5月27日にある記念日「小松菜の日」。
この記念日は、小松菜の旬にあやかったものではありません。
そもそも、小松菜は冬野菜のひとつですから、シーズンは大きく外れています。
ではなぜ5月27日が「小松菜の日」となったのでしょうか。
ここでは「小松菜の日」はもちろん、小松菜自体についても解説していきます。
「小松菜の日」とは
まずは「小松菜の日」がどのような記念日なのかを見ていきましょう。
5月27日は小松菜の日
「小松菜の日」があるのは5月27日。
2006年に、小松菜などを生産している有限会社しものファームが制定した記念日です。
5月27日が選ばれたのは、その日付を「こ(5)まつ(2)な(7)」と語呂合わせした事から来ています。
小松菜の日の目的
「小松菜の日」は、小松菜をよりたくさんの人に食べてもらうことを目的として制定された記念日です。
5月27日なのは前述の通り語呂合わせによるものなので、冬野菜の「小松菜」の特性に起因する記念日ではありません。
小松菜は冬野菜!
ここからは「小松菜」がどのような野菜なのかを見ていきましょう。
小松菜はこんな野菜
アブラナ科アブラナ属に分類される小松菜は、江戸時代から日本で栽培されている野菜の一種です。
丸みを帯びた葉は濃い緑色をしています。
その姿は「ほうれん草」と似ているとされますが、両者は冬野菜となるという点も共通しています。
味わいについては、小松菜のほうがアクも少なくエグみも少ないとされることからあっさりした味わいと評されます。
葉の部分を食されることが多いですが、もちろん芯の部分も可食部分です。
炒め物やおひたしなどに調理されることもありますが、関東では特に雑煮の代表的な具材としてあげられることがあります。
冬に甘みの増す小松菜
寒さに強い小松菜は、冬季に栽培される事が多く、寒冷な気候下で成長します。
寒冷な環境では小松菜の葉に含まれるでんぷんが糖に変わりやすくなるため、冬の方がやや甘味が増すとされています。
現在は年間を通じて流通している小松菜ですが、より甘みを楽しみたいなら旬とされる11月~3月頃に食すのがおすすめとなります。
小松菜という名前
ここからは「小松菜」という名前がどのような経緯で付けられたとされるのかを見ていきましょう。
小松菜と名付けたのは将軍様?!
「小松菜」という名前は、江戸幕府八代将軍・徳川吉宗が命名したという説があります。
それは享保4(1719)年のこと、現在の東京都江戸川区小松川付近に鷹狩りに来た徳川吉宗は、近くにあった香取神社で休憩を取りました。
その時、神主から出されたのが、付近で栽培されている青菜を入れたすまし汁(もちの入った雑煮とも)でした。
徳川吉宗は、このすまし汁に入った青菜をいたく気に入り、神主に何という野菜が入っているのか尋ねました。
しかし、神主からの返答は曖昧なものでした。
なぜなら、当時その青菜は栽培こそされていたものの特段名前は定められていなかったのだとか。
そこで、徳川吉宗が周辺の地名小松川から「小松菜」と命名したというのです。
かつては「葛西菜」と呼ばれていたとも
また、小松菜という名前が定着する以前は「葛西菜」と呼ばれていたともされています。
しかし、当時は『葛西船』と呼ばれる肥やしのもととなるし尿を集める小舟が江戸周辺を回っていたのだとか。
そのため、葛西菜だと「くさい菜」という語呂合わせをされてしまうことから、それを嫌がって生産地であった小松川から「小松菜」という名前に改められたともされています。
まとめ
冬野菜である小松菜の記念日となる「小松菜の日」は、初夏となる5月27日にあります。
これは、「こ(5)まつ(2)な(7)」という語呂合わせからきた記念日なので、小松菜自体の旬とは関連性はありません。