香港でスパイ行為などを取り締まる「国家安全条例」が施行されたことを受け、アメリカ政府系の放送局は香港支局を閉鎖したと発表しました。
香港では今月23日、国家への反逆やスパイ行為、反乱の扇動などの取り締まりを強化する「国家安全条例」が施行されましたが、「規定があいまいだ」といった非難の声が海外であがっています。
こうしたなか、ワシントンに本部を置くアメリカ政府系の放送局「ラジオ・フリー・アジア」は29日に声明を発表。「スタッフや記者が安全に活動できるのか深刻な疑問が生じた」として香港支局を閉鎖したことを明らかにしました。
「ラジオ・フリー・アジア」は、「閉鎖的なメディア環境に対応し、異なる報道形式に移行する」として今後も香港や中国本土に向け、情報を発信していくとしています。
香港では2020年に反政府デモなどを取り締まる「国家安全維持法」が施行されて以降、民主派メディアが相次いで閉鎖に追い込まれていて、今回の「国家安全条例」の施行によって政府による言論統制がさらに強まるものとみられます。