![日本製鉄 今井新社長「USスチールが米国でこれから成長するために一番お役に立てるのは日本製鉄」](/assets/out/images/jnn/1087253.jpg)
日本製鉄の今井新社長は、現在進めているアメリカの大手鉄鋼メーカー「USスチール」の買収計画について「買収を完了させることに集中している」と話し、予定通り進める考えを強調しました。
日本製鉄 今井正 新社長
「USスチールが米国でこれから成長するために一番お役に立てるのは日本製鉄だと確信があります。USW(全米鉄鋼労働組合)の方々と誠実にお話をする、それが一番重要」
4月1日付けで就任した日本製鉄の今井正新社長。先月、記者団の取材に応じ、アメリカの大手鉄鋼メーカー「USスチール」の買収について「現時点では買収を完了させることに集中している」と強調しました。
一方で、USW=全米鉄鋼労働組合が買収計画に反対していることについては、「いま、いろいろな話し合いを進めている最中」だとして、粘り強く交渉を続けていく考えを示しました。
また、アメリカのバイデン大統領が買収に懸念を表明するなど、政治リスクに対応して計画を変更する可能性については、次のように話しました。
日本製鉄 今井正 新社長
「今回のディールは、あくまで100%の買収ということで我々は手を挙げて選ばれている。(買収計画変更は)当社が決めることではない」
旧新日本製鉄出身の今井氏は技術者として初めての社長で、二酸化炭素の排出量の少ない電炉の推進など、今後、大きな課題となっている脱炭素対策に力を入れる方針です。
また、日本製鉄は、今年の春闘で組合が要求したベースアップ相当分を上回る月額3万5000円で回答。その狙いについては…
日本製鉄 今井正 新社長
「労働生産性ひとつとっても成果を還元するという意味での賃上げではなくて、今回は本当に経営の意思として戦略的に上げている面が強い。人的な競争力は本当に大事」
「優秀な現場の人材が集まってくれるかは、本当に会社の競争力を左右する要因だ」と指摘しました。
日本製鉄は今回の新たな人事で経営体制を強化し、海外事業などの成長戦略を加速させる考えです。