「能登に寄り添って」福島のスケボー少年が見た“能登の被災地” 初の災害ボランティア活動「少しでもいいから役に立ちたい」【つなぐ、つながる】【news23】

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2024-03-09 15:05
「能登に寄り添って」福島のスケボー少年が見た“能登の被災地” 初の災害ボランティア活動「少しでもいいから役に立ちたい」【つなぐ、つながる】【news23】

東日本大震災「つなぐ、つながる」プロジェクト。スケボーを通じて町を盛り上げようと活動する平澤太一さん17歳。福島県・いわき市に住む高校生です。2月、能登半島地震の被災地でボランティア活動をしてきました。東日本大震災当時はまだ4歳。津波で祖父を亡くしましたが、初めて目の当たりにした大地震の被害に何を感じたのでしょうか。

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福島の17歳少年「祖父のためにも」

太平洋に面する町、福島県いわき市の薄磯地区。開かれていたのは、スケボー教室。指導しているのは平澤太一さん(17)、いわき市に住む高校生です。教室にはボランティアとして参加。

平澤太一さん(17)
「僕がスケートボードが好きというのもあって、子ども達に薄磯の魅力を知ってもらうという目的があるので、その魅力を知ってもらいつつ、スケートボードを楽しんでもらえたら」

太一さんは、薄磯地区を盛り上げようと活動しています。そこには、特別な思いがありました。

平澤太一さん(17)
「薄磯の地で、祖父がかまぼこ工場を経営していて、その祖父が東日本大震災で亡くなって」

13年前、ここには約9メートルの津波が押し寄せました。薄磯地区の被害はいわき市内で最も多く、太一さんの祖父も犠牲となりました。

平澤太一さん(17)
「“祖父のためにも”という思いもあるし、もうずっとゆかりがある場所。薄磯という町がどういう魅力があるのかを人に知ってもらいたい」

一方、こんな思いも。

平澤太一さん(17)
「薄磯がこんなに綺麗になっているけど、能登の人達はまだまだ先も見えないし、不安な気持ちがずっと続いていると思う」

福島の17歳少年 能登で見たもの

能登半島地震の発生から1か月余り経った2月初旬。太一さんは被災地、石川県にいました。被災地入りした理由はボランティア活動です。

スタッフ
「珠洲市入られたことある方います?」

災害の現場は初めてとあって、緊張した面持ちです。

平澤太一さん(17)
「祖父を亡くしたという経験があるので、そのときは何もできないし、記憶も全くない。助けるとかではなかったんですけど、いま17歳になって、人の役に立てる歳、体力的にも。少しでもいいから役に立ちたい」

福島の17歳少年「能登に寄り添って」

この日の活動は、被災した家の片付け。

平澤太一さん(17)
「初めて2階を見た時は本当びっくりして、こんな感じなんだと。どこから手をつければいいのかなみたいな、そういう状況でした」

震度6強の揺れと、津波にも襲われた珠洲市。9割以上の住宅が被害を受けました。

こちらの家は、倒壊は免れましたが…

家主
「あの強い音も、2階のタンスの倒れる音やったんかなと思って。(夫と)2人で1回してみようかねと言って、タンスを持ち上げたんですけど、とっても重たくてできなくて」

そのタンスも運び出すことができました。

平澤太一さん(17)
「これ大切ですか?」

スタッフ
「着物系な気がするね」

大切に残しておきたいものと、いらないもの。丁寧に選別していきます。

家主
「これも全部、中身いるんです」

スタッフ
「反物かな?」

家主
「生まれ変わったら編み物の先生になりたい」

作業開始から約2時間、片付けが終わりました。

家主
「本当に、思った以上に片づけていただいて、本当に感謝しております」

すると、太一さんから…

平澤太一さん(17)
「ボランティアの態勢がもっと整ってきたら、どんなことが必要になると思いますか?」

家主
「やはり、まずお家の片付けだと思うんです。これだけでも、ものすごく気持ちがね、この辺に重たいものがありましたので、片づけていただいたらとてもすっきりしましたし、前へ進む力が全然違ってくる」

平澤太一さん(17)
「ちょっとでも助けになれたらいいという気持ちで来たので、本当に手伝わせてくれてありがとうございます」

被災地に足を運んだからこそ感じたこと。太一さんは今回の活動を記録していました。

<太一さんの活動記録より>
珠洲市に着いてみると手つかずのところも多く、テレビや新聞では伝わらない部分がたくさんあると思いました。とても急な階段を上って、2階部分の片づけをしました。思い出の品を本当に片づけてしまっていいのかと、複雑な気持ちになりました。「自分達はそれほどでもなかった。もっともっと大変な人達がいる。先にお手伝いに来てもらって申し訳ない」
声を上げることすらためらっている人達の声を、大切に受け止めること。これから継続して、今の自分に出来ることを実行し、寄り添っていこうと考えています。

福島の17歳少年「能登を勇気づけたい」

石川県から帰ってきた太一さん。この日、友人とスケボーをしていました。休憩中、話題はボランティアのことに…

友人
「全然被害残ってたでしょ」

平澤太一さん(17)
「ひどいね。手つかずの場所がいっぱいあるから、それは行ってみないとやっぱわかんない」

友人
「確かに俺も東日本大震災被災者だけど、記憶があんまりないから、震災を現場を見ることも大切かなと思うから、俺も1回行ってみたいなと思う」
「東日本でもね、助けてもらったから。こっちは、福島は、色んな人に。だから石川にも」

太一さんの目標は、この広場で音楽イベントを開催すること。自慢の薄磯を盛り上げようと活動を続けます。

平澤太一さん(17)
「(震災から)13年たったいま、こういうすごく被害があった場所でも、新しい魅力が出来て、そこに魅力を感じる人達もいっぱい出てきて。13年経ったら『こういう町になるんだよ』と、薄磯を通して知ってもらいたい。これからどんどん薄磯を盛り上げて、能登の人達も勇気づけられるような街にしていきたいです」

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