「ささやか」とはどんな意味？「いささか」や漢字を交えた表記が一致する「こまやか」との違いは？

大袈裟ではなく控えめであることを「ささやか」と言います。
形状や規模が控えめであることの表現として使用されます。
しかし、似たような言葉に「いささか」や「こまやか」もあってこんがらがりやすいかもしれません。

そこで今回は「ささやか」という言葉について解説します。
ここでは似たような言葉との違いも説明するので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

「ささやか」とは

まずは「ささやか」の意味について見ていきましょう。

「ささやか」の意味

「ささやか」とは形状や規模が大げさではなく控えめな様子のことを言います。

プレゼントやお茶菓子などで頻繁に使用される言葉です。
また、贈り物だけでなく催し物などでも使用される表現です。
その場合は謙遜の意味を含めて使用されます。

ただ、逆に形ばかりで粗末な様子を意味することもあるので使用する際には気をつけておきたいです。
併せて、僅かな様子を意味する点にも注意しましょう。

「ささやか」の例文

「ささやか」は謙遜して使用することがほとんどです。

「ささやかながら……」
「ささやかなプレゼントですが」
「ささやかなお茶菓子ですが」

このようにプレゼントを贈る際やお茶菓子を出す際に謙遜として使用することがほとんどとされます。
基本的には自分の贈り物や催し物を謙遜する表現として使用するのが特徴です。

例えば「ささやかな送別会」「ささやかな歓迎会」と表現すれば「豪華ではないけれど」というニュアンスとなります。
そうした謙遜の意味で使用する言葉として覚えておきましょう。

ただ、相手からの厚意や親切に対して「これはささやかですねぇ」と言うのは失礼に当たるので気をつけてください。
使用する状況によっては取るに足らないという意味にもなるので注意したいです。

くれぐれも「ささやか」は自分に対して使用するだけにとどめておきましょう。

漢字表記は「細やか」

「ささやか」の漢字表記は「細やか」となります。
実際に「ささやか」は細かくて小さな事柄を意味します。

つまり「ささやか」は「ささ（細）+やか」から成り立っている言葉ということです。

表記が全く一緒になる「こまやか（細やか）」との違い

ここからは漢字表記がまったく同じ「こまやか」について見ていきましょう。

「こまやか」とは

「ささやか」の漢字表記は「細やか」となります。
しかし、これは「こまやか」と読むこともできます。

その場合、意味が違ってくるので注意したいです。

実際に「こまやか」は1つ1つが微笑な様子を言います。
粒子という点では霧や色の濃度も意味することがあります。

また、肌の美しい様子の表現として使用されるのも特徴です。
それだけでなく、隅々まで行き届いている様子も言います。
その場合、心を込める様子や情の厚い様子も含まれます。

さらに、洗練された味わいや趣についての表現としても使用されるなど「こまやか」は非常に幅広い意味を持つ言葉です。

「ささやか」と「こまやか」の違い

「ささやか」と「こまやか」は漢字表記こそ同じでも意味は違います。

「ささやか」はつまらないものというような意味があります。
逆に「こまやか」は細部までこだわっている意味が含まれるわけです。

「こまやか」は雑多であることを意味することもありますが、原則としては配慮が優れていることを言います。
そういった点では「ささやか」とは意味も異なる表現と言えるのではないでしょうか。

むしろ「ささやか」は謙遜して使用する場合がほとんどです。
そのため、用途の幅広さなら「こまやか」の方が万能と言えるかもしれません。

その点で両者は意味も異なるのできちんと使い分けましょう。

「いささか」との違い

最後にこれまたよく似た「いささか」との違いについても見ておきましょう。

「いささか」とは

「いささか」とはほんの少しという意味を持つ言葉です。
僅かな様子を意味するというところは「ささやか」にも似ているのかもしれません。

ただし「いささか」は数量や程度が少ないことを意味します。
そのため「ささやか」とはまた別物の表現となるでしょう。

例外として「いささか」はかりそめであることも意味します。
その点でも両者には違いがあると言えるはずです。

「いささか」の例文

「いささか」は「いささか疑問である」のように使用します。
この場合、少しばかり疑問に思っている様子を意味します。

また、謙遜の意味で「いささか勉強していただけです」というように表現することもできるかもしれません。
この場合、少し勉強していただけという意味となります。

まとめ

「ささやか」は贈り物や催し物に対して謙遜する言葉です。
その多くは「ささやかなものですが」と付け加える形で使用します。

これらは相手に使用すると失礼に当たるので注しましょう。
また、似たような言葉に「いささか」や「こまやか」があるので、きちんと使い分けられるようにしておくと安心です。