助く」となります。
「天は自ら助くる者を助く」の由来
では「天は自ら助くる者を助く」はどこから来たのでしょうか?
原典は英語のことわざ
「天は自ら助くる者を助く」の原典は英語にあるとされます。
その英語が「God helps those who help themselves.」というものです。
他にも「God」が「Heaven」となる表現もあります。
これらは神が自立しようとする者を助けてくれるということを意味することわざとなっています。
特に古くから欧米などでは「神は自力で頑張る人を助けてくれる」と信じられてきた背景があるのです。
そこから来たのが「天は自ら助くる者を助く」となります。
「天は自ら助くる者を助く」は初訳が定着したことば
「天は自ら助くる者を助く」は最初の翻訳から定着した言葉とされます。
日本では明治初期のロングセラー「西国立志編」の冒頭に引用されています。
その際の初訳がそのまま定着したのではないかと考えられているわけです。
その翻訳を担当したのが中村正直という人物でした。
中村正直は明治初期のキリスト教の啓蒙に貢献した人物です。
当時禁止されていたキリスト教の宣教の自由を主張したことで知られています。
実際に自らも宣教師の洗礼を受けるなどキリスト教に深く精通した人物とされます。
それゆえ、海外から来た言葉を翻訳するのにも長けていたのかもしれません。
事実、彼の翻訳は明治初期に広く受け入れられ、共感を呼ぶ表現とされました。
「天は自ら助くる者を助く」の類義語
最後に「天は自ら助くる者を助く」の類義語を見てみましょう。
「天は自ら助くる者を助く」の類義語には「人事を尽くして天命を待つ」というものがあります。
人事を尽くして天命を待つ
「人事を尽くして天命を待つ」とは、できる限りのことをしたら後は焦らずに結果を天に任せるということです。
特に物事の成否は人知を越えたところにあるため、どのような結果になろうとも悔いはないという心境を例えた表現となります。
これらは南宋初期の中国の儒学者である胡寅の「読史管見」から来た言葉とされています。
自分にできることはすべて尽くすというところが「天は自ら助くる者を助く」と共通しているのではないでしょうか?
また、後のことは天に任せるという点なども「天は自ら助くる者を助く」と共通している面があります。
まとめ
「天は自ら助くる者を助く」は自ら努力する人ほど、天は助けてくれるということを言ったことわざです。
これらはもともと英語から来た言葉とされています。
それら欧米の背景から生まれたのが「天は自ら助くる者を助く」となります。