「ババ」が原型となっているお菓子、それが「サバラン」です。
これはフランスやイタリアのお菓子として定着しており、現地では焼き菓子の名物としても知られています。
今回はそんな「サバラン」について解説します。
ここでは「ババ」との関係についても説明するので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
サバランの原型は「ババ」?!
まずは「サバラン」の原型となった「ババ」がどのようなお菓子なのか見てみましょう。
「ババ」はこんなお菓子
「ババ」は「サバラン」の原型となったお菓子です。
フランスやイタリアの名物とされる焼き菓子の一種です。
イースト菌の発酵で膨らませた生地をドーナツ型や丸形などに焼き、ラム酒風味のシロップを染み込ませたケーキを意味します。
風味ではなくそのままラム酒をかける種類もあります。
そのため、少し大人な味わいのスイーツと言えるでしょう。
「ババ」の誕生秘話と名前の由来
「ババ」は18世紀初めに生まれたお菓子とされています。
その発祥はナンシーにあったスタニスワフ・レシチニスキの宮廷とされています。
※スタニスワフ・レシチニスキはポーランドの王様です。
当時、彼は歯痛に苦しんでいたのだとか。
そのため、焼き菓子の「クグロフ」を食べるのもやっとでした。
そこで「クグロフ」を食べやすくするために甘口のラム酒をかけたのだとか。
そのラム酒を染み込ませたお菓子が「ババ」の始まりだと言われています。
実際にラム酒をかけたクグロフの美しさに見とれたスタニスワフは「千夜一夜物語」の登場人物にかけて「アリババ」と名付けたのだとか。
そこから転じて「ババ」という名前で広まったそうです。
なお「ババ」はワインのコルク栓に似た形状から「ババ・ブーション」とも呼ばれることがあります。
※現地の言葉でコルク栓のことを「ブージョン」と呼びます。
「サバラン」とは
ここからは「サバラン」がどのようなお菓子なのかを見てみましょう。
「サバラン」はこんなお菓子
「サバラン」はフランスの焼き菓子のことです。
ブリオッシュを切って紅茶味のシロップを染み込ませて冷やし、ラム酒をかけて生クリームや果物で飾りつけたものを言います。
またはブリオッシュ生地をドーナツ形の型に入れて発酵させて焼き、キルシュ風味のシロップを染み込ませたものを言います。
ちなみに、現地の「サバラン」にはアンズのジャムを塗るのが定番です。
さらにスライスアーモンドをはじめフルーツやハーブの砂糖漬け、イチゴやラズベリーなどで飾るのが特徴とされています。
また、中央の穴にはクリームやフルーツを詰めるのだとか。
なお、果物を詰める場合は上部や周辺にも一緒に飾ります。
このように「サバラン」は見た目にもこだわったお菓子とされています。
「サバラン」のはじまり
もともと「サバラン」はフランスのお菓子の一種とされます。
特にサントノーレの生みの親とされるオーギュスト・ジュリアンの考案によるお菓子とされています。
ただ、その原型である「ババ」は違う人物が作ったものなので、その点は注意が必要です。
「サバラン」という名前の由来
「サバラン」は考案された当時「ババ」と呼ばれていました。
そのため、基本的には「ババ」と同じものと言えるでしょう。
実際にその原型は「アリババ」と呼ばれるお菓子にあるとされています。
それがフランスのグルメ家として知られるブリア・サバランにちなんで改名されたようです。
「サバラン」に使われるお酒は様々
「サバラン」はラム酒を使用するのが定番です。
しかし、他にも色々なお酒が使用されるのだとか。
ラム酒
「サバラン」には基本的にラム酒が使用されます。
ラム酒はサトウキビを原料に製造される蒸留酒のことです。
お菓子などにも合うことから多種多様な場面で使用されます。
ブランデー
「サバラン」にはブランデーも使用されます。
ブランデーは果物を原料とする蒸留酒のことです。
スイーツには定番のお酒として使用されています。
キルシュ
「サバラン」にはキルシュも使用されます。
キルシュとは発酵させたサクランボの果汁から造られる蒸留酒のことです。
ケーキをはじめとした焼き菓子などに使用されます。
また、シロップやクリームの香り付けにも使用されます。
まとめ
「サバラン」はフランスやイタリアの名物です。
その原型は「ババ」と呼ばれるお菓子にあるとされています。
どちらもイースト菌の発酵で膨らんだ生地をドーナツ型や丸形に焼き、ラム酒風味のシロップを染み込ませたケーキを言います。
ちょっと大人な味わいのスイーツなので、ぜひ気になる方は食べてみてください。