EU=ヨーロッパ連合の執行機関・EU委員会は、デジタル市場での自社サービスの優遇を禁じた法律に基づき、アメリカの巨大IT企業3社の調査を始めたと発表しました。
【動画】EU 巨大IT企業3社の調査開始 自社サービス優遇禁じた法律めぐり
EUでは公正なデジタル市場を確保するため、巨大IT企業に自社サービスの優遇を禁じたDMA=デジタル市場法が今月7日から運用されています。
違反が認定された場合には最大で全世界での売り上げの10%、違反を繰り返した場合は最大20%の罰金が科せられます。
EU委員会は25日、グーグルの親会社アルファベットとアップル、メタの巨大IT企業3社について、DMAに違反している疑いがあるとして調査を始めたことを明らかにしました。
EU委員会はアルファベットとアップルの2社について、利用者への自由な宣伝ができないなどアプリ開発業者にさまざまな制限をかけていると指摘。また、メタはEU域内のフェイスブックやインスタグラムの利用者に広告目的の個人データの収集に同意し、無料でサービスを利用するか同意せずに利用料を支払うかを選ぶよう求めていますが、EU委員会は「不同意の場合の十分な代替案が提供されておらず、個人データの集積を防ぐ目的が達成されないという懸念がある」と問題視しています。
DMAに基づく調査は運用開始以降初めてで、1年以内に結論が出される予定です。