警察庁は、「匿名・流動型犯罪グループ」の取り締まりなどを強化するため、全国で700人を超える警察官を増員して対応にあたっていることを明らかにしました。
SNSなどで実行役を募集して強盗などの犯罪をおこなう、「匿名・流動型犯罪グループ」通称、「トクリュウ」をめぐっては警察庁が治安上の脅威だとして情報収集や取り締まりを強化しています。
全国の警察の体制についても、警察庁はおととし9月からことし4月にかけて700人を超える警察官を増員して対応にあたっていることを明らかにした上で、東京・新宿歌舞伎町など大きな繁華街を抱える12の警察では、組織犯罪対策部門と保安部門が共同で専従のチームを新設し、「トクリュウ」が不正に得た資金の流れなどを追っているということです。また、特定の組織には属さず、単独で攻撃を仕掛ける「ローン・オフェンダー」への対策ついては、警察庁が来月、全国の警察に対して警備部門に司令塔を置いて、刑事や地域など各部門からの情報を一元的に集約する仕組みをつくるよう指示します。
警察当局では、「トクリュウ」や「ローン・オフェンダー」に加えて広域捜査が必要になる特殊詐欺事件など、これまでの警察の縦割りでは解明が難しかった分野を「警戒の空白」と銘打ち、これまでに全国でおよそ2760人を増員して抜本的な体制の強化を図っています。一方、全国の交番や駐在所については、▼日勤だけの交番や、▼駐在所を通勤制にするなど地域の実情を考慮した上で、人員や業務を減らしていくための見直しを進める方針です。
