先月、突然終了した高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」。預けていた多数の腕時計がサービス終了前に市場に流出していたことが新たに分かりました。利用者は、怒りの声を上げています。
【写真を見る】預けていた腕時計が…「トケマッチ」サービス終了前に市場流出も 「説明責任果たしてほしい」利用者から怒りの声【news23】
未返却の腕時計は約900本・総額約19億円にも
取材に応じた男性は、購入時1本50~100万円以上はしたという高級腕時計を預けていました。
トケマッチに腕時計を預けた人(30代)
「基本的には私は、ロレックスがメイン」
Q.トケマッチに預けたのは何本でいくら
「12本預けていて、金額で言うとだいたい2000万円ほど」
男性が利用していたのは、高級腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」。
腕時計をオーナーから預かり、月額制で貸し出します。オーナーには腕時計の評価額に応じて、トケマッチ側から月々預託料が支払われる仕組みでした。預託料は、腕時計がレンタルされたかどうかにかかわらず振り込まれるといいます。
トケマッチに腕時計を預けた人(30代)
「他のサービスで似たような時計のレンタルがあったが、そちらに比べて、レンタルされなくても預託料が払われるっていう点と、預託料自体がそちらのサイトに比べて何倍も高かった」
しかし1月31日、突然サービスを終了するとし、運営会社の解散を発表しました。
社会人になったのをきっかけに、年に1本ずつ買い足していったという男性。トケマッチは2年前から、おそるおそる利用し始めたそうですが…
トケマッチに腕時計を預けた人(30代)
「(預託料の)遅延等が1回でもあったら『危ないな』というところだったが、そういった兆し等が見えなかったので、正直僕個人としても安心してしまっていた」
トケマッチをめぐっては現在、複数のオーナーが怒りの声をあげています。
腕時計を預けた人
「非常に腹立たしい。騙されたという思い」
「会社は全く連絡がつかない状態。何も説明せずに逃げるのは卑怯なんじゃないか」
オーナー約190人による対策本部によると、27日時点で約900本、あわせて約19億円の腕時計が返却されていないということです。
預けた腕時計がオークションに…返却や損害賠償どうなる?
さらに受け入れがたい現実が、男性に突きつけられます。
トケマッチに預けていたはずの1本の腕時計が、都内にあるブランド品買い取り大手「バリュエンスジャパン」が運営するオークションサイトに出品されていたというのです。
トケマッチに腕時計を預けた人(30代)
「画像を最初に見て、なんか見覚えのある…久しぶりに見たぞ、この写真はと思ったのが最初のインプレッション。こういったかたちで対面するとは思っていなかったので、いろんな気持ちがぐるぐる回った」
バリュエンスジャパンは13日、ホームページに問い合わせ窓口を設置。28日時点で、約700本の腕時計について相談があったといいます。
27日時点で、少なくとも20本以上のシリアルナンバーと、自社の販路で扱っている腕時計が一致。この20本のうち半数は、トケマッチが終了する前に流通していたということです。
シリアルナンバーが一致した腕時計については、警察が被害届を受理すれば、警察を通じて返却していく予定だとしています。
また、トケマッチをめぐって、シェアサービスの取引を仲介する企業で作る業界団体には、現在121件の相談が寄せられています。
トケマッチ側は、オーナーに6か月を目安として腕時計を返却し、返却が難しい場合は損害賠償するといいます。
トケマッチに腕時計を預けた人(30代)
「まず社長が、どういう状況なのかも含めて説明責任を果たしてほしいというのが個人としての思い」
腕時計がオークションサイトに出品されていることについて、トケマッチ側は私たちの取材に対し、28日までに「折り返しご連絡を致しますが数日お時間をいただく場合がございます」と回答しています。