背中の黒いタテガミのような毛と長い足が目を引く「タテガミオオカミ」。
南米に生息するこの動物は、実はオオカミの仲間ではありません。
特徴がキツネを思わせますがキツネでもありません。
では、「タテガミオオカミ」がどのような動物なのかをここでは解説していきます。
「タテガミオオカミ」とは
タテガミオオカミは、イヌ科タテガミオオカミ属に分類される食肉動物です。
タテガミオオカミ属に分類される動物はこの種しかいません。
英名の”Maned wolf”からマネドオオカミ、マネッドウルフとも呼ばれます。
体長は約100〜130センチメートルで、肩高は約70センチメートルに達します。
大きいものならば90センチメートルほどまで成長するのだとか。
体重は約20〜30キログラムと、イヌ科では比較的大型の種とされています。
タテガミオオカミの生息地
タテガミオオカミの生息域は南米の草原や藪、低木林であったり開けた森林ですが、氾濫原を含む湿地にも生息します。
ブラジル中央部から東部にかけて、アルゼンチン北部、パラグアイ、ウルグアイ北部、ボリビア東部など南米大陸の中央部から東部にかけての広い範囲に分布しています。
タテガミオオカミの食性
タテガミオオカミは基本的に雑食性であり、食性は幅広いです。
主に果実、根、鳥の卵、小動物(例: 鳥類、爬虫類、哺乳類)、昆虫などを摂食します。
特に果実を好んで摂取し、現地でウルフアップルと呼ばれる植物やマンゴーを食すこともあります。
時には果物の木を揺さぶって落とすこともあります。
また、農作物を食べることもあるため一部の地域では農業被害が報告されています。
「タテガミオオカミ」はオオカミではない?
タテガミオオカミは名前にオオカミとありますが、実はオオカミの仲間ではありません。
オオカミやキツネ、イヌが分類されているCanis、つまりイヌ科イヌ属とは独立した種となります。
キツネに似ているタテガミオオカミの外見
タテガミオオカミは鼻や口元といった吻やたてがみに手足の毛が黒く、耳介内側や喉や尾の毛は白いことからその姿からキツネに似ているとされることがあります。
長い脚、細長い体、長い尾などもキツネを連想させます。
名前の由来となった
イヌ科で最も背の高いタテガミオオカミ
早く走ることを得意としたタテガミオオカミはその足が細く長いです。
この足が肩高を高くしており、イヌ科で最も背が高いと言われることもあるほどです。
オオカミの仲間でもないし、キツネの仲間でもない・・・
名前にオオカミと入っているタテガミオオカミは、外見的特徴がキツネに似ているともいわれます。
しかし、実際にはどちらの仲間でもありません。
オオカミもキツネも、タテガミオオカミと同じく「イヌ科」の動物です。
しかし、イヌやオオカミや属するCanisつまりイヌ属に分類されていません。
もちろんキツネ属にも分類されていません。
タテガミオオカミ属という独立した種として分類されています。
つまり、オオカミの仲間でもキツネの仲間でも無いということです。
名前の「タテガミ」の由来
名前の由来は文字通り、そのたてがみにあります。
タテガミオオカミは肩から背中にかけて垂直に立った黒い毛が生えています。
時に背中の毛が逆立つこともあります。
その姿から、タテガミオオカミという名前が付けられたのです。
活動的な「タテガミオオカミ」
長い足を持つタテガミオオカミは、その足を存分に活かそうとするのか、かなり活動的な動物でもあります。
タテガミオオカミの行動範囲
タテガミオオカミは夜行性ということもあり主に夜間に活動します。
その行動範囲は広く、数十平方kmに及ぶことがあります。
そのため、比較的広い生息地を必要とする動物とされています。
狩猟方法はイヌ科の中では特殊
タテガミオオカミの狩猟方法はイヌ科の中では特殊なものとされます。
スタミナもあるため、ひたすら獲物を追い続け疲れたところを狙って捕食します。
また、タテガミオオカミは長い足を持っており、速く走ることができます。これによって、獲物を追いかけて捕らえることが可能となっています。
タテガミオオカミは足も早い!
タテガミオオカミは、長い足と俊敏な動きを活かして、高速で走ることができます。
一説には、短い距離であれば時速90km以上の速度が出せるのだとか。
まとめ
タテガミオオカミは、南アメリカ大陸に生息するイヌ科の哺乳類です。
名前にオオカミと入っていますがオオカミの仲間ではありませんし、キツネに似た外見をしていますがキツネでもありません。
オオカミともキツネとも異なる独自の進化をしてきた動物です。
夜行性であり、果実や小動物を含む幅広い食物を摂取します。
タテガミオオカミは優れた走行能力と特殊な狩猟方法を持ち、広範囲の生息地で活動的に生活しています。