![「僕の脳は最強です」51歳のレジェンドジャンパー葛西紀明、現役を長く続けるための秘訣と苦悩明かす](/assets/out/images/jnn/1026083.jpg)
2月に4年ぶりとなるW杯出場を果たしたスキージャンプの葛西紀明(51、土屋ホーム)。自身が持つギネス世界記録でもある、ワールドカップ最多出場記録を「571 試合」に更新し、最年長出場記録も「51歳257日」に伸ばしている。4季ぶりの海外戦となる1日からのW杯(フィンランド)に出場予定で、さらなる記録更新が期待される。
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16歳での世界デビューから36年。51歳となった葛西は今でも「まだまだできるなっていう気持ちでいますね。進化しないとこの世界で戦っていけないんじゃないかなと思うのでちょっとずつ進化できてるんじゃないかなと思います」と話す。いまなお進化を続ける驚異の51歳・葛西の活躍について、同年代の50代男性に街中で聞いた。
53歳:
「自分と変わらない歳ですごいですよね、赤いちゃんちゃんこを着るまでずっとジャンプを続けてほしい」
50歳:
「同年代でこういう人がいるのは勇気をもらえる」
52歳:
「私とほとんど歳が同じですよね、それで大会で優勝するのは信じられない。やっぱりそれはもう常人にはできないことなので尊敬します」
同世代の声に葛西は「こういう声が聞きたいんですよ僕。よくこういう素晴らしいインタビューをしたなと思いますね」と笑顔。「私たちには定年がありますけど、葛西選手は定年は考えてますか?」という質問には「驚かすことが好きなので、60歳になっても飛んでいる葛西紀明、いや60超えてもやる。もう日本どころか世界の人たちがおおお!ってなると思うんですよね」と葛西。前人未踏の域へまだまだ挑戦を続けるつもりだ。
「僕の脳は最強です」現役を長く続けるための秘訣
目指すは60歳の還暦ジャンパー。しかし年齢からくる悩みもあるという。「減量が辛すぎますね。3日間断食して午前午後トレーニング、水とブラックコーヒーしか飲まないという。それでもやっぱり50を超えたら体重が落ちにくいんですよ。いつになったら落ちるの!?みたいな(笑)なので今は長いスパンを使って断食じゃなく、少しづつ食べながら落としていくっていう方法に変えていって」と毎日が年齢との戦いだ。
しかし葛西には現役を長く続けるためのある秘訣があるという。「1番は対応力。なんにでもすぐ対応して、なんにでも練習に変換してしまう。これをやってダメなら次これをやるっていうのを先の先まで考えながらやれる男なので、多分僕の脳はめちゃくちゃ早くいろんなことを考えている脳だと思うんですよね」と語る。
「去年初めて脳波を検査してもらって『こんな脳は今まで見たことない!』って先生に言わせてやりましたよ(笑)僕の脳は最強です」と明かした。
進化のためならどんなことも取り入れる柔軟な対応力を持つ葛西。目標は「完璧なジャンプへ近づけて、そして小林陵侑を負かす」ことだという。51歳のレジェンドが再び世界に挑む。
■葛西紀明(かさい・のりあき)
1972年6月6日生まれ 北海道下川町出身 身長:176センチ 体重:57キロ
ワールドカップは東海大四高1年の1988年に初出場、W杯2013‐2014を41歳7か月で最年長で優勝。冬季五輪出場は日本勢最多の8回となる。“ワールドカップ最年長優勝”や“冬季五輪スキージャンプ最年長メダリスト”ほか5つのギネス認定記録を持つスキージャンプ界の“レジェンド”。