猫は体調不良を隠す動物です。はっきりとした症状が見られるときはかなり病気が進行しているという場合も少なくありません。しかし、病気が進行するまでの間に猫は小さなサインを発していることが多いです。今回は、猫が発する少し分かりにくい病気の隠れサインを紹介します。
1.急にご飯をボロボロと食べこぼすようになった
ご飯を食べるときに口からボロボロとこぼすようになった、こぼす量が増えたという場合は注意が必要です。口の中に問題が生じている可能性があります。
たとえば以下の病気です。
- 口内炎
- 歯肉炎
- 歯周病
口の中に問題がある場合は、食べこぼすのと同時に、次のような症状が見られます。
- よだれの量が増える
- 口臭がする
- 歯茎に赤みがある
口内炎や歯肉炎などで口の中に問題があると、痛みや違和感で食事が食べられなくなる場合も。また悪化すると抜歯が必要になるなど、猫にも飼い主さんにも負担が大きくなります。
おかしいなと感じたら早めに動物病院を受診しましょう。
2.水をたくさん飲むようになった
「最近、うちの子がしっかりと水を飲んでくれる」と喜んでいる飼い主さんを見かけることがあります。しかし急に水をたくさん飲むようになったら、重大な病気が潜んでいる可能性があります。
猫がたくさん水を飲む症状を多飲と言い、おしっこの量が増える多尿とセットになることが多いです。
猫の多飲多尿の原因となるおもな病気は以下となります。
- 慢性腎不全
- 糖尿病
- 副腎皮質機能亢進症
などがあります。猫の場合は、個体差はありますが1日の飲水量が体重1kgあたり約60ml以上で多飲と言われています。多飲と同時に多尿が見られ、症状がつづく場合は要注意と覚えておきましょう。
3.しきりになめる
猫が口周りや床など何かをしきりになめる場合は要注意です。しきりになめる、食欲がないといったときは、なんらかの病気が隠れている可能性があるでしょう。
- 消化管内の寄生虫
- 消化器系の病気
- 脳の病気
- 異食症
この中でも多いのは、消化器系の病気と消化管内の寄生虫です。胃腸炎などにより気持ち悪さが起こり、しきりになめたりくちゃくちゃと口をもぐもぐさせるような仕草をしている可能性があります。
脳の病気の場合は、痙攣(けいれん)や頭の傾き、異常行動が見られることも多いです。
若い猫の場合は興味本位でいろいろなものをなめることもありますが、頻繁になると病気の可能性を疑います。猫の不思議な行動の裏には「病気がある」と思うくらいがちょうどいいのかもしれませんね。
4.床にお尻をこすりつける
猫がウンチのあとにズリズリと床にお尻を擦り付けて移動することがあります。通称「お尻歩き」「猫戦車」などと呼ばれる行動で、お尻になんらかの違和感があるときに行う行動です。
頻繁にお尻歩きする場合は以下の病気や状況が疑われます。
- 肛門腺が詰まっている
- 肛門嚢炎
- 便秘または下痢
- ウンチの切れが悪い
肛門腺が詰まっている場合は、中に溜まっている分泌物を絞り出すことで解決しますが、慣れないと上手く出すことができません。動物病院でお願いするのが安心でしょう。
いずれにしても、お尻歩きが頻繁に見られる場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ
猫は人間と違って言葉で体の違和感や異常、痛みを伝えることができません。しかも猫は不調を隠します。だからこそ「少しの違和感」を見つけたときは、気のせいと考えずに愛猫の様子を注意深く観察する必要があります。
今回紹介したような一見すると分かりにくい病気のサインもありますから、小さな違和感に気づいたときは、念のため動物病院を受診することをおすすめします。なんでもなければ安心ですからね。
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