![「技術がなくても、CGアニメーションを身体で作れる」スタントマンが自身をCGに⁉ 一方で深刻な著作権侵害も “AIとの共存”どう向き合えば?【news23】](/assets/out/images/jnn/1070991.jpg)
世界中でAIの開発や利用が加速する中、著作権の侵害や、仕事を奪うリスクなど、様々な課題が指摘されています。私たちはAIとどう向き合っていけばいいのか、スタントマンの仕事も変化しているようです。
【歌詞を見る】ChatGPTが生成した「news23」のテーマ
「news23 照らし出せ 隠された物語~♪」生成AI 作曲から翻訳まで
文章を入力するだけでリアルな動画を作成し、小説やマンガの制作にも生成AIが活用される時代。生成AIを使えば、作詞・作曲もできます。「news23」をテーマに曲を作ってみると…
生成AI「ChatGPT」がnews23をテーマに作った歌詞
「社会の波紋が広がる、夜の都市を行く~探求の始まりを告げる~」
「情報の海を渡り、真実を探し求める、忘れられた声~」
「news news23~照らし出せ 隠された物語~news news23 照らし出せ 隠された物語」
曲作りに協力してもらったIT運用コンサルタント坂田誠さんは…。
IT運用コンサルタントの坂田誠さん
「ChatGPTに作詞をさせて、作曲AIのSuno AIに詞を入れて、曲調を指定すると、1分ぐらいで曲が出来る」
山本恵里伽キャスター
「ちょっとキザな感じはするけれど、番組の情報を入れた上で作られた音楽なんだなと」
生成AIの驚きの進化は他にも。撮影した動画を「Hey Gen」という生成AIツールに取り込むと「声」と「口の動き」などが、様々な言語へ翻訳された動画を生成することが可能です。
元動画「こんにちは、TBSアナウンサーの山本恵里伽です」
Hey Genで作成した動画「Bonjour, Je suis Erika Yamamoto, de TBS annonceur」
IT運用コンサルタント 坂田誠さん
「ドラマとかアニメが瞬時に世界各国の言葉に翻訳されて、その演者の声で配信できる。どこの国のコンテンツだろうと面白ければすぐに流行して、大ヒットするみたいな世の中になってきますよね」
「ラフ画を使って勝手に作成」生成AIが著作権侵害
急速なスピードで進化するAI。一方で深刻な課題も…絵本作家の松本えつをさん。キャラクターデザインや、出版物のプロデュースなども手掛けています。
松本さんは徐々に仕事がAIに置き換わりつつある状況を肌で感じています。
絵本作家 松本えつをさん
「ちょっとしたイラストとか、ここに絵があったらなというときに、絵描きさんに発注するという考えだけではなくて『AIで取り急ぎつくろう』とか『有りものを借りようか』という判断されることによって仕事の幅は狭まる」
さらに不安だと話すのが、AIによる著作権の侵害です。生成AIが著作物を無断で学習し、似せた作品を作り出すケースが確認されているからです。
「学習された対象が私の作品で『あなたの絵、これに似てるね』って言われたら何も言えないですよね」
「私の(作品)を学習した証拠がない。証拠を出せないと多分訴えることができない。どうしようもないと考えるとめちゃくちゃ怖いです」
海外の生成AIの訴訟に詳しい高橋尚吾さんは、これまでイラストレーターら300人以上から被害相談を受けてきました。中には下書きをAIで勝手に完成させられたという被害も…。
生成AI問題に詳しい 高橋尚吾さん
「ラフ画(下書き)の提出を求められて、出した後に『今回依頼はなしだ』と言われた。後から見ると、明らかにラフ画を使って生成AIで出力させたものを業務で使われていた」
「作家さんが望んでいた完成形ではないし、正当な対価も受けられない」
不安と可能性…スタントマンの仕事も変化 AIとの共存
生成AIと共存AIの出現で脅かされる仕事は他にもーー
スタントマンの片岡大知さん。舞台を中心に活動していますが、仕事がAIに奪われる不安を感じています。
スタントマン 片岡大知さん(29)
「仕事が減っていく可能性は考えられる。特に危険なシーンとかは生身でやるより、最新テクノロジーでやろうとなる」
ただ、片岡さんはそのAIを拒むのではなく、活用したいと考えています。
片岡さんがAIで作った動画では、片岡さんの動きに合わせ、3Dのキャラクターが動いています。
スタントマン 片岡大知さん(29)
「僕はただのスタントマンだったんですけど、CGアニメーションの技術や知識がない人間でもAIを使ってCGアニメーションを身体で作れるようになった。新たな創造性の拡張」
片岡さんは2023年、人間の動きを元にAIでアニメーションをつけた長編映画にも参加しました。
最近はスタントより動画制作の仕事の方が増えていると言いますが、自身の体で表現することには、拘り続けたいと言います。
スタントマン 片岡大知さん(29)
「笑顔の表現にしたって、例えばAIが『本当の笑顔』と『相手の不幸を喜ぶ笑顔』を演じ分けられるのかなって」
山本キャスター
「私たちアナウンサーもAIだったら噛まないし、正確に情報が伝えられるし『AIでいいじゃないか』と言われる職業の1つだと思う」
「でも私は感情を乗せて伝えるとか、きっとAI・機械にはできない部分があるから、まだまだアナウンサーとして頑張っていきたいと思っている」
スタントマン 片岡大知さん(29)
「やはりまだ人間にしかできない表現があると僕は信じています」
山本キャスター「今回いろいろなアプローチからAIの取材をしていきましたが、どの取材もワクワクしたんです、面白かった。確かに生成AIというのは私たちの仕事や生活を脅かすものではあると思う」
「それだけではなく『生活を豊かにしてくれるものでもあるな』と今回とても感じたんです。そのためにも早急なルール作り、そして私たちとしても共存していこうという姿勢が必要になってくるなと強く感じました」
「みんなの声」は
NEWS DIGアプリでは『急速に進歩するAI』などについて「みんなの声」を募集しました。
Q.急速に進歩するAIについてどう思う?
「多方面での利用に期待」…13.6%
「悪用されないか脅威に感じる」…80.0%
「仕事を取って代わられないか心配」…4.0%
「その他・わからない」…2.4%
※3月23日午前0時30分時点
※統計学的手法に基づく世論調査ではありません