猫が大きな口を開けて「あくび」をする様子はとても可愛らしいですよね。主にリラックスしている時にしているイメージですが、あくびをする他の理由もあるのでしょうか。今回は、猫が「あくび」をする理由について解説します。
1.眠くなった、リラックスしている
あくびは体の酸素が足りていない場合に誘発され、脳にたくさんの酸素を取り込むことで体を目覚めさせる役割があると言われている生理現象です。
猫も人間同様に、リラックスしている時や眠たくなった時にあくびをします。寝床やお気に入りの場所で、あくびをしながら目を細めたり閉じていたりする場合は眠気によるものでしょう。
猫も休息が必要ですので、眠たそうにあくびをしている時はゆっくりと休ませてあげましょう。
2.ストレスを感じている
飼い主に怒られた時や失敗した時など、猫がストレスを感じたり不安を抱いたりしていると、「転位行動」と呼ばれる全く脈絡のない行動をとって緊張をほぐそうとすることがあります。
転位行動はいわゆる気分転換のようなもので、毛づくろいをしたり、目を開いたままあくびをしたりする以外にも、爪を研ぐ行為も該当するといわれています。
愛猫にこれらのような転移行動が見られたら、その原因を探り、できるだけすみやかに原因の解消に努めましょう。
3.敵意がないことを伝えている
他の猫と目が合った時に、片方の猫があくびをすることがあります。
猫の世界では『目を合わせる=威嚇』の意味があるため、あえてあくびをすることなどで「敵意はないですよ」と相手に伝えているのです。
また、あくびをして気持ちを落ち着けることで、無用な争いを避けるという意味合いもあるといわれています。
これが「カーミングシグナル」と呼ばれるボディランゲージで、
- 目をそらす
- 喉をゴロゴロならす
- しっぽを股の間にはさむ
というような、あくび以外の行動も見られる場合があります。
4.集中しようとしている
遊んでいる最中、ご飯を食べる前など、集中しようとしていたり動き出したりするサインとしてのあくびもあります。
猫が寝起きの時に伸びをしながらするあくびも同様で、脳に酸素を取り入れて活性化させるために行うのです。人間で言えば運動前の準備運動やストレッチのような感じでしょう。
同じネコ科である野生のライオンは、『狩りをする前にあくびをする』と言われています。
危険性のあるあくびには要注意
あくびをした時に猫の口臭が気になる、口を開けた時に痛そうにしている、よだれがたれているというような場合は、歯肉炎や口内炎などの病気の可能性があります。
また、あくび後の猫の口からアンモニア臭がしたり、食欲不振・嘔吐等の症状を伴ったりしている時は、消化器や腎臓のトラブルなどになっている可能性があります。
ご飯を食べた直後はフードのにおいがすることもありますが、食事後ある程度時間が経っているにも関わらず口臭が気になるようであれば、動物病院の受診をおすすめします。
まとめ
今回は、猫が「あくび」をする理由について解説しました。
猫の「あくび」は、主に眠気がある時やリラックスしている時によく見られますが、それ以外のさまざまな理由も存在します。
たとえばストレスを感じた時の緊張緩和や他の猫と目が合ってしまった時に敵意がないことを伝えたり、行動する前のサインとして行うこともあります。
猫があくびをした時に口から悪臭がする場合は、何らかの病気になっている可能性がありますので、速やかに病院を受診してください。
猫のあくびは心の状態や体の状態につながっているので、日頃からよくチェックしておきましょう。
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