![被災地石川・星稜 9回代打・東が決勝打、明治神宮大会優勝校が接戦を制す、21世紀枠の田辺 76年ぶりの甲子園勝利逃す【センバツ】](/assets/out/images/jnn/1060582.jpg)
■第96回選抜高校野球大会 第1日 田辺ー星稜(18日、甲子園球場)
選抜高校野球大会第1日の第2試合には秋の明治神宮大会優勝校の星稜(石川)が登場、21世紀枠で76年ぶり3度目の出場となった田辺(和歌山)に4対2で勝利した。
星稜は1月1日に発生した能登半島地震で学校も被災し、棚が倒れるなど安全確認や片付けのため、始業式が1日遅れ、リモートで行った。野球部もグラウンドの一部に亀裂が入るなどの被害があった。グラウンドでの練習が行えたのは2月16日、センバツの約1か月前となった。
静かな立ち上がりとなった試合は2回表、星稜は2死から6番・専徒大和(3年)がストレートをレフト前に弾き返し、チーム初ヒットを放った。続く7番・能美誠也(2年)の1球目から盗塁に成功。能美もセカンド内野安打で2死1、3塁とチャンスを広げた。すると8番・濱田大聖(2年)の打席で1塁ランナー能美がスタート。送球が逸れる間に3塁ランナーの専徒がホームを踏み、機動力を生かした星稜が先制点を奪った。
星稜の先発、佐宗翼(3年)は低めのスライダーを上手く使い、秋季和歌山大会で市立和歌山、智弁和歌山を下した田辺打線を2回まで無失点に抑えた。しかし、3回、2死2塁のピンチを迎えると田辺の1番・岡本和樹(3年)にストレートをライト前に運ばれ、1対1の同点に追いつかれた。
星稜は4回表、2死1、3塁のチャンスを作ると、7番・能美の打席でまたも1塁ランナーがスタート、能美もバットを出していきセカンドへのゴロ。しかし、ランナーのスタートでベースカバーに入った田辺のセカンド・尾﨑大晟(2年)が完全に逆を付かれて打球処理が出来ず、星稜が2対1と勝ち越した。
その裏、田辺は先頭の3番・山本結翔(3年)がセンターへのツーベースで出塁、1死3塁の場面で5番・前田海翔(2年)がカウント1-3からスクイズを成功させ、田辺が2対2と再び同点に追いついた。
お互い一歩も譲らず迎えた終盤7回、星稜は2死から代打・中島幹大(3年)がレフト戦へのツーベースでチャンスメイク。続く9番・ピッチャーの佐宗に代打・島田光(3年)を送ったがピッチャーフライに倒れて得点を奪えなかった。
その裏、田辺も1死1塁の場面でこの試合、4個目の犠打で得点圏にランナーを進めた。しかし、キャッチャーからの牽制がセンターへ逸れると、2塁ランナーの尾﨑がサードを狙ったが星稜のセンター・芦硲が好返球でタッチアウト。田辺もチャンスを生かせない。
8回表、ピンチを切り抜けた星稜は先頭の𠮷田大吾(3年)がヒットで出塁、この試合初めて先頭打者が出塁した。そこから1死1、2塁とチャンスを広げて4番・萩原獅士(3年)がライトフライ、5番・服部航(2年)が空振り三振とあと一本が出なかった。
9回表、星稜は1死から7番・能美、8番・中島幹が連続ヒットなどで1死2、3塁のチャンスで代打・東汰生(3年)、田辺・寺西の135球目、ストレートをライト前に弾き返し、勝ち越しの2点タイムリーヒット。明治神宮大会優勝校の星稜が接戦を制して2回戦に駒を進めた。