![岸田政権 支持率23.7% 過去最低を更新 「ポスト岸田」レースに急浮上したのは?【news23】](/assets/out/images/jnn/982851.jpg)
最新のJNNの世論調査で、内閣支持率が23.7%と政権発足後、最低を更新した岸田政権。「ポスト岸田」レースでは変化も起きています。
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支持率23.7% 政権発足後の過去最低を更新
本格論戦を前に野党は…
立憲民主党 安住淳 国対委員長
「全容解明しようっていう誠実さが 全く感じられない」
派閥の裏金事件をめぐり、5日朝、自民党が提示した「議員のリスト」。
野党側は、政治資金収支報告書に不記載のあった議員の一覧の提出を予算委員会を開く条件としていましたが、日付や支出の具体的な記載がなく「不十分だ」と批判したのです。
結局、予算委員会は1時間ほど遅れて始まりました。
裏金事件をめぐっては、自民党幹部が安倍派や二階派などの議員に対して、不記載に至った経緯や使い道などを聞き取っています。
岸田総理
「今週中をめどに聴き取り作業を終え、外部の第三者による、とりまとめを予定しております」
また自民党は、5日から党所属の国会議員を対象に過去5年間で政治資金収支報告書に不記載がなかったか聞くアンケートを始めました。
2月8日に回収すると書いてあり、岸田総理は「来週早々にもとりまとめる」としています。
自民党が裏金事件への対応に追われる中、政権への逆風は収まりません。JNNの世論調査で、岸田内閣を支持できるという人は、23.7%と政権発足後、過去最低を更新。自民党の支持率も下落しました。
「ポスト岸田」トップ3に変化も…
こうした中、「ポスト岸田」レースに異変も…。
これまで次の総理に相応しい人で不動のトップ3を占めてきた3人に代わり、3位に急浮上したのが…
麻生副総裁
「このおばさんやるね、と思いながら。この間ニューヨークで会ったけど、少なくともそんなに美しい方とは言わんけれども」
麻生副総裁に外交手腕を高く評される一方、年齢や容姿を揶揄され、注目された上川外務大臣です。
閣僚経験者
「麻生さんの発言で知名度が上がった。総裁候補として麻生さんもキングメーカーになる保険をかけたんじゃないか」
裏金事件を受け、自民党内のパワーバランスはどう変わっていくのでしょうか。
自民党全議員を対象に「アンケート調査」
藤森祥平キャスター:
政治とカネを巡るこの疑惑について、自民党が全議員を対象にアンケートを2月5日始めました。「派閥による政治資金パーティーに関する全議員調査」です。
内容としては、▼回答議員名、▼「派閥による政治資金パーティーに関し、本来、議員側の支部・関係政治団体の政治資金収支報告書に記載するべきであった収入の記載漏れ」の有無、▼「あった」場合、過去5年間の記載漏れ金額(不記載額)。
以上を、岸田総理はこのタイミングで「来週の早々に取りまとめる予定」だと言っている。このアンケートで新たな記載漏れが発覚した場合は、党が個別のヒアリングを進めていく、と。
小川彩佳キャスター:
あくまでも、これがベースとなるアンケートだということですね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
これはもう1か月前にはわかってるデータですよね。ですから、何をいまさらということですし、いま焦点は、「この裏金キックバックがどういうふうにして起きたか」という“経緯”、それから「何に使われたか、脱税絡みではなかったのか」というところにも焦点は移ってるのに、今更、ということなので、これを最低限のデータとして、さらに踏み込んだ調査をしていく、ということが求められると思いますね。
プチ鹿島さん:
見事な「やってる感」ですよね。ていうか「やってない」ですよね。これから個別ヒアリングをアンケートの最初のところで引っかかった人に聞いていく、というのかもしれないですけど、やっぱり最初の時点で「裏金は何使ったんですか」とか、聞いて欲しいですね。
そこがない、というと本当に自浄作用はできないんだろうな、と。
「ノルマ」半減も口外せず“中抜き”か
藤森キャスター:
一方、星さんの独自取材で、政治資金収支報告書に不記載があった安倍派や二階派の議員らに、森山裕総務会長ら幹部による聞き取り調査が行われている、と。
その中で、このような話があったそうです。
2021年~2022年頃、安倍派の中ではコロナ禍で政治資金パーティーを対面で開催することが困難になった。そこで当時、清和会の細田会長から「(コロナ禍のため)パーティー券のノルマを半分にしよう」という話が出たそう。パーティー券というのは、これは企業に売るものですが、ある議員は、「ノルマが半分になったということを口外しないで欲しい」と言ったそうです。
星浩さん:
要するに、企業側が「ノルマ半分だったら、うちだって半分でいいじゃないですか」ということになるので、企業側には言わないようで欲しい、と。ノルマは実際には半分になったんです。
そうすると議員たちはどうしたかというと、派閥に納めるノルマが200万円の人は100万円に。残りの100万円をなんと自分のポケットに入れ、“中抜き”をしていた。
どうもこのやり方で安倍派の人たちの一部は味をしめたんですね。それで「こういう形でどんどんそのピンハネができるんだ」というのが積もっていき、どんどん対象も広がっていった、というのが今回の裏金の一つのポイントだと思います。
プチ鹿島さん:
自覚はあったわけですよね。
星浩さん:
もちろんあったんですね。ということは、この「ノルマを外に言わないでくれ」っていうのはどうも悪いことをやってるっていう自覚があったんです。
それから、会計責任者とか秘書に任せてるんじゃなくて、その議員本人がやっぱり自覚があった、ということの表れなんですね。
プチ鹿島さん:
それをアンケートで聞かないといけないですよね。
小川キャスター:
本来は自分たちで明らかにしなきゃいけないのに、それを秘書や事務所スタッフに任せていたという話をしているわけですよね。
星浩さん:
今までは、検察の調べにそういうこと言ってたんですが、今回その政治家同士の調べだったものですから、ちょっと“口が滑った”というか、“本音が出た”っていう面も出てきたようですね。
アンケートは入口に過ぎない 今後の展開は
プチ鹿島さん:
僕が気になるのは、「森さんが会長の時代から、長くやってたんじゃないか」と言われてるじゃないですか。それ考えると、例えば昭和の頃は保守本流っていうのが竹下派とか宏池会とか、そこにいろいろ抑えられていて、業界団体とか。いわゆる清和会って、お金を集めるのがあんまりうまくなかったんじゃないか。
星浩さん:
キックバックのやり方自体は昔からありましたが、量は全然なくて。やはり、小泉・安倍と政権派閥を握った段階で、裏金がぐっと増えていく、ということが実態ですよね。
プチ鹿島さん:
つまり、人気のある首相を出したことによって、急に「メジャーな派閥を目指そう」ということになったことによって、「パーティーというのは、いい集金力になるんじゃないか」と気づいたのか。
星浩さん:
それによって派閥の数を増やす、それから巨大派閥の維持に使う、ということに充てられたわけですよね。
プチ鹿島さん:
そうなると森さんの時代から、というのは。
星浩さん:
そのノウハウとしてはあったんですけど、額が急速に増えたのは小泉・安倍政権、とりわけ第2次安倍政権ですね。
小川キャスター:
そして今回、浮き彫りになったというわけですが、今後のポイントは?
星浩さん:
今回のアンケートは、入口に過ぎないわけですね。先ほど申し上げたように「裏金の経緯」や、「使われ方」ですね。まだまだ未解明なとこがありますので、それについてこれから予算委員会を中心に関係議員、参考人招致や証人喚問だとかいうことになりますし、これだけ悪いことやってたということも明らかになったわけですから、岸田さんが「総裁としてその処分をどうするのか」。
役職停止か、除名か、離党勧告とか、場合によっては議員辞職勧告とか、そこまで踏み込むかどうか、というので、まだまだハードルは次々残っているということですね。
プチ鹿島さん:
でも国会ってそういう調査の場でもあるから、そこは利用しないといけないですね。
星浩さん:
国政調査権というのがありますからね。
小川キャスター:
そして、この間に岸田総理が火の玉となって信頼回復をしていくのか、その覚悟はどう示されるのか。
星浩さん:
そうですね、なんか本人は「火の玉」と言ってましたが、どうも5日の予算委員会での答弁を聞いてると、ややもう“逃げ腰”という感じの様子が、もうありありとなってきましたね。