犬の飼い主が絶対にしてはいけない『マンションでのNG行為』5つ マナーを守ってトラブルを回避しよう

2025-01-13 11:00

愛犬との暮らしはとても楽しく、人生を豊かにしてくれます。しかし、周囲に対する配慮やマナーを欠いてしまうと、トラブルに直結します。ご近所とのトラブルは、愛犬のためにもなりません。特に、マンションの場合はご近所との距離が近いため、注意が必要です。マンションで暮らす際に絶対にしてはいけない、犬の飼い主さんのNG行為をご紹介します。

ペット不可の新築マンションは時代遅れ?

大型犬と暮らす家族

1990年代の日本では、犬を飼いたいなら戸建てに住むのが一般的でした。不動産や住宅産業界の市場調査を行う会社の調査では、1998年時点でペット飼育可の新築分譲マンションはわずか1.1%にすぎませんでした。

しかし、2004年に「ペット飼育に関する事項」がマンション標準管理規約の中に盛り込まれたのを契機に、様相が一変します。国土交通省の2018年度(平成30年度)の調査では、新築分譲マンションの9割以上が「ペット可」になっていました。

とは言え、自由気ままに犬を飼育できるというわけではありません。マンション内でのトラブルを避けるためには、飼い主さんが絶対にしてはいけない行為やマナー等に配慮する必要があります。

次章で詳しく見ていきましょう。

犬の飼い主が絶対にしてはいけないマンションでのNG行為

室内で暴れた犬

1.「ペット可」の内容を詳細に確認しない

パンフレットに「ペット可」の記載があるだけでは安心できません。

先にご紹介したマンション標準管理規約は、国土交通省が作成した雛形で、実際にはマンション毎に個別の管理規約があります。別途で、ペット飼育細則等を定めているマンションもあります。

新築分譲マンションの場合も、売主が規約案を作成して購入希望者に見せることになっています。

飼ってはいけない犬種やサイズ、頭数制限などが決められている場合が多いため、必ず管理規約等を詳細に確認してください。

2.バルコニーを専有部分のように使用する

マンションには共用部分と専有部分があり、他の住民と共用する共用部分を好き勝手に使用することはできません。一定のルールやマナーを守る必要があります。

特に気を付けたいのが、バルコニーやベランダです。専有部分を通らないと入れないエリアなので勘違いしがちですが、上下階や隣接する部屋のバルコニーへの避難経路が設置されている共用部分です。

バルコニーで犬に排泄をさせたりブラッシングを行なったりすると、ニオイや飛散した抜け毛で近隣住戸に迷惑をかけることになります。原則として、バルコニーには犬を出さないようにしましょう。

3.感染症予防を疎かにする

感染症予防は、愛犬だけのためではありません。近隣で暮らす他の犬や猫、人への感染拡大も防いでいます。

例えば「日本ではもう狂犬病は発生していない」などの自己判断で定期的なワクチン接種を怠ることは、多くの人に迷惑をかけることにつながります。

4.しつけを疎かにする

マンションに多いのが、騒音トラブルです。過去には、鳴き声でトラブルとなった近隣住民に愛犬が殺され、その報復に飼い主が相手を殺してしまうといった痛ましい事件も起きています。

また、家の中で走り回る犬の足音が階下に響いてトラブルになるケースも多いです。

専有部分にいる時でも、鳴き声や足音には十分な注意が必要です。落ち着いて過ごせる環境づくりや、興奮した時に指示で落ち着かせるためのトレーニングが重要です。

5.近所付き合いを疎かにする

都市部のマンションでは人付き合いが希薄だと思われていた時代もありましたが、大勢の人が暮らしている場所だからこそ、近所付き合いは大切になります。

特に犬と一緒に暮らしている飼い主さんは、上下階や両隣を含め、適切なご近所付き合いで不要なトラブルを回避しましょう。

例えば吠え癖のあるワンちゃんがいる場合、「吠えぐせを治すしつけをしていますので、もうしばらく我慢してください」といった挨拶をしておくことで、トラブルの予防にもつながるでしょう。

トラブルを回避するために心がけたいマナー等

マンションに設置された犬の足洗い場

敷地内でのマナー

マンションの館内はもちろん、駐車場などの敷地内では、基本的に愛犬を抱くか、キャリーに乗せるようにしましょう。

共用部分に粗相をしたり人と直接接触することで起こるトラブルを回避できます。

中・大型犬の飼育が認められ、共用部分を歩かせても良いというマンションの場合も、リードを短く持ち、他の人と犬の間に飼い主さんが入るような形で直接接触する機会をできるだけ減らしましょう。

最近は、エントランスに犬の足洗い場が設置されているマンションも増えてきました。その場合、散歩から帰ってきたら足を綺麗に洗って館内に入るのもマナーです。の際、足洗い場の使い方にも注意しましょう。

粗相の予防に、外出前に必ずトイレを済ませておくのもマナーの一つですが、それでも万が一粗相してしまった場合は、最後の消臭まで含めて綺麗に片付けることが最低限のマナーです。マナーパンツの利用なども考えましょう。

エレベーターでのマナー

基本は、前述の敷地内でのマナーと同じです。しかし、エレベーターは特に狭い場所なので、混雑時は避ける、すでに少人数が乗っている場合は「犬も一緒に乗ってよろしいですか」と確認してから乗るなどの配慮が大切です。

特に、大型犬はどんなにおとなしくても、見ただけで怖いと感じる方もいらっしゃいます。犬が苦手な方の気持ちになって考え、行動することが大切です。

トラブル予防につながるストレスのない暮らし

人から見て問題に感じる犬の行動の多くは、ストレスから現れていることが多いです。そのため、普段の生活環境を整え、愛犬にストレスなく過ごしてもらえるようにすることが、近隣とのトラブル予防につながります。

まとめ

犬連れで引っ越してきた夫婦

マンションの管理規約や細則等は、管理組合等で案を作り、住民の3/4以上の賛成で改訂できます。つまり、飼い主さんのマナー不足や規則違反が元でトラブルが生じた場合、規則が改訂されてより厳しい条件になることもあり得ます。

しかし、飼い主さんが犬を苦手と感じている方の気持ちも配慮し、マナーを守って暮らしていれば、そこまで大きなトラブルにはならないでしょう。愛犬と一緒に気持ちよく過ごせるよう、マナーや周囲への配慮を忘れないようにしましょう。

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