果汁に糖類を加えて凍らせた氷菓、それが「シャーベット」です。
これは日本でも愛されているスイーツの一種となります。
デザートとしても食べられる氷菓と言えるでしょう。
今回はそんな「シャーベット」について解説します。
併せてその成り立ちについても説明します。
「シャーベット」とは
まずは「シャーベット」について見ていきましょう。
シャーベットはこんな氷菓
「シャーベット」は果汁に糖類を加えて凍らせた氷菓とされます。
つまり、果物を絞ったものに糖類を加えたデザート、それが「シャーベット」となるわけです。
日本では手軽なスイーツとしてすっかり定着しています。
ただ「シャーベット」にもいくつか種類があり、乳脂肪分や乳固形分を含むものもあります。
そのはじまりは古代文明の時代まで遡る!?
「シャーベット」は古代文明の時代にはすでに生まれていたと考えられています。
例えば、殷代中国や古代エジプトにはすでに存在していたとか。
他にも古くからローマやアラブに存在していたものと言われています。
事実、ローマでは皇帝が万年雪を運ばせて作らせたのだとか。
また、アラブでも「千夜一夜物語」に冷たい飲み物として登場するようです。
そんな古代世界では貴族層や富裕層の食べ物だったとされます。
それでいて健康食品として利用された例もあるなど、幅広く愛されていた氷菓と言えるのではないでしょうか。
「シャーベット」の語源はアラビア語!?語源を同じくするものとは
ここからは「シャーベット」の由来について見てみましょう。
「シャーベット」の語源
「シャーベット」の語源はアラビア語やトルコ語にあります。
特に果物などから作ったシロップを水で薄め、砕いた氷を入れて冷やした飲料を意味するアラビア語「シャルバト」から来たとか。
この言葉はアラビア語でジュースなどの飲み物を意味します。
また、トルコ語「シェルバット」に由来するとも言われています。
この言葉はアラビア語で飲むことを意味する「シャリバ」から来ているのだとか。
つまり、もともと「シャーベット」は冷たいドリンクを意味していたと言えるでしょう。
そこから氷菓として各国で変化していったとされています。
語源が同じ「シロップ」
「シロップ」は「シャーベット」と由来が同じとされています。
これはアラビア語で飲み物を表す言葉「シャラーブ」から来ているそうです。
そのため、成り立ちが「シャーベット」と同じです。
語源が同じ「ソルベ」
「ソルベ」も「シャーベット」と由来が同じとされています。
これもアラビア語で冷やした飲み物を表す言葉「シャルバート」から来ています。
そのため、成り立ちは「シャーベット」と同じです。
原型となったとされる「シェルバット」は今もトルコで飲まれる
「シャーベット」の原型となった「シェルバット」はトルコなどで今でも飲まれているそうです。
「シェルバット」はこんな飲み物
「シェルバット」はトルコで今も愛されている飲み物の1つです。
かつてこの言葉は氷で冷やした飲み物を意味していたとか。
それが現代にも残り、デザートとされているようです。
特にトルコでは現代でも氷菓の一種として飲まれているスイーツとなっています。
「シェルバット」は格式高い飲み物?
「シェルバット」は現地では宝石のように綺麗な色をした甘く冷たい飲み物を言います。
実際にはちみつやフルーツだけでなくスパイスやフラワーなどで飾るところから、豪華な飲み物とされているのだとか。
その見た目から現地では格式高い飲み物とされた歴史もあるそうです。
特にオスマン帝国時代によく飲まれたスイーツだったとか。
中でも「シェルバット」は特別な時に振る舞われる飲み物だったと言われています。
当時は皇帝に男児が生まれると「シェルバット」が振る舞われました。
また、産後3日目には帝国の大宰相にも「シェルベット」が贈られたとされています。
それらの風習から「シェルバット=格式高いもの」となりました。
ちなみに、当時の「シェルバット」は金や銀やクリスタルでできた器に注がれ、お祝いに訪れた人にも振舞われていたとか。
ラマダンの時期に愛飲される飲み物とも
現地では今でも「シェルバット」が飲まれています。
中でもラマダンなど特別な日に飲む風習があるとか。
ラマダンとは約1ヶ月断食するイスラム教徒の行事です。
そのラマダンの期間中、太陽が出ている間は何も口にしてはいけません。
そのため、敬虔なイスラム教徒の方にとっては過酷な期間となります。
しかし、そんなラマダンに一服を与えてくれるのが「シェルバット」となります。
そうした意味でも現地に根付いている文化の1つと言えるかもしれません。
まとめ
「シャーベット」は果汁を凍らせたスイーツの1つです。
日本ではデザートとして食べることも多々あります。
そんな「シャーベット」は古代から存在した冷たい飲み物によって生まれた氷菓とされています。
昔は王族などが飲むほど高貴なものだったのだとか。
みなさんも「シャーベット」をいただく機会があれば、そんな歴史についても思い浮かべてみてはいかがでしょうか。