![”駅員経験あり”異色のスイマー 深沢大和 競技人生かけた五輪切符へ王手「負けるつもりはない」【競泳パリ五輪代表選考4日目】](/assets/out/images/jnn/1064141.jpg)
■競泳 国際大会代表選考会4日目(20日・東京アクアティクスセンター)
競泳のパリ五輪代表選考会。今大会ですべてが決まる一発勝負の戦い、4日目は男子200m平泳ぎで、急成長中の”鉄道マン”スイマー・深沢大和(23、東急 / TSSあざみ野)が決勝へ駒を進めた。
深沢は昨春に慶應義塾大学を卒業し、鉄道事業や都市開発事業を手掛ける東急株式会社に就職。東横線田園調布駅で駅員として研修勤務したこともある異色の経歴の持ち主だ。昨秋からは、会社側に直談判の上「パリ五輪まで」という条件で競技に専念。同じ種目の第一人者・渡辺一平(27、TOYOTA)と同じコーチのもとでトレーニングを重ねてきた。直近1年間で2秒近く自己ベスト更新と、急成長を遂げている深沢。今大会で五輪切符を逃せば、現役引退も覚悟している。19日の100m平泳ぎでは惜しくも代表入りを逃したが、「もうやるしかないんで強い気持ちで行くだけ。200mは絶対負けない」と、今後の競技人生を左右する本命種目へ意気込みを語っていた。
迎えた準決勝。1組目に登場した深沢は、最初の浮き上がりからトップに出ると、後続との差をどんどん広げていった。ラストの50mでは身体1つ分の差をつけ、2分9秒26の組1位でフィニッシュ。2組目を泳いだ元世界記録保持者の渡辺一平、世界選手権銀メダリストの花車優に次ぐ3位で決勝進出を決めた。翌日に行われる決勝では、派遣標準記録(2分08秒48)を突破し、上位2人に入ればパリ五輪代表内定となる。初の五輪切符へ王手をかけた深沢は「(準決勝では)すごいいい泳ぎができた。調子はいいので大事なのは気持ち。明日は日本新を出します!」と力強く話した。競技人生をかけた決勝については「負けたら引退というのはあるけど、負けるつもりはない。引退はしません」とパリ五輪出場への覚悟をみせた。
なお、大会4日目は2種目(女子100m背泳ぎ、男子800m自由形)の決勝レースが行われたが、パリ五輪代表内定者は出なかった。