大谷選手の元通訳・水原一平氏を対象とした捜査に、新たにアメリカの捜査機関が加わったことが分かりました。
【写真を見る】どんな罪に問われる? 大谷翔平の元通訳・水原氏“疑惑”に「犯罪組織の資金洗浄」担当の新捜査機関も…【Nスタ解説】
水原氏を国土安全保障省が捜査に どんな罪に問われる?
加藤シルビアキャスター:
今回、水原一平氏をめぐりアメリカの国土安全保障捜査局も捜査に加わっていたことがわかりました。
この組織は「HSI」と呼ばれ、国際的な犯罪組織によるマネーロンダリング(資金洗浄)などを捜査している機関です。ただ、今のところ具体的な容疑は不明だということです。
ホラン千秋キャスター:
今回の機関は、役割としてはどんなところが違うのでしょうか?
国際弁護士 村尾卓哉さん:
基本的にHSIは国際的なマネーロンダリングを監視する、捜査する組織ですので、おそらくボウヤーという元締めがやっていた賭博に関連して、元々HSIも入っていたのだと思っています。
井上貴博キャスター:
大谷選手はしゃべれることを全て話したと考えると、次は水原さんにしゃべってもらえないものかと感じるんですけど、捜査が行われている中でそれが可能なのかどうなのか。また、ESPNで最初なぜ嘘をついたのか、「翔平さんに貸してもらった」という発言が理解できないんすけど、そのあたりはどう感じますか。
国際弁護士 村尾卓哉さん:
最初の発言については推察ですが、自分がしてしまったことを何とかごまかそうと、情報コントロールする中で出てきたのかなと思います。
また、今回の件に関して水原さんがボウヤーという人物のやっている違法賭博にかなり深く入り込んでいることもあり得るので、HSIやIRSといったマネーロンダリングに関する捜査をできる機関が水原さんも対象にして調べているのかなと思っています。
ここまでの捜査の過程は? 過去にも合同捜査した事件も
加藤キャスター:
改めて、ここまで一体どんな機関が捜査を行っていたのか、捜査の過程を見ていきましょう。
まず、違法賭博と脱税に関しては“元締め”のマシュー・ボウヤー氏に関してアメリカのFBI(米・連邦捜査局)と日本の国税庁にあたるIRS(米・内国歳入庁)が捜査をしていました。
そういった中で大谷翔平選手の口座から約6億8000万円の金額の送金があったということで、捜査線上に水原一平氏の名前が浮かび上がってきました。そして今回、新たにHSI(米・国土安全保障捜査局)が捜査に加わっていたということが明らかになっています。
一方で、水原氏が大谷選手のお金を盗んだとされている巨額窃盗事件に関しては、地元のカリフォルニア州の捜査当局が捜査を行っています。
実はこうした合同捜査は過去にも行われています。
2022年、元ドジャースのヤシエル・プイグ氏が違法スポーツ賭博に関与していたとして、HSI、そしてIRS、さらにカリフォルニア州の捜査当局などが捜査を行っていたということでした。
水原氏はどんな罪に問われる可能性があるのか?
では、水原氏はいったいどんな罪に問われる可能性があるのでしょうか。
1つ目は電子送信を使用した詐欺罪です。
30年以下の禁錮、および100万ドル以下の罰金で、日本円に換算すると約1億5000万円ほどです。さらに窃盗罪としては3年以下の禁錮、および5000ドル以下の罰金が科される可能性があるということでした。
ホランキャスター:
まだわからないことがたくさんあるわけですけれども、犯罪の規模としてはどれくらい重いものだと認識すればいいでしょうか?
国際弁護士 村尾卓哉さん:
連邦が絡んでくる事件ですので、懲役1年や2年で終わるような事件ではなくて、10年単位のような事件になってくるかと思います。
井上貴博キャスター:
どのくらいクリアになると考えていますか?
国際弁護士 村尾卓哉さん:
FBI、IRS、HSIというプロフェッショナルがボウヤーを調べていて、その捜査線上に水原さんが入ってきているので、捜査は大規模に行われていると思いますし、おそらく他のスポーツにも飛び火する可能性もある事件なので、かなり詳細はわかってくると思っています。