新たな門出を祝う卒業式。「定番」とされる卒業ソングに、世代間ギャップがある事が判明しました!あなたが歌ったのはどの曲?解説です。
【写真を見る】思い出“卒業ソング”に変化 10代人気1位「旅立ちの日に」40代は「知らないです」 世代間ギャップを調査した【Nスタ解説】
卒業ソングに世代間ギャップ!「旅立ちの日に」知ってる?
南波雅俊キャスター:
“思い出の卒業ソング”を世代で見ていくと、10代から30代まではトップが「旅立ちの日」です。そして、10代・20代・30代の3つの世代でランクインしたのがレミオロメンの「3月9日」です。
卒業ソングについては、世代間ギャップがあるということです。30代の人は「卒業式の歌って『旅立ちの日に』以外あるの?」という一方、40代の方からは「何それ?聞いたことない…」という意見もあります。
では、どうして「旅立ちの日」が卒業式の定番になったのでしょうか。この曲は埼玉県秩父市立・影森中学校の音楽の先生がわずか15分で作曲して校長先生が作詞したもので、1991年に卒業生を「送る会」で先生たちが披露しました。
この音楽の先生と著名な大学教授の松井孝夫さんが知り合いで、「これはいい曲じゃないか」となり、先生向けの月刊誌「教育音楽」に楽譜が載ったそうです。
「合唱向けの楽譜が掲載されて歌う学校が増えた」という成り立ちがユニークだったので、メディアでも紹介されるようになり、2000年代には卒業式の定番ソングになりました。歌ったか歌っていないかの“境目”は40~42歳くらいではないかということです。
なぜ卒業式に最新ヒット曲?
レミオロメンの「3月9日」がランクインしていますが、J-POPやヒットした曲が歌われるようになったきっかけもあります。
ヒット曲が卒業式で歌われるようになったきっかけは、海援隊の「贈る言葉」(1979年)だそうです。卒業式や謝恩会で合唱する学校が増えたのは1980年代でした。時代背景として80年代は荒れた学校が多く、学校を1つにまとめる手段として「みんなで歌えるような身近な曲で合唱しよう」という流れがこの頃から広がっていきました。
「みんなで行った修学旅行!」 卒業式“呼びかけ”の謎
卒業式の曲は世代間ギャップがありますが、あまりギャップのないイベントがあります。それが「楽しかった」「運動会」という“呼びかけ”のイベントなんですけど、これのきっかけも調べました。
これは群馬県にある島小学校(当時)の校長先生・斎藤喜博さんが1950年代に呼びかけを考案したそうです。
この方、様々な事業の実験もしていて全国から研究会に人が集まるぐらい権威のある方で、考え方が1970年代に書籍化されました。その「斎藤喜博全集」の第5巻に呼びかけ台本の詳細が記され、全国の学校が採用するようになって広がったということです。