『野良猫』にしてはいけない3つの禁止事項 法律で禁じられている行為も

2024-04-16 20:20

野良猫を見かけると「ふれあいたい」「何か手助けをしてあげたい」と思う方もいるでしょう。しかしよかれと思ってしたことが、実は猫のためにならなかったり周囲の迷惑になったりする場合もあるので注意が必要です。野良猫との関わり方における禁止事項についてご紹介します。

1.無理に近寄ったり触ったりしない

威嚇する野良猫

野良猫は警戒心が強く人を怖がる子も多いので、無理に近寄ってはいけません。もちろん警戒して逃げていく野良猫を追いかけたり、触ろうとしたりするのもNGです。

野良猫が嫌がっているのに近寄ったり触ろうとしたりすると、攻撃されてしまうことも…。

野良猫に引っかかれたり噛みつかれたりすると、傷口から病原体が入って感染症を引き起こすリスクもあるので十分に注意してください。

野良猫からうつる病気の中には人間にとって致死的なものもあるので、万が一野良猫から引っ掻かれたり噛みつかれたりした場合は、必ず人間の病院に相談してください。

2.リスクを考えずに触れ合わない

女性の足元で甘える野良猫

基本的には、『野良猫には触らずに、そっと見守る』という関わり方がおすすめです。

とはいえ、野良猫が人懐っこい性格で、自分から近寄ってきてくれたときには触れ合いたくなってしまいますよね。野良猫との触れ合いが絶対にNGというわけではありませんが、リスクを知ったうえでどうするかを判断することが大切です。

野良猫は細菌やウイルス、ノミやダニ、消化管内寄生虫など何らかの病原体を持っているので、それらの感染症に注意しましょう。免疫力が低下している方や子ども、高齢の方、妊娠中の方、持病や手に傷がある方は感染症のリスクが高いので、野良猫との触れ合いは避けてください。

また飼い主さんが病原体を家に持ち帰ってしまい、愛猫に病気がかかってしまうケースもあります。猫を飼っている方、特に愛猫がワクチン接種やノミ・ダニ予防をしていない場合には気をつけなくてはなりません。

野良猫と触れ合ったときは、家に入る前に毛や汚れを落とし、愛猫と接する前に手をしっかり洗って衣服を着替えることで感染症対策をしましょう。

さらに、人との触れ合いは、野良猫にとってもリスクがあることを理解しておく必要があります。

体に人のニオイがつくと、他の野良猫に警戒されて馴染めなくなったり、攻撃対象になったりしてしまうかもしれません。特に子猫に人のニオイがつくと、親猫の育児放棄につながるといわれているので、むやみに子猫に触れないようにしてください。

3.無責任にエサを与えない

エサを食べる野良猫

野良猫を見かけると「お腹が空いてないかな?」と心配になってしまいますが、野良猫にエサを与えると大きなトラブルにつながる可能性があるので要注意です。

エサをもらえることがわかると野良猫がその場に集まってくるので、排泄物の悪臭や騒音などで近隣住民に迷惑をかけてしまうケースが少なくありません。

野良猫は非常に繁殖力が高いので、1頭のメスから1年間で20頭に増えることも可能です。

野良猫が繁殖すれば不幸な猫が増えたり、悪臭などの被害が拡大して地域の人とエサやりをする人の関係が悪化したり、更には地域の人と猫との関係まで悪化したりしてしまいます。無責任に可愛がったり中途半端に優しくしたりすることは、野良猫のためにならないということを忘れないでくださいね。

また、条例で野良猫のエサやりを規制している地域もあり、違反した場合は罰則が科されることも。

さらに動物愛護法では、エサやりにより周辺に騒音や悪臭などの被害が出た場合に、都道府県がエサを与えている人に対して指導、勧告、命令を行うことができるとされています。過去に損害賠償を請求された事例もあるとのこと。

法律でエサやり自体が禁止されているわけではないものの、基本的に野良猫へのエサやりは推奨できません。

どうしてもエサやりをしたいなら、エサやり場所を近隣の迷惑にならず交通事故を避けられる安全な場所(公的な場所は許可が必要)に限定し、食べ残しと糞便の掃除を毎日実施するなどのマナーを守ってトラブルを防ぐことと、過剰繁殖を避けるためにエサをあげている猫全員に避妊去勢手術を実施すること、そして何よりもそういった活動に対して近隣住民から理解を得る努力が欠かせないでしょう。

自治体によっては「地域猫」制度を実施している場合もあります。そういった制度を利用して、地域全体で野良猫を守っていくこともできますので、自治体や地域の保護団体に相談してみてください。

まとめ

こちらを見つめる野良猫

野良猫との関わり方は、「そっと見守る」か「責任を持って幸せにする」のどちらかが望ましいです。

責任を持って関わる覚悟があるのなら、保護して家族に迎えたり、新しい飼い主を探したり、避妊去勢手術を施して過剰繁殖しないようにしたり…できる限りのことをしてあげてください。中途半端に関わるだけなら、猫のためになりません。

もしも野良猫を保護したものの飼育することが難しい場合には、保護団体や地域の動物愛護センターに相談してみるとよいでしょう。

動物愛護センターでは地域によっては施設や公式ホームページなどでの里親募集や、譲渡会の開催などを行ってくれます。ただし、センターに収容された場合は最悪の場合、殺処分となる可能性もありますので、センターへの引き取り依頼ではなく、あくまで里親探しのために協力してもらえるかの相談としましょう。

絶対に途中で放り出したりせずに、小さく尊い命を守ってあげてくださいね。

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