25日、偽広告で投資詐欺にあったとして、フェイスブックなどを運営する「メタ社の日本法人」に対し、被害者らが集団訴訟を起こしました。また、自民党からはメタ社の国会の参考人招致を求める声も上がっています。
【写真を見る】「メタの“国会招致”検討すべき」平井元デジタル大臣が求める 偽広告の詐欺被害者がメタ日本法人を集団提訴【news23】
「偽広告さえなければ被害にあわなかった」メタ日本法人を集団提訴
タレントの小倉優子さんや西野亮廣さん、中田敦彦さん。偽広告は、なりすます有名人を代え、今も掲載され続けています。
そして25日、投資詐欺にあったという男女4人がフェイスブックなどを運営するメタの日本法人に対し、約2300万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁に起こしました。原告のひとりは…
原告
「私たちは偽の広告さえなければ被害にあわなかった。詐欺だとわかった時点で何か手を打たなければならなかったにもかかわらず、何かやっているふうはない。(偽広告の掲載が)不法行為であるというふうに私たちは捉えて、この度訴訟することにした。許せない」
訴状などによると、原告のひとりは、インスタグラムの前澤友作さんの偽広告からLINEの投資グループなどに誘導されたといいます。そして、参加者が「怖いので10万円からはじめてみる」などと言っているのを聞き、「自分も10万円だけ試してみよう」とFXの投資目的で振り込みをしたといいます。
被害額は610万円、振込先のほとんどが名義が個人名になっていて、中にはベトナムなど外国人とみられる名義もありました。
原告
「個人名義に何十万円とか、何百万円というお金を振り込むということはありえない話なんですけど、もう洗脳されちゃって」
被害者らによると、LINEグループの中で、参加者が「儲かった」などと話していたり、写真や動画を送ってきたりすることで信じてしまうのだといいます。
取材では、株主優待で暮らす達人として知られる投資家・桐谷広人さんのアシスタントからこんな動画が…
桐谷広人さんのフェイク動画
「こんにちは、桐谷ショウトと申します、はじめまして。投資に関する皆さまのビモンに全力でこたえていきます」
名前の間違いなどはありますが、言葉に唇の動きをあわせる高い技術が使われています。
自民がLINEにヒアリング 「日本をなめている」メタ社の“国会招致”検討も求める
こうした詐欺のやりとりに使われているのが「LINE」です。自民党のワーキングチームは25日、LINEヤフー社の幹部から聴き取りを行いました。
LINEヤフー側は、利用者が不審なトークグループに参加しようとする際に警告画面を表示させるなどの対策をとっていることを説明したということです。
また、議員たちからはメタ社に対して厳しい指摘が。
自民SNSなりすまし対策WT座長 平井卓也 元デジタル大臣
「偽広告を除外するという技術は、実はもうほぼできているというふうに思うし、一部実装されているにもかかわらず、今の状況が変わらないというのは、我々、全く納得ができません」
複数の自民党議員
「国際的に有名な大坂なおみらは詐欺広告のチェック対象になっていて、前澤さんや堀江さんが、メタにとって配慮すべき著名人と見なされていないから放置されていたようだ。メタが日本をなめているんだよ」
自民党はメタ社の幹部を再度、呼んで詐欺対策について問いただすほか、 平井元デジタル大臣は、国会への参考人招致の検討も求めています。
詐欺対策が急務となる中、茨城県では70歳の女性が偽広告を入口に森永卓郎さんなどになりすましたLINEから金の投資を勧められ、約7億円をだまし取られたことがわかりました。
また、この事件では女性は3回にわたって、約1億3000万円を自宅の最寄り駅付近で男に現金で手渡していたといいます。
巧妙化するSNS投資詐欺の手口。プラットフォーム側の責任をめぐる議論は今後も続きます。