中国では6日までの3日間、亡くなった人を弔う清明節の連休でしたが、去年急死した李克強前首相ゆかりの地では警察官が配備されるなど異例の厳戒態勢が取られました。台湾メディアは「当局が大規模な追悼活動を阻止した」と指摘しています。
中国の李克強前首相は去年10月、突然の心臓発作で死亡しました。今月6日までの3日間は李克強氏が死亡して初めての清明節の連休でしたが、複数の台湾メディアによりますと、安徽省にある李氏が以前暮らした家の周りには多くの警察官が配備され、厳重な警備が敷かれました。
また、宅配サービスのアプリでは、この旧家に花束を届ける注文が一時できなくなったほか、花屋に警察から電話があり、注文した人の情報を聞かれるケースもあったということです。
旧ツイッターの「X」上には、去年多くの花束が手向けられた橋で、警察官が10メートルごとに立っている動画も投稿され、当局が李氏の追悼活動を警戒している様子がうかがえます。
中国のSNS上では、李克強氏の名前を検索しても、死去のニュースは表示されるものの、新たな情報はなく、当局がブロックしたとみられます。
中国では1989年に胡耀邦総書記が死去した際、追悼集会が天安門事件に発展したこともあり、政府は習近平国家主席と路線対立があったとされる李氏を追悼する動きが政府批判につながることを警戒しています。