去年1年間に、全国の税関が輸入を差し止めた偽ブランド品などの輸入品が105万件を超えました。プロの鑑定人でも見分けが困難なスーパーコピー、通称「N級品」の流通を防ぐため、学習させた正規品データと照合するAI鑑定が導入されています。
【動画】「鑑定士でも見分けつかない」スーパーコピー品まで… 偽ブランド品などの輸入差し止め増加、87.3%は中国から【Nスタ解説】
■偽ブランド品などの輸入差し止め増加 「鑑定士でも見分けがつかない」
日比麻音子キャスター:
AIで鑑定をしているというぐらい、偽ブランド品が増えているわけです。
財務省によりますと、全国の税関で知的財産侵害で差し止めた輸入品は2023年、105万点を超えていて、前の年と比べても19.7%増加しています。
どういったものがあるのかというと、高級ブランド品や大谷選手のユニフォーム、人気キャラクターのグッズなど。全体のうち87.3%は中国からのものだったということです。
知的財産侵害調査会社の「IPフォワード」分部悠介総代表にお話を伺うと、偽ブランド品には等級があり、
A級:素人でもわかる
S級:素人では見分けがつかない
N級:本物に非常に近い
そうです。
N級に関しては、「部品の一部に本物を使うなど巧妙に作られており、鑑定士でも見分けがつかないケースが増えている」ということでした。
■フリマアプリで購入した高級ブランドのバッグは…
実は、番組スタッフにもこんなことがありました。
ずっと欲しいと思っていた高級ブランド「LOEWE」のバッグがあり、4年前、フリマアプリで「本物です」と書いてあったものを購入をしたそうです。
色々と調べ、定価37万7000円のものが、未使用・ほぼ新品で2万3000円で買えるということで「これは大変お得だ」と思い、購入したそうです。
このバッグを鑑定してもらったところ、偽物でした。KOMEHYOの担当者は「AI鑑定するまでもなくこれは偽物です」ということでした。
本来、本物であれば、数年使ったとはいえ裁断面の塗料が剥がれたり、縫合が雑で糸が飛び出るなどということはなく、これは偽物だということなんです。
井上貴博キャスター:
ブランド品に限らず、情報化社会で情報格差がこれだけなくなってると、一つ一つの情報の真偽をどう確かめるかっていう千里眼が完全に問われてるなって思うんですよね。
■偽ブランド品を買った場合、法律ではどうなる?
偽ブランド品を買った場合、法律的にどのような対応になっていくのか、永沼よう子弁理士に伺いました。
国内で買った場合(販売店、フリマサイトなど)、偽物と知っていても知らなかったとしても、罪には問われません。ただし、他人に売ったり転売目的で買ったりすると、「商標法違反」になるということです。
海外で買った場合(日本に持ち帰る場合)、偽物と知っている場合は、「関税法違反」になり、罰金などがあります。一方で、偽物と知らなかった場合でも、「関税法違反」になります。故意でなければ罰金などはなしということになりますが、いずれも没収されるということです。
買うときの注意点を伺うと、「“本物”の見極めが難しい商品の購入取引は避けるべき。見極めができる鑑定士のいるお店や正規ルートで購入を」と話していました。
井上キャスター:
9割ほどが中国からということです。もちろん法律やルールの枠組みをしっかりするというところはありますが、一つ一つの情報をどう取って、自分の身をどう守るかというところに尽きる気はします。
産婦人科医 宋美玄さん:
ブランドに関しては正規店で買うのが一番安全かなと思うので、ちょっと怪しいルートのところでは(買うことは避けて)ね。買ってしまったら何か犯罪になるかもしれないということで、(気持ちを)引き締めていきたいですよね。