無理強いされる状況を指す「いやおうなしに」。
これは漢字表記だと「否応なしに」となります。
この表記こそ、「否応なし」の意味そのものズバリ指したものとなっています。
ここでは、そんな「いやおうなしに」について解説します。
「いやおうなしに」とは
まずは「いやおうなしに」の意味について見ていきましょう。
「いやおうなしに」の意味
「いやおうなしに」は、選択肢がない半ば強制された状態で物事を行う(行わせる)ことを意味します。
本来、物事は自分の意思で選択することが可能です。
しかし、それができない状態を指しあわらしている表現となります。
そこにもともと賛成していたり、実際には反対であるとかは関係ありません。
善であるか悪であるかも関係ありません。
自身で選ぶことができない様子を指した言葉となるのです。
「否定」も「肯定」もできないから「否応なし」
「いやおうなしに」の漢字表記は「否応なしに」です。
「否」は拒否、「応」は賛同をあらわしています。
いいも悪いも言わせない、選択肢が無い状況となりますので、当事者の意見は無視して物事を強引に進める際などに使われる言葉になります。
「いやおうなしに」の使われる場面
では「いやおうなしに」はどのような場面で使われるのでしょうか?
ここからは「いやおうなしに」がどのようなシーンで使用されるのかをまとめます。
強引さをにじませる際に用いられる
「いやおうなしに」は、強引な状況を指して使用される言葉です。
当事者が承知しているも承知していないも関係ありません。
やりたいかやりたくないかなども関係ありません。
相手に文句を言わせないといった状況でも用います。
そのため「強制する・強制される」ようなニュアンスがあります。
例えば、強引に行きたくない遠出に付き添わされたとします。
本来、出かけるのは当人の意思次第のはずですが、強引に連れ出されたら出かける出かけないの選択肢はもとよりなかったという事になります。
そのような状況を指して「いやおうなしに連れ出された」などと表現することができます。
これは仕事などでも同じことが言えます。
特に目上の人(両親・上司・先輩)が、目下の人(子供・部下・後輩)に強制する際に使用される言葉です。
「いやおうなしに」の類義語
ここからは「いやおうなしに」の類義語を見ていきましょう。
主に「いやおうなしに」の類義語には「有無を言わせず」や「渋々」などがあります。
有無を言わせず
「有無を言わせず」は、物事を強いることを指します。
そこに好む好まざるは考慮されません。
「いやおうなしに」と同様、承知不承知を度外視して強要することをあらわす言葉です。
渋々
「渋々」は、嫌々ながら行動する様子を指した言葉です。
不本意ながらも仕方なく受け入れることを意味します。
特に本人の意思に反するというニュアンスが強い表現です。
まとめ
「いやおうなしに」の漢字表記は「否応なしに」となります。
これは、良いとも悪いとも言わせない状況をあらわす言葉です。
有無を言わさず選択肢がない状況から行動をとらせる様子を表現しています。
自分の意思や相手の意思に関係なく、行動を強制させているということになります。