抜け目がないことの例え、それが「ちゃっかり」です。
中でも自分の利益のために抜け目なく振る舞うことを言います。
しかし、それがなぜ「ちゃっかり」と表現されるのでしょうか。
今回はそれら「ちゃっかり」という言葉について解説します。
ここではその意味はもちろん成り立ちや「しっかり」「うっかり」との違いなども説明します。
「ちゃっかり」とは
まずは「ちゃっかり」とはどのような言葉なのか見ていきましょう。
「ちゃっかり」の意味
「ちゃっかり」とは抜け目がないことを言う表現です。
特に自分の利益のために抜け目なく振る舞うことを言います。
意外と自分のことだけは考えているような人に使用されます。
そのため、図々しいというニュアンスも持つ言葉です。
前後の文脈によってはずるいという意味も含まれます。
その一方、抜け目なく対応できる人なども意味します。
そういった人全般に対して「案外ちゃっかりしているね」と使用する言葉です。
「ちゃっかり」した人は嫌われるというよりも・・・
「ちゃっかり」には嫌われるようなニュアンスもあります。
しかし、むしろしっかりしているような意味合いが強いです。
実際、一見するとうっかりしてそうな人がうまく立ち回っている際などに使用されることも少なくありません。
そのようなことから「ちゃっかり」した人はそこまで嫌われません。
むしろうっかりしていそうなのにしっかりしている人という印象が強いかもしれません。
そこも含めて幅広い表現と言えるのではないでしょうか。
つまり要領よく行動する様子を指して言う言葉となっています。
ただ、そこには呆れた感情が含まれる場合もあるので注意しましょう。
「ちゃっかり」の由来は?
では「ちゃっかり」はどこから来た言葉なのでしょうか?
ここからはそれら「ちゃっかり」の語源や由来を見ていきましょう。
実ははっきりした由来は判明していない
「ちゃっかり」がどこから来た言葉なのかはいまいちわかっていません。
実際に語源や由来に関しても詳細は判明していないのが現状です。
そのため、どうしてもその成り立ちは曖昧なものとなっています。
ただ、いくつかの説があるのでそれぞれ見ていきましょう。
由来とされる説①:「ちゃんと」や「ちょうど」から来た
「ちゃっかり」は「ちゃんと」から来たという話があります。
実際に「ちゃっかり」にはちゃんとしている意味もあります。
そこにふざけるという意味の「茶化す」「茶々を入れる」の「ちゃ」が組み合わせられて「ちゃっかり」となったそうです。
ただ、この説はこじつけ感があるのも事実です。
由来とされる説②:「茶」からきた
「ちゃっかり」は漢字表記で「茶仮裏」と書かれます。
それら「茶」「仮」「裏」から来た言葉という話もあります。
主に「茶」は苦い味のする薬草を指す言葉です。
また「仮」は人が仮面を被って偽物や仮物になることを表します。
それでいて「裏」は着物の裏側を言う表現となっています。
それらを合わせて「茶仮裏」という言葉が生まれたのとか。
そこから転じて「ちゃっかり」になったとされています。
ただ、それぞれの言葉に分解しても整合性が取れないため、語源や由来ははっきりとはわかっていないというのが結論となります。
「しっかり」と「うっかり」との違い
最後に「ちゃっかり」とよく似た「しっかり」「うっかり」という言葉についても見ておきましょう。
「しっかり」とは
「しっかり」とは物事の基礎や構成が堅固で安定している様子のことです。
また、思考や人柄が堅実で信用できることも意味します。
さらに、気持ちを引き締めて確実に遂行することも指します。
それだけでなく、心身が健全であることも表すとされるそうです。
他にも十分である様子や相場が上昇傾向にある様子なども言います。
このように「しっかり」だけでも無数の意味が存在します。
これらはもともと株価などの相場が高いことを言った言葉でした。
高騰や急騰まではならずとも上がり気味であることを言ったそうです。
それが次第に現代のような意味で使用されるようになったとか。
そのため「ちゃっかり」とは意味するものがそもそも違います。
「うっかり」とは
「うっかり」とはぼんやりして注意が散漫になっている様子のことです。
注意が行き届いておらず、ぼーっとしているような状況を言います。
また、心惹かれて他に注意が向かない状態のことも指します。
これらはそれらうっとりしていることも表しているそうです。
そのため、したたかなことを意味する「ちゃっかり」とは異なります。
まとめ
「ちゃっかり」は思っている以上にちゃんとしてることを言います。
実際に自分の利益のために抜け目なく行動するような様子を言う言葉です。
現代では「ちゃっかり」な人に対してそこまで悪い意味はありません。
ただ、あまりにも自分の利益だけ求めてしまうと良い印象は持たれないので、その点は注意したいです。